おはようございます。
ZigZagです。
本日ご紹介するゲームはこちら。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240503/04/amedio5392/52/e7/j/o1080060715433573640.jpg?caw=800)
昼は海に潜って魚を獲るアクションアドベンチャー、夕方は寿司屋の営業を行う経営シミュレーションと、2つのゲーム性を併せ持った作品です。
それでははじまりはじまり。
※ストーリーのネタバレはなし&個人的感想です。
概要
2023年6月28日に発売された2Dアクションアドベンチャー&経営シミュレーションゲーム。
開発は株式会社NEXSONのサブブランドMINT ROCKET。
対応ハードはSteam、Switch、PS4、PS5等。
ストーリー
ビーチで休暇を楽しんでいたダイバーのデイブは、知人のコブラに「美味い寿司を食べよう」と誘われ、急遽彼の下へと向かった。
しかし到着した所は寿司屋があるとは思えない辺鄙な場所。あるとすれば、“日によって形や生態系が変わる”巨大なブルーホール。
困惑するデイブにコブラは寿司職人のバンチョを紹介し、このブルーホールでデイブが獲った魚を、バンチョが寿司にするという寿司屋をやらないかと持ち掛けた。
色々と言いたいことがあったデイブだったが、2人に押される形で了承する羽目に。
斯くしてデイブのダイバー&寿司屋営業という、摩訶不思議な生活が始まるのだった──
特徴
システム
プレイヤーはダイバーのデイブを操作し、海へ潜って寿司ネタである魚やアイテムを集めたり、寿司屋を切り盛りしていく。
基本的に「ダイブ×2回」と「寿司屋の営業」の3つが1セットとなっており、営業が終わると1日が終了、次の日になる。
なお、ダイブや寿司屋の営業を行うか、「時間をスキップ」を選択しない限り、リアルタイムで勝手に時間が進むことはない。
◾ミッション
ストーリーの進行に必須なメインミッションと、クリアすることで様々な機能の解禁や道具が取得出来るサブミッション、特別な客が訪れるVIPミッションがある。
- メインとサブにはクリアまでの時間制限はないので何時行っても問題ないが、VIPは寿司屋を訪れる期日が決められているため、それまでに決められたネタを集めなくてはならない。
- ミッションの中には天気や時間帯に左右されるものもあり、適した条件下でないと進行が出来ないようになっている。そのため時間制限はないものの、該当ミッションを受ける際は再度条件が揃うのを待つ必要がある。
- ミッションをクリアすると報酬として各種アップグレードに必要なお金や、ストーリーを進めるための新しい装備品、レシピ等が解禁されていく。
- 上記とは別に寿司屋にてイベントが開かれることがあり、そちらもVIPと同じく対応した食材を揃えておくと、売上が伸びやすくなる。
- 一部ミッションの中には時限式や戦闘系のものもあり、条件をクリアしないとゲームオーバー。リトライするか、今所持している物を放棄して船に戻るかを選択出来る。リトライしか選択出来ないものもある。
- ときおりVIPとイベントが重なることがあるものの、VIPは営業とは関係のない別枠扱いなのでどちらかが潰されることはない。
- サブミッションにて“特別な客”が来ることもある。VIPと同様に必要な食材とメニューが必要だが、あちらとは異なり時間制限はなく、いつクリアしても問題ないようになっている。
◾アプリ
デイブの所有するスマートフォンから選択出来る項目。
ミッションの確認が出来る『予定』や、デイブの装備品をアップグレードする『iDiver』、寿司屋の評判等を閲覧できる『クックスタ』等がある。最初はロックされているアプリが多いが、ストーリーを進める毎に扱えるアプリが増えていく。
- クックスタはSNSであり、寿司屋の営業やイベントをクリアしていくと書き込みが増えていく。また、条件を満たすとランクが上がり、調理可能な料理メニューや1日に提供出来るネタ数が増加する。
- 他にも様々な機能が追加されていくが、アプリの使用はダイブ前しか使用出来ない点は注意。
ダイブパート
巨大ブルーホールへダイブし探検するパート。
1日の内、朝と昼の2回行える。ストーリーを進めることで夜間のダイブも可能になる。
海中には食材となる魚や海藻等があり、それらを取得していくことで寿司屋で提供出来るネタのラインナップが増加する。
なお、どれだけ短時間でも船に上がるとダイブは終了となってしまうので注意。逆にどれだけ長時間潜っていても勝手に時間が進行することはない。
- ブルーホールはいわゆる“ローグライク”形式であり、潜る度に探索出来るフィールドが変化していく。当然拾えるアイテムの場所や内容も変化する。
- ブルーホール内には食材以外にも様々な用途に使う素材が落ちている他、箱がところどころに置かれている。銃のマークが付いた箱からは『武器アイテム』、黄色い箱からは『補助アイテム』、鍋のようなものからは『調味料』が獲得可能。
- 他にもその場で酸素を1度だけ回復出来る『O2タンク』、呼び出すことですぐに船へ帰還可能な『脱出ポッド』といった便利な設備も配置されている。
- ただし箱から入手した武器と補助アイテムはその探索中にしか扱えず、船に上がると消失してしまう。
- 夜間のダイブは序盤のサブミッションが発生すると選択可能になり、“寿司屋の営業時間を1/3”消費して潜る。朝や昼とは異なる生物がいる他、朝昼には捕まえられなかった生物も獲ることが出来る。ただし寿司屋の営業が控えているため、潜水可能な深度は制限されている。営業時間も減るのでその日の収入も少なくなる点には注意。
◾デイブの装備
潜水する時に用いる必須の装備。iDiverから各種装備をアップグレード可能であり、ストーリーの進行によって新たな装備品も加わる。
アップグレード出来るのは『空気タンク』『ダイビングスーツ』『積載箱』『スピアガン』で、後々に『近接武器』も強化出来るようになる。尚、アップグレードにはコインが必要且つ、強化するたびに要求される金額が増加していく。
- ミッションによってはより深い場所にまで赴く必要があるので、各装備のアップグレードは必須。空気タンクは潜水可能時間&デイブのHP代わり、ダイビングスーツは行動可能範囲の拡張に直結するため、早めの強化が望ましい。
- 特に空気タンクはダイブ中にゼロになると溺れてしまい、強制的にダイブ終了+そのダイブで獲得した魚やアイテムの内、1つしか持ち帰れなくなる。空気は時間経過で減少する他、ダッシュ移動で減少速度の増加、攻撃的な魚等との接触で一定量が一気に減らされるので、安全面から見てもスーツ同様に強化しておきたい装備である。
- 積載箱は一度に持ち運べる食材の値を示す。ある程度なら過積載可能だが、その状態だとデイブの移動速度が低下してしまう。食材はダイブ中にいつでも放棄出来る。
- スピアガンを強化すると威力が増加し、魚を捕まえやすくなる。ただし特殊効果が付くのは『銛』の方であり、銛はブルーホール内の武器ボックスからしか取得出来ない。
- 近接武器は威力こそ微量なものの、ブルーホールに配置された鉱石を採取することが出来る。強化することで威力を上げたり、採掘可能な鉱石を増やすことが出来るが、可能になるのは後々。
◾武器
スピアガンや近接武器以外の攻撃手段。上記同様にこちらもデイブの装備だが、強化するには別のアプリを使用する。
加えて強化にはお金の他にいくつかの素材が必要になる。
- 最初は1つしか所持しておらず、ブルーホールで拾った武器も船に上がると消滅してしまうが、ミッションを進めると未所持の武器を拾うたびに『武器の設計図』が入手でき、数回同種の武器を拾えばその武器がクラフト出来るようになる。
- 武器にもよるが、大抵はスピアガンよりも威力が高く、強化次第ではデフォルトで特殊効果が付与されており非常に強力なお供となる。ただし弾数は武器毎に定められており、撃ち尽くすと弾薬ボックス等で補充しない限り使用不能になってしまう。
- 加えて、小型の魚を武器で仕留めるとレア度が最低になってしまうデメリットもあるので、適宜スピアガンとチェンジして漁を行う必要がある。
◾生物
ブルーホール内に生息する魚介類や海藻類。小型から大型、果ては超大型まで生息しており、彼らを獲ることで寿司屋に並べられるネタの数が増えていく。
- 魚には「ランク」「レア度」「重量」がある。ランクが高いほど調理したときの価格が高い傾向にあり、レア度が高いほど1匹から獲れる食材数が増える。レア度は魚を獲る際の手法で増減し、最大は3。重量は重いほど積載箱を圧迫してしまうが、その分取れる食材の量が多い。
- 魚を獲る方法は大きく分けて「銛で撃つ」「武器で撃つ」のどちらか。小型の場合は銛で獲るとレア度は2となるが、武器で倒してから獲るとレア度は1になってしまう。中型〜大型の魚は倒してからでしか肉を獲得出来ないが、その場合は倒してもレア度は2となる。レア度を最大で獲得するには特定の銛を使うor武器のアップグレード+追加で入手出来るとあるアイテムが必要。
- デイブを認識すると攻撃してくる魚もおり、接触すると酸素が減少してしまう。攻撃的な魚には頭上に赤い三角のマークが出現するが、一部の魚は攻撃的にも関わらずマークが表示されない。
- ミッションのボスとして超大型の生物も出現する。他の生物とは異なり必ず倒さなくてはならないが、ボス戦中に倒されても獲得食材を失わず、直前の状態からリスタート出来る。
◾コブラショップ
デイブの知人コブラが営む簡易的な店。ミッションを進めると利用可能になり、補助アイテムの購入や手に入れた素材を売却出来る。
マークが付いた補助アイテムはここでしか手に入らない品だが、購入したものでも船に上がると消失してしまうので注意。
- 値段自体は本人の談に違わず非常にリーズナブル。探検中に拾えるものも並ぶが箱の中身がランダムなことを考えると、確実に持っておきたいものは購入しておけば保険になる。ただし、どの品物も1日に1回しか購入出来ず、夕方には購入自体不可能になる。
◾遊技場
ストーリーが進行すると、とある場所の遊技場でミニゲームを遊ぶことが出来る。クリアするとその場所で使える通貨が入手出来る。
- 通貨を使うことでアイテムを購入出来る他、武器の強化素材も購入可能。武器によってはここの強化素材が必要になってくる。
寿司屋パート
寿司職人である“バンチョ”が料理人を務める寿司屋。開店は夕方のみであり、バンチョが調理、プレイヤーがホールの2人で店を取り仕切る。プレイヤーは「提供するネタ決め」と「料理の配膳」「ドリンクの提供」「わさびの補充」「席の掃除」を担当。
ストーリーが進行するとアルバイトを雇うことが出来るようになる。
◾寿司屋営業
最初にその日に提供するネタを選択し、準備が整い次第開店、訪れた客の対応を熟していく。
客はドリンクか料理の注文を1人1回ずつ行っていくので、ドリンクの提供は客の下で直接行い、料理はバンチョが調理完了したものを運ぶ……という流れを、営業時間終了まで行っていく。
- どの客がどの料理を注文したかはアイコンとハイライトで表示されるので覚えておく必要はない。ただし注文した順番までは教えてくれないので、同じ料理を頼んだ客の内、誰が最初に頼んだかはプレイヤー自身で記憶しておく必要がある。順番がズレてもペナルティはないが、料理の提供が遅いと客は怒って帰ってしまう。タイムリミットが迫るとアイコンにゲージが表示されるので、そういった客には優先して提供しなくてはならない。
- ドリンクの提供はミニゲーム形式であり、成功すると通常よりも多くの金を支払ってくれる一方、失敗するとそのまま帰ってしまうので注意。
- 料理をしていくと「わさびゲージ」が減少していき、これがゼロになると料理の進行がストップしてしまう。わさびの補充はどのタイミングでも可能。
- 客が帰った後、席が汚れている場合がある。そこに別の客が座ってしまうと一定時間後に怒って帰ってしまうので、すぐに清掃も行わないとならない。
- 営業時間が終了すると、その日の売上や人気だったネタ、総合評価が表示される。評価によって『職人の魂』というアイテムが複数個入手出来る。これは新メニューを追加するのに必要なものであり、評価が高いほど一度に入手できる魂も増加する。
- 従業員にはそれぞれステータスが設けられており、配膳や調理等、得意とするものが異なっているので、特性に見合った配置を行うと営業がスムーズになっていく。従業員は教育することでレベルアップし、各種ステータスがアップする他、特殊能力を得ていく。教育にもお金が必須であり、レベルに応じて金額が上がっていく。
- ホールの従業員は各仕事に対応する特殊能力がないと料理の提供しかしない。他の仕事も熟してもらうには、ドリンク提供やわさび補充が可能になる能力持ちを配置する必要がある。
- キッチンやホール以外に、従業員を『派遣』することで調味料を入手してきてくれる。調味料は手の込んだ料理に必須である反面、ダイブパートでは纏まった数の調達が難しいので、余った従業員は定期的に派遣しておくと調味料に困らなくなる。入手数はステータスや特殊能力によって左右される。
◾メニュー
ダイブパートで獲った魚を使ったオーソドックスな「寿司」の他に、複数の魚や調味料、他の食材を用いた「料理」がある。
- 寿司は単価が安いものの、消費するのは獲った魚のみであるため纏まった個数を用意しやすい。反対に料理は必要食材が多く用意に手間が掛かるが、単価は高く設定されており、中には1セットで数個分になるものもある。
- 各メニューは一定数同じ食材を消費することでレベルアップが可能。レベルが上がるにつれて単価と旨味が上昇していく。消費数はレベルによって増加していく。
- イベントが発生すると対象メニューにマークが付き、当日にそのメニューを並べることで通常よりも多く注文されやすい。どのイベントも3日間の猶予があるので、準備をしっかりと行えば通常よりも売上が伸びやすくなる。
感想
良かった点
◾やり応えのある探検
本作の目玉の1つであるダイビングパートは、ただ魚を獲るだけにならないよう飽きさせない工夫が随所に施されている。
- 程良い緊張感
- ダイブの可能時間であると共にデイブのHPでもある酸素は、時間経過で徐々に減っていくのは当然のこと、ダッシュを用いれば更に減少速度が加速してしまう。他にも一部魚の攻撃やクラゲ、障害物等への接触でもガンガン減っていくため、プレイヤーは酸素残量に気を配りつつ、周囲への警戒も常に行う必要がある。更には魚から逃げようとしてダッシュすると更に酸素を消費してしまうジレンマもあり、その緊張感が探検のマンネリ化を抑えてくれている。
- と言ってもブルーホール内には酸素供給出来るものが多数設置されているので、欲張ったり無茶しない限り酸素管理はそこまでシビアではない。
- 凶暴な魚やボスとの戦闘
- デイブを率先して攻撃してくる魚の存在も、探検を面白くしてくれている。
- サメ等の大型魚類は、その見た目に違わず耐久力が高く、その巨体のせいで攻撃も躱しづらい強敵。だが倒した際のリターンは大きいため、武器や装備が充実してきたら非常に美味しい相手となる。
- ミッションには特殊な魚=ボスを相手にするものもあり、そちらは敵の排除が目的となっている。ボスは「武器によるガチンコ勝負」から「ギミック利用で倒す」といったものもおり、まあまあ歯応えのある難易度となっているが、このボス戦では酸素がゼロになっても船に戻らない限り獲得食材は失われない仕様になっているので、ライトユーザーでも安心して戦える。
- ネタバレになるので詳細は省くが、ある施設を開放すれば条件や運も関係してくるものの、ブルーホールの環境如何に関わらず安定して魚を供給出来るようになる。
- 特に獲るのに労力を使うサメ類や、夜間にしか出現しない魚等、入手に手間の掛かる魚をノーリスクで得られるようになるのは非常にありがたい。もちろんその施設のみに頼らず自身でも獲りに行けば、更に寿司ネタの供給が捗る。
- 料理に何かと使う調味料も、従業員を派遣すれば時間はかかれど確実に入手出来るので、全然作れないという状況に陥り辛いのも利点。ダイブでは狙った調味料が確実に入手出来るわけではなく、そもそも置いてある調味料ボックスもそこまで多くはないこともあり、この派遣機能は非常にユーザーフレンドリーと言える。多くなり過ぎた従業員を腐らせることがないのも良い。
- デイブは小太りかつ髭面で、お世辞にもイケメンだったり屈強とは言えないものの、文句を言いつつ人の頼みを断れないお人好しな性格や、嬉しいことがあれば態度や言葉に滲み出る素直さにより、操作していく内に可愛らしく思えてくる。
サメやそれ以上の化け物と渡り合っている時点で屈強ではあるが。 - 飄々としているが元武器商人というどこか危うい雰囲気漂わせるコブラ、しっかりとした料理人としての矜持を持ち合わせ、頑固ながらも時代に合わせようと邁進するバンチョ、そんなバンチョに小言を言いつつも信頼を寄せるヨシエ等々、デイブだけでなく脇を固めるキャラ達も個性が立っている。
◾ドット絵で描かれる細やかで多彩な描写
キャラクターや魚は緻密なドット絵で描かれており、どこか懐かしさを彷彿させてくれる。それでいてドット絵だということを忘れるくらいに滑らかに動く様は圧巻。
- ムービーも全編ドット絵アニメーションで描写されており、そのパターンも豊富。特にクックスタランクアップ時に導入されるムービーは、一緒の内容に見せかけて毎回微妙に差異がある上に、“次第にプレイヤーや寿司店が信頼されていく”様を軽妙に表現している。
- 他にも条件を満たすとクックスタが更新されていき、バンチョの書き込みも増えていく。そのコメントも毎回異なる力の入れっぷり。
◾笑いを誘うパロディ
登場人物や演出に至るまで、様々な媒体のパロディがそこかしこに散りばめられており、元ネタを知っている人をニヤリとさせてくれる。
- 皆が知っている有名どころから、知る人ぞ知るネタのようなものまでが目白押し。海に関係する某団体までパロディにするほど。どれがどのパロディか探していくのも面白い。
賛否点
- 後半になると訪れることが可能になる場所に至っては殆ど一緒。出現する魚もほぼ決まっており、大幅な変化は起きない。
- とはいえ、収集要素のあるゲームはランダム型と相性が悪く(集めたい物がなかなか出現しない等)、もし凄まじい変化が起きていたら欲しい魚が全く出現しない&指定されたエリアに行き着くまでもが困難になってしまう弊害も考えられるので、変化の度合いはこれくらいの方が良い塩梅なのかもしれない。
残念な点
- 特にとある生物を用いて行うレースはレベルや内容が複数個あるが、レースの内容は2種類しかない上に、2種類ともそれぞれコースに変化はない。なおかつ、勝つために必要なテクニック等は殆どなく、持ち寄った生物のステータスのみで決まるので非常に単調。挙げ句、全てクリアしても何か貰えることはなく、言及されることもない。
- 他のミニゲームも現実にあるゲームをそのまま実装しただけの単調さであるため、数回プレイしただけで飽きてしまう。そもそもレースの方はまだその場所の特色に見合ったゲームなのに対し、他はその場所でやる意義を感じない代物ばかりなので、工夫に欠けている。
- さらに言えば通貨を使う機会はそう多くはなく、あったとしても道中で拾えるアイテムを売却すれば賄えてしまうので、通貨目的で利用することは殆どなく、クリアする旨味にも乏しい。
- 場所が場所だけに、もっとその環境特有の特殊なミニゲームであれば、また違った面白さがあっただろう。加えて、クリアした際の報酬面も工夫が欲しかったところ。
- 例として「道を塞いでいる障害物をバーナーで切断する」というミニゲームがあるが、プレイヤーがすることと言えば、表示されたガイドから外れないようにバーナーを操作するだけというもの。わざわざプレイヤーにやらせるにしては些かシンプル過ぎる。
- 他のイベントの「障害物を吹き飛ばす爆弾を仕掛ける」ではミニゲームではなく通常通りの操作で事が済むため、尚更プレイヤーにバーナー操作をやらせる意味が分からない。
- 最も意味が分からないのは「とある場所で写真を撮る際、寒さでレンズが曇るので拭ってから撮る」というもの。そのイベント中は一定時間経つ度にカメラが曇るので、プレイヤーの操作で曇りを拭わないとならないのだが、拭う速度がやけに遅いため苛立ちが募る。その癖イベント外で写真を撮る際は、曇りを拭うミニゲームは発生しない。
- 他にもちょくちょくミニゲームが挟まるが、どれもその部分でしか使わない&面倒なだけの単調な作業でしかなく、ただテンポのみを阻害してしまっている。ゲーム展開に変化を齎し、飽きを防ぐための措置かとは思うが、あまりにその方法が雑。
- 一部は手が込んでいると思えるが、そちらもクリアしたとて報酬が得られるわけではない。残念。
- 一応、トロフィー獲得条件となる行動はミッションの道中に存在しており、インタラクトはわかりやすく表示されているため、よほどのことが無い限り見落とすことがないことは救い。が、そこをスルーしてしまうと取り返しが効かないのは少々不親切。
- 寿司ネタの格差
- 序盤に捕れる魚は1桁コイン程度の価格であり、寿司を最大までレベルアップさせても価格の上がり幅は低めなため、利益はもとより攻略目的でも役に立たず、獲ること自体が無駄。反対に中盤〜終盤の魚は初期状態でも100コイン超えのものが軒を連ねており、レベルアップすれば更に高額の品へと変貌する。その差は約10倍以上。
- これで「終盤の魚は非常に捕まえ辛い」というリスクがあるならまだしも、装備品のアップグレードで終盤の魚も捕まえやすくなっていくので、縛りプレイでもしていない限り序盤の魚は見向きもされなくなる。
- この差は寿司ネタのみならず、料理メニューにも発生している。普通の寿司ネタよりも必要食材が多い分、値段も高く設定されているのは納得のいく仕様だが、一部の料理は必要食材と値段のバランスが崩壊している。
- 『特上寿司』が顕著。入手しやすい魚と食材のみで構成され、そこそこ早めの段階で開放されるにも関わらず、レベルアップすることで単価が1000コインを越えてしまう。どの食材も手に入れやすいためレベルが上げやすく、序盤から終盤に掛けてそれ1本でも回せてしまえるほど。
- せっかくバラエティに富んだ魚や料理があるにも関わらず、序盤に登場する魚や料理へのフォローが一切なくなってしまっているのは非常に勿体ない。
- 無意味なメニュー回りのシステム
- オープン前にメニュー選択をするようチュートリアルで教わるが、そもそもオープン中にもメニューは追加出来るため、意味を為していない。
- 加えて「個数選択したメニューは、余っていても営業終了時に破棄される」という仕様によって「如何に無駄なく捌けるか」を吟味する楽しみ方があるが、そちらも『自動供給』というシステムにより形骸化する。
- このシステムは『選択メニューがゼロになると自動で補給する』というものだが、メニューの個数を1にして自動供給設定にすれば、そのメニューが選択され次第速やかに補給してくれるので、下手に個数を設定して並べるより、遥かに無駄なく提供できてしまえる。
- 経営シミュレーション的な要素があるかと思えば、その全てを別のシステムで無意味にするという、少々首を傾げたくなる仕様である。一応自動供給は任意なので、使いたくないなら自身で封印する手はあるが……。
- 従業員の能力の差
- 店に配置する従業員の能力が特殊スキルに依存してしまっており、キャラ毎の優劣が激しい。
- 特にホールのキャラは該当する特殊スキルがないと配膳のみしかしない
無能仕様なので、スムーズな営業を求めるならば、それらスキル持ちを雇うことが必須。 - ホール関連のスキルがやたら細分化されているのも謎。ドリンクは合計で3種類扱えるようになるが、「各1種類のみ」「お茶+1種類」しか存在せず、ドリンク全てを扱えるスキルはない。加えて「席の片付けをする」「わさびの補充」等もあるので、必然的にホールに配置されるキャラはそれらスキルを備えた者に限定されていく。
- 反対にキッチン関連のスキルは少なく、恩恵もさほど感じられない。
- ドリンク提供のテンポの悪さ
- 料理以外にもドリンクを提供するが、こちらもいちいちミニゲームが挟まるのでテンポを削がれる。
- 「決まったラインまで注ぐ」という簡単なミニゲームながら、プレイ中でも時間は進んでいるため、ドリンクを求められると他の部分が遅延を起こしやすい。毎回注ぎ結果が表示されるのもテンポの悪さに一役買ってしまっている。
- 該当スキル持ちの従業員さえ雇ってしまえばこの問題点は解消されるものの、逆を言えば雇えるまではドリンク提供にヤキモキさせられる。
- デイブに成長がない
- プレイヤーが操作するデイブも営業を手伝うが、肝心のデイブには営業関連のステータスが一切ないので、最初から最後まで同じ操作性で挑まなくてはならない。
- ダッシュをしても鈍足かつスタミナが切れれば更に遅くなる動きに、先述したテンポの悪いドリンク提供等、デイブを操作すること自体が時間の無駄になってしまう。
- そのため、最終的に導き出される効率の良い解は「配膳、ドリンク提供、席の掃除は従業員に任せ、デイブはわさび補充のみ担当」という、物悲しいものになっていく。デイブにも営業関連のスキルアップ制がほしかった。
総評
なまじダイブそのものが面白かった分、寿司屋パートでは寿司ネタの格差や従業員の質、デイブの使えなさが、ダイブパートではミニゲームの単調さとテンポの悪さが際立ってしまいました。
もちろん、どれもゲーム性を破綻させるような欠点ではありません。
ただ、熱中してやればやるほど練り込み不足だなと思う部分が目立ってしまいます。
しかしながら、先述したようにダイブ自体は非常に面白かったです。
海の中を自由に探索&多種多様の魚を獲っていくという冒険と収集要素に加え、時間経過やダッシュ、ダメージを受けると減少していく酸素や積載箱の重量によって緩慢になってしまう動きといった、緊張感を醸し出す要素が上手い具合に噛み合っており、ダレることなく探検が出来るのは最高でした。
特に(個人的に)積載箱の存在によって、「重くなってきたしそろそろ上がるか」と探検を途中で切り上げる理由付けをしてもらえたことで、ゲーム自体にメリハリが生まれ、飽きにくくなっていると感じました。
寿司屋パートもバランスは大味ながら、ストーリーが進む毎に収益が増加していく様を見るのは拝金主義傾向にある私にマッチしてましたね。
大変だった配膳も、優秀な従業員を雇ったことでわさびの補充に専念出来るようになったのも、世の不条理さを感じつつ快適さを謳歌出来ます。
少しミニゲームやその他の要素を減らし、その分の労力を本来重視すべき場所に当ててもらえたら良かったかな……という印象でした。
なお、トロフィーコンプは簡単な方です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240527/20/amedio5392/9d/6d/j/o1080060715444182279.jpg?caw=800)
◾こんな人におすすめ
・海や魚、ダイビングが好きな人
・気楽にいろんなことがしたい人
・寿司が好きな人
◾こんな人には合わないかも
・本格的な経営シミュレーションをしたい人
・ゲームテンポを重視する人
・イケメンを操作したい人
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興味のある方は遊んでみてはどうでしょうか。
それでは本日はこのへんで。
おしまい。