月組公演 Grande TAKARAZUKA 110! | 続アメマのおとしもの

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2024年3月30日~5月12日 宝塚大劇場・月組公演

 

お芝居が私個人的にイマイチだったので、後半のレビューに期待します。

 

4月5日13時公演、1階13列目で観劇。

※ネタバレ注意。

開演前には110周年のCG別緞帳に、各組のマークが回ります。中村B氏の作品は昨年宙組の「Sky Fantasy!」がありましたが、世間を揺るがす諸事情により2日で終わってしまったので、私的には2022年の雪組「Sensational!」以来になりますね。

 

 

 

●レビュー・アニバーサリー「Grande TAKARAZUKA 110!」 作・演出/中村一徳

 

宝塚歌劇が110年に亘り培ってきた歴史と伝統を受け継ぐと共に、新しい時代、歴史への始まりを祝うレビュー作品。伝統的レビューへのオマージュから「月」をイメージした壮大な未来へのメッセージ、そして宝塚歌劇の永遠のテーマである「愛」と「夢」の楽曲で構成する場面等、永遠なる宝塚レビューへの想いを綴るレビュー・アニバーサリー。

 

◆序章

「すみれの花咲く頃」のインストゥルメンタルで、別緞帳にCGで未来的な映像が映し出され、その中に過去の公演ポスターが織り込まれてる凝った演出なんですが、このCG映像で酔いそうになるんですよね(笑)。

 

◆プロローグ(Grande TAKARAZUKA 110!)

緞帳が上がると、超々若手たちに囲まれた月城かなとが登場し、ゆっくりと歌い始めます。そして大勢が出てきて、全員での主題歌による華やかなプロローグ。ロック調の曲でなく、わりとゆったりな感じながらもスピーディーに展開し、次々と銀橋で歌い継ぐスターに目が奪われます。礼華はる彩海せらが並んだとの身長差がスゴイなと。まるでオール阪神・巨人やがな(失礼)。

海乃美月のパートだけスローになり、娘役と言うより女役という雰囲気でした。あまりショースターでない彼女が、最後に王道レビューで華やかさを出してるのが何より良かったです。

一旦締めたあとに銀橋で組長の梨花ますみと、若手娘役4人が歌います。スゴイ年齢差(笑)。

 

◆愛を結ぶ月(マスカレード)

仮面を手にした風間柚乃が登場し、彩みちると共に仮面舞踏会へと誘います。イタリアの場面で、要するに宝塚の伝統のお国巡りレビューな訳です。カーニバルとなり、紳士の月城と淑女の海乃の出会いなんですが、トップコンビの場面にしては割と軽めな感じで、結構あっという間に終わってしまい、ちょっと物足りない。もっとトップコンビに踊って欲しかったですね。

 

◆アヴァンギャルド!

彩海ら男役6人がブルースを歌い、上手から鳳月杏がセリ上がると金色の手袋とブーツ。上着の裾にはタコ足的なヒラヒラが付き、髪型もこれまでの鳳月にはなかった感じですごく新鮮。ブルースとはいうモノのアップテンポな曲でガンガンに歌い踊り、いかにも中村B氏の得意とする場面。夢奈瑠音英かおとの歌がカッコイイ。そして娘役陣はカラフルなスパッツで、セクシーに踊ります。天紫珠李はホントに綺麗になりましたよね。化粧が凄く良くなりました。

 

◆ルナ・ルージュ

礼華が銀橋で男役を引き連れて、中詰の冒頭でスパニッシュの世界の雰囲気を作ります。歌はアレやけど、小顔でスタイルの良さが目を惹きます。瑠皇りあもカッコいいし、大楠てらも芝居同様に存在感アリ。中詰の構成が凄くワクワクするようになっていて、中でも海乃を中心に娘役だけで銀橋に居並ぶのは圧巻。そしてプロローグ同様に銀橋での歌い継ぎは、ホントに楽しくてね。月城が客席降りすると、一斉にドドッと組子たちも客席へ。ちょっと手拍子しにくいところもありましたが、近くまで生徒さんが来て楽しかったですね。たぶん近くにきよら羽龍がいたと思います。

 

◆タカラヅカ110!

興奮冷めやらぬ前場面から風間だけが銀橋に居残って、名曲「A Pretty Girl Is Like A Melody」を歌い、初舞台生ロケットに繋げます。110期生たちのフォーメーションが面白く、溌溂としたロケットに自然と涙が出ました。どうか素敵な舞台人生を送れるように願いたいです。

 

◆SETSUGETSU 雪月

一転して雪の場面となり、直衣姿の月城がオリジナル曲「SETSUGETSU 雪月」を歌い、雪から月の場面へ。月城自身が雪から月へ組替えしたことを重ね合わせ、サヨナラムードになっていきます。そして麗泉里が「荒城の月」を美声で聴かせてくれ、さらに場面を盛り上げます。

いつもの中村B氏だと、総踊りに持って行くんですが、ここで和テイストな場面を持ってくるのはなんだかOSKっぽいですが、新鮮な感じがしますね。最後に烏帽子を被って、裾の長い衣装で月へと向かう階段を上って振り向いた月城の美しいこと!いやぁ~鳥肌が立ちま、涙が出ました。

場面の締めとフィナーレへ繋げるために、海乃が残って銀橋で「思い出の月の光」を歌います。歌詞の中の「生まれ変わっても あなたに出会える気がして だから少しだけ さよなら」にまた泣けました。

 

◆フィナーレ

礼華・彩海の阪神・巨人がフィナーレで「月」にちなんだ曲の冒頭で、「ムーンリバー」を歌います。そして今度は彩・天紫ら娘役で「ムーンライトセレナーデ」。ちるちるの可愛さは半端ないな。

大階段の黒燕尾の群舞は「Luna Rossa」で月城を中心にビシッとキメてくれ、鳳月が中心となって紳士・淑女の場面では退団者が銀橋を渡る餞別場面もあって、一層盛り上がります。

大勢の組子が舞台にいる中で、海乃がセリ上がり月城を迎え、月組生全員でのフィナーレ。そこからのデュエダンですから、中詰以降ここまでの構成が素晴らしい。デュエダンの咲彩いちごの「愛の喜び」のカゲソロは、ストレートな歌声で良かったです。デュエダンもトップコンビの少し遊び心も入ったところが、このコンビのお互いの信頼度の高さが感じられました。

 

◆Grande TAKARAZUKA 110!(パレード)

チノチノイチノこと一乃凜が初エトワール。今回の月組公演はお芝居・レビュー共に若手娘役の抜擢が多く、次世代への期待が膨らみます。

パレードでの月城、海乃の笑顔を見ていると、途中休演なく最後まで完走できることを願いたいですね。

 

 

プロローグからパレードまでがあっという間の55分で、ダレる場面がなかったし、中村B氏のずっとガンガン押しでなく緩急ついてるので、どの場面も粒だっていたと思います。

昨今の若手演出家の拘りのあるショー・レビュー作品もいいですが、こういうベタな王道作品を見ると「あぁ宝塚を観たなぁ」と気分よく帰れますね。