日本国政府の国債・借入金などのいわゆる有利子負債は、今年3月末時点で、およそ923兆円である。財政赤字、いや財政大赤字である。財政赤字を解消するには、①支出を減らし収入を増やして(=増税して)緊縮財政を行う、②債務不履行を宣言する、③意図的に通貨供給量を増やし過度のインフレを起こす、④禁じ手である政府紙幣を発行して返済する、などの方法があると言われている。
私なりに、少し考察してみたい。
①有利子負債額923兆円、既にGDPの2倍の額に迫ろうとしている。消費税率を倍の10%にしても、10兆円、税収が増えるだけである。実質的な資産没収である財産税(富裕税)の課税を行わない限り、財政を均衡させることは無理である。資産没収は、短期間に一気にやらないと、超富裕層は、資産を海外に移動させるので、経済が大混乱する。
②円の信用が低下して、経済が大混乱する。
③金融緩和策などで通貨供給量を増やしても、そもそも資金需要が、あまりない。バブル期のように銀行マンから、「どんどん貸しますので、どんどん投資して儲けてください」と言われても、誰も借りない。全ての物価、全国民の所得が、等しく10倍になるようなインフレは起きない。使い手が見つからないお金は、結局、原油や小麦などに向かい、経済が混乱する。
④一つの案として、次のようなことを考えてみた。政府紙幣を800兆円分発行し、長期国債も含めて、有利子負債を強制的に償還・返済し、財政を軌道に乗せる。つまり、財政破綻回避を一気に実現する。通貨供給量M3の直近の数字は、およそ1,065兆円。800兆円分の政府紙幣を発行すれば、当然、インフレが起こり、円の信用が揺らぐ。政府は、財政破綻を回避したことを強くアナウンスしながら、インフレ対策・円安対策に集中し、経済の難局を乗り切る。
ざっと考察してみましたが、いやぁ、どれも本当に難しい。心してかからないと、日本経済の流れは変えられない。日本を俯瞰し、新しい日本を設計し、その設計に責任を持つ政治家の登場を、期待しています。もちろん、私も一国民としてできることは、実行していきます。