密売人たちは勇敢で智謀にたけていたので、あえて船をつかわず車で塩を運び、いつも巧みに入りこんでは、掲陽鎮で塩を売りさばいた。
また組織の者たちは、江州のあちらこちらの地域まで足をのばし、ほんの少しの利益しか取らずに塩を安く売ったので、人々は大いにかれらを歓迎した。
役所は何度となく捕り手を派遣して、密売人たちを追いかけさせたが、かれらは民衆にかくまわれ、うまく逃げ切った。
それからというもの、役所の塩が山のように積まれても、買う者は誰ひとりいなくなった。
しかし江州の城下ではそうはいかず、塩の値段は人々が驚くほど高騰していた。
そのことを知った穆弘は、熟知した陸路を通り、まる三日かけて江州まで荷物を運び、その後は李俊の船に積み替えて、江州城の南東岸に上陸させた。
そして塩とわからないように偽装して城内に運びこむと、街中をあちこち売り歩いた。
もちろん、「塩はいらんかね!」と声を上げて客を呼ぶことは不可能だが、その代わりに雄鶏の鳴きまねを合図とした。
人々は雄鶏の鳴きまねを聞くと、闇の塩を売りに来ていることがわかったので、楽に塩を買うことができた。
掲陽鎮ならまだしも、江州城の内部にまで潜入販売に行っちゃうって、さすが没遮攔だけあります。さりげに李俊の兄貴も協力しています。
でも、そんな没遮攔の兄貴が「コケコッコー!」とか言いながら歩いてるのを想像すると、なんか楽しい(笑)。
この続きは、また次回で。
