消費税増税と、資産没収と、"個人"独占禁止法 | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

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 財政赤字を減らす方法について議論すると、きまって、消費税増税の話が聞こえてくる。消費税率をいつから何パーセントにするべきか、もっぱら、そういうことが、議論されている。なぜ、そうなるのか。

 消費税という名称になっているが、実際に「税を納める」という行為をするのは、事業者である[注1]。税の負担者と納税者が異なる。消費税は、とても集めやすい税金である。

 100円ショップで雑貨を一つ購入し、105円支払ったとする。105円のうちの5円が、消費税分であるが、100円ショップの店主は、5円を税務署に納めるわけではない。仮に、その雑貨が、63円(本体60円+消費税3円)で仕入れたものであれば、100円ショップの店主の納税額は、2円である。5-3=2(円)。

 もし、日本において、全ての最終消費者(個人のみとは限らず、法人の場合もある)が1年間に事業者に支払った税込代金の合計が210兆円だとしたら、消費税の税収額は10兆円。この10兆円は、最終消費者に接する小売業者、サービス提供会社のみが、納税するのではない。原則、すべての事業者が、納税をする。納税額は、
  (売った時に預かった消費税額) - (買った時に支払った消費税額)

 そして、株式会社は、会計帳簿を作成し保存しなければならない[注2]。つまり、消費税は、"取りっぱぐれ"が少ない税金であり、全ての最終消費者が負担し全ての事業者が納めるので、国民が表立って文句を言いにくい税金なのである。

 本当は、「消費税増税は、一回限りの財産税の課税(日本においても、過去に実施されたことがある)や、個人を対象にした独占禁止法の施行などと、セットで行うべきである」というところまで書き進めたいけれど、文章が長くなってしまったので、続きは明日以降にします。いつも、カッチカチに硬い文章を読んでいただき、ありがとうございます。


[注1]消費税法第5条第1項
事業者は、国内において行つた課税資産の譲渡等につき、この法律により、消費税を納める義務がある。

[注2]会社法第432条第1項
株式会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。