海で発見!!たまごっち
1998年3月発売 希望小売価格1,980円(税抜)
カラー : 透明(波)、水色(ツートン)、
透明(こはく)、透明(パープル)(全4種)
〈 発売情報など 〉
1997年3月19日~23日に行われた'97東京おもちゃショーにて「てんしっちのたまごっち」「森で発見!!たまごっち」と並んで公開された。当初は1997年6月発売予定だったらしいが、実際には後から発表されたと見られるオスっちメスっちよりも遅れての発売となったようだ。
1998年8月には「Tamagotchi Ocean」として海外でも発売された。海外版も4カラー展開となっているが、日本発売モデルとは全く異なるシェルデザインとなっている。いずれも画面上部に濃いピンク色で「TAMAGOTCHI Ocean」のロゴが入り、白やブルー系のシェルにプリントが施されている。キャラクターのイラストがプリントされているものもありとても魅力的だが、海外では「Tamagotchi Ocean」を最後に初代シリーズは発売されなかったため出回りも少なかったのか、今ではネットオークションなどでもほとんど入手困難である。ちなみに海外では「森で発見!!たまごっち」の発売は中止されたらしい。
海外版の言語は英語で、基本的に内容は日本版と同じ。Meal(ごはん)は日本版のおでんではなく何か三角のピザかチーズのような見た目のものになっているが、Snack(おかし)は日本版と同じくソフトクリームである。その他タマゴや死亡画面のビジュアルが異なるものと思われる。また海外版の当初のプロモーション画像を見ると、隠れキャラクターが4種類あるかのような分岐図の記載があるが(日本版の隠れキャラクターは1種類のみ)、実際には日本版と全く同じキャラクターラインナップとなった。
豆知識なのだが、実は森や海をテーマとしたむしっちやさかなっちの登場は1997年10月17日発売の「ゲームで発見!!たまごっち2」の方が先である。(なお発表や構想・開発着手については本家が先かもしれない。1997年3月の段階で発表されているので。)「ゲームで発見!!たまごっち」シリーズはメディアミックスゲームとして発売されており、一作目のヒットを受けて4か月後に2が発売されたらしい。
基本的には同じ世界線だが、登場するキャラクターは共通するものもあればしないものもある他、成長段階におけるポジションや設定などが一部異なる。
〈 関連商品など 〉
【攻略本】
『森で発見!!海で発見!!たまごっち大百科』(勁文社) 560円(税抜)
『森で発見!!海で発見!!たまごっち育児ブック』(徳間書店) 457(税抜)
※ いずれもバンダイ監修
【ケース】
「森と海で発見!!たまごっちケース」 350円(税抜)
(キャラクターシール付き)
〈 ゲーム内容 〉
先に発売された「たまごっち」や「新種発見!!たまごっち」同様のキャラクター育成ゲームで、水辺の生き物(さかなっち)の育成をテーマにしたたまごっち。
さかなっちをお世話し、最終形態まで育てよう。病気や時々襲撃してくる外敵の白くまによるケガを繰り返して死んでしまうとゲームオーバーとなる。
今作にも音センサーが搭載されており、本体右斜め下辺りを指などでたたくと反応する仕様になっている。ゲーム内で襲撃してくる白くまを追い払ったり、さかなっちのわがままをしつけたりするのに使う。
〈 ストーリー 〉
たまごっち星に存在するたまごっち海にはたくさんのさかなっちが生息している。たまごっち海の深さは372万キロメートルにも及び、しかも海水は塩水ではなくジュースやアルコールだったりするという。有名な海産物はタクワン。そんなたまごっち海で暮らしているさかなっちもまた個性的で、好物は「おでん」だという。それぞれが秘伝のダシや具を使った独自のおでんを編み出しており、時には集まっておでんパーティーを開くらしい。
のんきで平和な暮らしをしているように見えるさかなっちたちだが、たまごっち海にはさかなっち以外の生き物も生息しており、時に彼らを襲い来る。それが白くまで、さかなっちの天敵なのだ。
さかなっちはたまごっちたちと一緒にUFOに乗って地球へやって来た。UFOの中にあった釣り堀にいたところをばんぞー博士に発見されたという。
博士によって開発されたさかなっちHOUSEの中にはたまごっち海と同じ成分の海水が入れられており、時々泡が発生するようになっている。より自然に近い形で潜水艦から水中をのぞいたように作られているらしいが、時折襲い来る外敵や水質汚染、夜になると太陽光が入らなくなるところまで再現されているようだ。さかなっちが快適に安全に育つようにお世話をしよう。
さかなっちHOUSEで過ごすさかなっちにもいずれは寿命が来る他、繰り返し病気やケガをすると死んでしまう。さかなっちは最後には死を迎え、こんぶーおばけになる。
〈 プレイしてみた感想 〉
水辺の生き物を育てることをテーマにしたユニークなたまごっちだが、何よりもシリーズを通して最も難易度が高いモデルとして有名であることはよく知られている。言うまでもなく実際にプレイしてみるとそのことを思い知ることになる。
難易度が高い理由をまとめると以下の通り。
・おなか/ごきげんメーターの減少間隔やわがままサイン発生間隔が短いことに加え外敵の襲撃もあるため、頻繁に呼び出しがかかる。つまりお世話頻度が非常に高い。
・病気やケガを一定回数繰り返すと問答無用で死亡するが、病気やケガのリスクが非常に高い。
・おかしにより病気のリスクが上がるためゲームによりごきげんメーターをアップさせる方が好ましいが、ゲームは運ゲーである上、一定確率で現れるトラップによりごきげんメーターがゼロになるというペナルティがあるのでかなり煩わしい。
・ケガのリスクとなる外敵の襲来タイミングは50分毎にやって来るため1時間も放置できない。
一言で言うならゲームオーバーになりやすい。
キャラクター攻略はさほど難易度が高くはないが、リスクを抑えてまめにお世話をしていても育成途中で死亡することがあるため、運要素が強いと言える。
操作性はかなり良い。ボタンを押した時の反応が早くサクサク操作できる。時計画面が横からのスライドではなく即座に切り替わるのも快適。
ただし頻繁に呼び出しが鳴ることもあってか比較的電池の消耗は早いように思う。電子音が小さくなり出したら電池切れが近いかもしれない。他の初代シリーズ同様データのセーブ・ロード機能は無いため、何代か育成したら交換した方がよさそうだ。
キャラクターはとてもユニークで個性的。さかなっちと言いつつ魚類は少なめ。海で発見と言いつつ金魚やカエルやたい焼きまでいる。たい焼きについては某アニメへのオマージュだろうか。それぞれの設定も面白いのでぜひご一読頂きたい。隠れキャラクターが1種類のみなのはちょっと残念だが、難易度が高いだけあって出会えた時の達成感はひとしおだ。
個人的にはシリーズの中でも世界観が一番好きかもしれない。子供の頃に手にした数少ないモデルであるため思い入れもあるのだろう。食事がおでんとソフトクリームなのが海の家を連想させ、夏休みを思わせる感じがしてとても気に入っていたのをおぼえている。
元祖たまごっちや新種発見たまごっち、てんしっちなどと比べるとややレアだが、出回りは少なくはない。2025年8月現在もネットオークションやフリマサイトで見つけることができる。たまごっちブームの再来もあってやや価格が上がってはいるが、概ね1万円以内で入手できる可能性が高い。時々安価で出品されていることもあるので、こまめにチェックするとよい。






















