「民間大水滸」解宝、蛇を斬る その13 | 水滸伝ざんまい

水滸伝ざんまい

中国四大名著の水滸伝について語るブログです。
原典メインのため、北方および幻想はありません。
悪しからずご了承ください。

 

しばらくすると、かれの体はそのまま浮き上がり、

当たり前のように地面から上に昇っていき、

また頭がぼんやりとして雲に乗ったような気分になってきた。

金竜はひどく恐ろしくなり、大きな悲鳴を上げると、

ふたたび体は岩の上に落ちてきた。

 

仲間の子供たちはかれの悲鳴を聞きつけて、

われ先に洞窟の中へ駆けこんできては、

「どうしたの?」とか、「なんで叫んだのさ」と口々にたずねたので、

金竜は、今しがた寝ていたときに起きた空中浮遊の出来事を、

最初から最後までくわしく話した。

 

すると、子供のひとりが、

「金竜兄ちゃん、下に落っこちないようにすれば、

きっと神仙になれるんだ!

さもなきゃ普段から何度も練習していれば、

きっと出来るようになるんだよ」と言い出したが、

金竜はただ首を横にふって断るだけだった。

 

この事件の話は、だんだんと尾ひれがついて広まっていき、

幼い子供たちの幾人かは、

自分たちも空中浮遊の不思議な体験をしたいと、

夢想するようになった。

 

 

怪しい現象の正体よりも、

素直に空を飛ぶことにあこがれる幼い子供たち。

このままでは一体どうなることやら。

この続きは、また次回で。