日本政治の更なる劣化を望む者は、"準備"を整えている | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 昨年1月、2年間の時限立法である新テロ特措法(テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法)が、失効した。対テロ戦争参加国は、日本がインド洋での給油活動を継続することを、強く望んでいた。にもかかわらず、日本は、同法失効と同時に給油活動をやめ、その後、お金や物の拠出のみ行っている。
困っている友人を助けようと、有志が集まって、様々な活動をしている。水を汲んできて皆に配る役目を引き受けていた者が、急に「家に帰るから後はよろしくね」と言って、本当に帰ってしまった。家に帰ってから、まずいと思ったのか、お金や物を送ってくる。現場で活動を続けている有志の仲間は、どう思うだろうか。

 新テロ特措法が時限立法なのは、自衛隊の海外派遣が、「我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に資する」という目的に合っているかどうかを、定期的に検証させるためである。

 民主党政権は、米国海兵隊普天間飛行場の移設問題に関し、ドタバタ劇を演じた挙げ句、ひたすら先送りを繰り返している。「辺野古移設が円滑に進まないこと」が隣国に伝わるということは、「米国海兵隊の沖縄常駐は、砂上の楼閣のように脆いものである」と、隣国に伝えているのに等しい。
近々、廃業する予定の商店主は、店舗移転などしない。「海兵隊撤退を視野に入れているから、移設が進まないのではないか。ならば、今は攻め時だ」と、一部の隣国は思っているだろう。

 日本の政治情勢が不安定化していて、その流れが止まらない。日本の危機管理能力が地に落ちるのを、今か今かと待ち望んでいるのは、日本海や東シナ海に面した国々だけではない。日本資本が投入され日本人が運営に携わっている工場や、日本人が乗り組む船舶は、世界中にある。
テロリストやインド洋・ソマリア沖の海賊は、国内法の失効と同時にインド洋での給油活動をさっさとやめた日本を、どう見ているのだろうか。