ゲーム紹介:ANIMAL WELL | 真っ直ぐ行かずジグザグと

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コメントにはできるだけ返していきます。

おはようございます。
ZigZagです。

本日ご紹介するゲームはこちら。



ANIMAL WELL


メトロイドヴァニア系ともいわれる、サイドビュー2Dアクションゲームです。
昔懐かしの8bitのようなグラフィックで構成された謎だらけの世界を、道具や己の知恵を使って冒険していくゲームです。
それでは始まり始まり。

※物語のネタバレはなし&個人的な感想です。


概要


2024年5月9日に発売された2Dアクションゲーム。
開発はShared Memory、発売元はBigmode。
プラットフォームはPS5、Switch、Steam。
価格は約3000円だが、PSplusのエクストラ以上に加入している人は無料でダウンロード可能。

ストーリー


広大な空間を有する“井戸”の中、花から誕生した小さな「あなた」

道中で手に入る様々な道具や、親切な動物たちの協力を駆使しして、不思議なこの井戸の謎を解き明かしましょう。


特徴



  システム


“井戸”と呼ばれる広大な場所を舞台に、そこの謎を解き明かしていくというのが大体の目的。

基本的にチュートリアルやストーリーの説明、クリアに必要なタスク表示といったものが一切なく、テキストメッセージは全編通じて非常に少ないのが特徴。そのためプレイヤーは「実際に動かす」「よく観察する」等しながら各エリアの攻略を目指していく。

一応、エリアには各種謎解きの手がかりとなるものが配置されている他、インタラクト可能な場所に近づけば頭上にアイコンが出るので、何もヒントがないわけではない。



 ◾井戸

舞台となるステージ。いくつかのエリアに分かれており各種様々な特色があるものの、名称等は特に無く、エリア間もシームレスで移動可能。

  • どのエリアにも多彩なギミックが配置されており、プレイヤーはアクションや道具を駆使して謎を解いていく。先述の通り詳しい説明はないが、どのギミックも直感的に分かるようになっている。公式から述べられているが観察力も重要。
  • 道中には宝箱が配置されており、中にはプレイヤーの扱う道具類や「孔雀の卵」がある。卵自体には何の能力もないが、集めていくと所定の場所にて数に応じたボーナスアイテムが貰えるようになり、ファストトラベルのような場所も使えるようになる。卵はパッと見で分かるところから、道具を使わないと行けなかったり、巧妙に隠されていたりと様々。
  • 一度訪れた場所はマップに記載されていくので、広大ながら迷うことは殆どないよう設計されている。


 ◾プレイヤー

1頭身の小さなオレンジ色のキャラクター。

横移動とジャンプ、はしごを登る程度しか最初は出来ないが、井戸にある宝箱から入手出来る道具を使うことで、様々なアクションが実行可能になっていく。
  • 初期状態でライフは4。障害物や敵対生物との接触で減少していき、ゼロになると最後のセーブポイントから復活する。ただし倒されるまでに行ったアクションや回収したアイテム等は記録されており、改めてやり直す必要はない。
  • 一部生物との接触やギミック等に挟まれた場合は、残り体力に関わらず即死となる。
  • 例外として「水没」だけはダメージを受けずに直前にいた場所からのリスタートとなっている。高度からの落下によるダメージもない。
  • 減ったライフは道中にある「果物」で回復が可能。ピンクと青い色の2種類あるが、青色の果物はライフが最大の状態で取得すると追加ライフを得ることが出来る。最大は+4。
  • マップを入手すると一度訪れた場所が自動で記載されるようになり、追加で道具を入手すればマーキングも出来るようになる。

 ◾道具
井戸内に点在する宝箱やステージ上で入手可能な、プレイヤーの移動や謎解きの手助けとなるアイテム。入手に順序はないものの、一部は手に入れる際に他の道具を用いる必要がある。
  • 特徴として“どのアイテムも使い道は1つではない”ところが挙げられる。例として道具の1つである「フリスビー」は、投げることで一部障害物の破壊が可能な以外にも、「一部生物の気を惹く」「反射させたフリスビーに乗ることで、移動手段に用いる」といった使い方が可能。
  • ギミックやステージの攻略が困難、あるいは不可能と感じたら、まだ入手出来ていない道具が必要か、入手済みの道具に別の使い方があると考えると良い。

 ◾生物
井戸に生息している各種生き物。プレイヤーに攻撃手段がないので基本的に倒すことは出来ないが、一部の生物は道具を用いることで一時的な目眩ましや撃退が可能。
  • 中には移動の手助けをしてくれる親切な生物もいる。しかしどの生物も軒並みプレイヤーより巨体であるが故、地面や壁と挟まれる形で接触すると即死してしまうので注意。
  • その殆どが“そこにいる”だけの生物なのだが、ときおりプレイヤーに明確な敵意を持って攻撃してくるものも当然いる。中には即死攻撃を行う生物もいるので、各生物への対処法を覚えていくことも重要。
  • 一画面1マップ形式であり、基本的にはマップ間を跨いで生物が移動してくることはない(一部例外あり)


感想



  良かった点


 ◾歯応えのある謎解き
謎の解明に重きを置いた作品なのは伊達ではなく、用意されたギミックや謎は手が込んでおり、謎解き好きを唸らせる。
  • ギミックはよくある時限性のものから、特定の道具を適切に扱うことで起動する、生物の行動を利用する、ちょっとしたアクションを要求する等様々な趣向で構成されているため、プレイングのマンネリ化を防いでいる。
  • 登場する生物や道具にもそれぞれ何かしらの隠された特徴や特性があり、それらを見つけていくことの楽しみもある。
  • 歯応えこそあるものの、本編をクリアする“だけ”ならばそこまで難解な謎はないので、ライトユーザーにも優しい作り。コレクション要素をコンプリートしようとすると難易度は跳ね上がるが。

 ◾操作性の良さ
プレイヤーの操作するキャラクターの挙動は非常に素直。入力した方向にキビキビと動き、変な慣性もないため操作しやすい。
  • そこまで高難度のアクションを求められる場面は少ないが、ギミックの関係上駆け回ることは多々あるので、キビキビとプレイヤーの思い通りに動いてくれるのは嬉しいところ。
  • 場所によってはアスレチックの途中でマップの切り替えが起こるものの、この操作性のおかげでタイミングと感覚さえ掴めてしまえば簡単に攻略出来る。

 ◾レトロ感満載のグラフィック
全編ドット絵に加え、敢えてやや不鮮明なエフェクトを掛けていることで、昔馴染みのある味わい深い印象を受ける。
  • プレイヤーキャラクターがシンプルな球体みたいな姿なのも、ゲーム全体のグラフィックにマッチしていると言える。
  • なお、エフェクトはオプションにてオンオフの切り替えが可能。

 ◾ユーザーフレンドリーな仕様
本作は死にゲーというわけではないものの、ふとした事で即死したり、生物やギミック、障害物にゴリゴリ削られて倒されることもある。
しかしリスタートは非常にスピーディーかつ、倒されるまでの状況はセーブしていなくても保存して貰えるので、やり直す手間をある程度省いてくれている。
  • 他ゲームではよくある「アスレチック攻略時の転落による即死」がないのも地味に嬉しい。
  • マップにスタンプを押したり、動線を自由に引くことが出来る機能も、広大なステージを探索する本作には非常に助かる仕様。


  賛否点


 ◾徹底的に排された説明
ゲーム開始時から終わりまで殆どテキストメッセージが現れないため、純粋にストーリーを追いたい人はもちろんのこと、手探り系のゲームに慣れていない人には不向きな内容。
  • その徹底ぶりはインベントリ内にも及び、なんと道具類の説明すら表示されない。自分で試して覚えていくことが前提なため、人によってはをやり辛さを感じるかもしれない。
  • 謎解き自体にも当然テキストによるヒントは一切ないので、苦手な人はとことん苦手だろう。
  • 特にコンプリートクリアを目指す際の謎は、手掛かりを探す観察力、エリアを所狭しと探索する忍耐力、見つけた情報から解を導き出す頭の柔らかさが不可欠。
  • とはいえ、ただクリアするだけならばそこまで難解な謎はなく、ギミックや道具の特性さえ把握出来てしまえば容易に乗り越えられる。

  残念な点


 ◾移動の手間
井戸はそこそこ広大な上に、ギミックによって道が封鎖されていることもあるため、謎を解く情報を集めるために走り回るには少々手間が掛かる。
  • とある場所には各エリアへのショートカットがあるものの、エリアにつき1つずつしかなく、広さを考えれば移動の手間をカバー出来ているとは到底言えない。
  • とある方法でファストトラベルも可能になるが、そちらも移動先は少ない上に、そちらは謎を解かないと利用不可なので、人によってはいつまで経っても気付かないことも。
  • とある道具を用いて起動するワープは、ショートカットと異なり異様に時間が掛かる。自動で運んでくれるとはいえ、移動中は何もすることがないので別種の面倒臭さを感じる。

 ◾操作的に高難易度の謎解き
とある謎解きは作中屈指の難易度を誇り、解き方が分かっていてもクリアするには相当な技術を求められる。
  • 詳しい場所は伏せるが、謎解きクリアの過程で「6エリア分もの長い距離を一度も地面に付かずに移動していく」ことをしなくてはならないものがある。最適解ルートには嫌らしい場所に障害物が設置してある上に、敵対生物も徘徊しているため、高い操作技術は元より集中力も必須。
  • アスレチックの難易度が高い場所は他にもあるが、移動距離や要求される操作を鑑みればこれよりは大分楽だろう。
  • ただ、この謎解きは通常クリアには関係していないので、隠し要素等に興味のない人が苦しむことはないのはまだ救いか。

 ◾謎解きの偏り
謎解きに用いる道具が一部に集中しており、他の道具を扱う機会が少ないのは残念。
  • ネタバレになるので詳しくは書けないが、コンプリート目的の謎ではある道具を頻繁に使う反面、一部道具は効果が限定的であり、使う機会に恵まれていない。

 ◾マップの仕様
マップの拡大率が低く、細かい部分がやや見え辛い。
もう1段階大きいサイズで見たいところ。



まとめ 



雰囲気が昔プレイした弩級鬼畜ゲーム『レインワールド』に似ていたのでプレイしてみました。

結果として鬼畜ゲームではなかったものの、謎解きがかなり歯応えボリボリでした。
通常クリア(?)ならばそこまでの難易度ではないので、試行錯誤を繰り返せば誰でもクリア出来るレベルですが、卵やシークレット要素のコンプリートを目指すのは鬼門。
こちらは凄まじい難易度で、ノーヒントクリアは至難の業。

しかも情報収集に駆けずり回る内容に反し、ファストトラベルの数が圧倒的に足りません。贅沢言うならば、各エリアにあと2〜3つは欲しかったです。

とはいえ、謎解き好きには堪らない内容なのは確かです。
ほぼ全てが手探りという状況下で、数少ない情報をかき集めた上で自分なりの解答を導き出し、それが合っていた時の快感ときたら、絶頂レベルで気持ちが良いです。
各道具の思わぬ使い方が分かった時も、気持ちの良い驚きを味わえるでしょう。おそらく脳に良い成分がドバドバ出ているはず。


◾こんな人におすすめ

・高難度の謎解きが大好きな人

・少ない情報から解を導くのが好きな人

・昔懐かしのドットゲームを遊びたい人


◾こんな人には合わないかも……

・純粋に物語を追いたい人

・面倒なのが嫌いな人

・頭脳よりも行動派な人


ほぼ全てが手探りのレトロフューチャーゲーム。

興味のある方はプレイしてみてはどうでしょう。


もし謎解きに行き詰まってしまったら、海外のサイトですがヒントや回答がいくつか掲載されていることがありますので、時には利用するのも手です。

それでは本日はこのへんで。
おしまい。