"国際連合"とは、連合国のことであり拙訳である | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 英語名が"United Nations"である組織を、日本語では、なぜか国際連合と呼んでいる。"United Nations"や"Allies"は、第二次世界大戦の戦勝国の呼び名である。中学生の頃はインターネットもなく、詳しい事情を知るすべもなかったので、変な訳語だなと思っていた。のん気だった。

 国際連合は、もちろん、世界を統治する一つの政府ではなく、単なる寄り合い所帯である。単なる寄り合い所帯だから、総会で議決したことを守る守らないは、加盟国の良心に委ねられている。
安全保障理事会で議決したことは、加盟国である限り、守ることに同意したことになっている(注)が、「加盟国は、脱退してはならない」とは、どこにも書かれていない。

 総会は、全加盟国が、一国一票で投票し採決する。総会で決められることは、「みなさん、今後はこういう方向で、よろしく」というお題目のみである。安全保障理事会は、非常任理事国10カ国と拒否権を持つ常任理事国5カ国が、一国一票で投票し採決する。安全保障理事会が決めたことは、加盟国に対し拘束力がある。国際連合において強い影響力を保持しているのは、安全保障理事会の常任理事国5カ国のみである。

 やはり、国際連合とは、連合国のことである。大戦の前も後も、外交の世界は、友だとか愛だとかを語るサロンではなく、交渉を行う場所である。まともな国の交渉者に、他者を思いやる心や教養があるのは、自明のことである。


(注)
国際連合憲章25条
国際連合加盟国は、安全保障理事会の決定をこの憲章に従って受諾し且つ履行することに同意する。

Charter of the United Nations, Article 25
The Members of the United Nations agree to accept and carry out the decisions of the Security Council in accordance with the present Charter.