絵図兵器辞典 その9 板斧 | 水滸伝ざんまい

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中国四大名著の水滸伝について語るブログです。
原典メインのため、北方および幻想はありません。
悪しからずご了承ください。

 

血の気の多い水滸伝好漢のなかでも、

ダントツの暴れ者といえば、

黒旋風 李逵

この男がつかう得物といったら、

あれしかありません。

 

(板 斧)

ものを叩き割るためにつかう、短柄武器の一種である。

斧の刀身は幅がひろく、また平たく薄い。

まるで板切れのような形状をしているので、

この名がついた。

 

斧の刃は大きく広がっており、

わずかに弧をえがいた扇型をしている。

斧の背は厚く頑丈で、

その幅は、刃の部分よりほんの少しせまく、

長方形をしている。

 

斧には背骨のような穴があり、

木の柄を取り付けることができる。

柄の長さは、およそ60センチである。

どの斧も、重さは数キログラムである。

 

板斧は本体が重いため、刃は切れ味鋭く、

勢いよく叩き割っていくことができる。

重量武器の特徴をそなえているので、

近距離から叩き斬るために振り下ろされる斧を

防ぎ止めるのはかなり難しい。

 

この武器は手早く使用できるため、

兵器として人気がない時代にも、

歩兵同士の接近戦の際にかき集められる

大事な武器のひとつだった。

 

斧は、古代においては権力の象徴であり、

また素早く斬り殺すことができるため、

古い時代には、板斧を処刑道具として用いることが

しばしばあった。

 

また板斧は、2本同時につかうこともできる兵器である。

両手に1本づつ板斧を持ち、全身を使ってバランスをとりながら、

左右の斧を交互に振って叩き割っていくため、

これを「双板斧」と称した。

 

「水滸伝」の黒旋風李逵は、

いつも双板斧をつかっていた。

梁山の好漢たちが刑場破りを行なったとき、

かれは双板斧を車輪のように振り回し、

敵兵の中に入るや、右を叩き割り、また左を斬りはらい、

相手を泥のように粉みじんにして殺してしまった。

 

 

「泥のように粉みじん」・・

あいかわらず書いてある内容がエグいです。

また鉄牛だから、しようがないか(苦笑)。