映画感想:その8 | 真っ直ぐ行かずジグザグと

真っ直ぐ行かずジグザグと

主にゲームや雑談の記事を書いています。
記事更新は気が向いたらなので、大幅に開くことも。
コメントにはできるだけ返していきます。

おはようございます。
ZigZagです。


今更ながら、YOASOBIの「アイドル」を最後まで聞きました。
曲自体は知っていたのですが、その知った経緯はサビを改変してアイドルの部分をゲッター!にしているネタ動画から。
そのため、未だに原曲のサビでは全く関係のないゲッターが飛び込んできます。

それでは本編。はじまりはじまり。

※個人的な感想&ストーリーのネタバレなしです。


  ZOOM / 見えない参加者


コロナウィルスにより世界中でロックダウンが行われていた頃。

学生のヘイリーたちは外出できない憂さ晴らしのために、霊媒師を交えたZOOMでの降霊術を楽しもうとしていた。

肝試し感覚の暇つぶし……。そう気軽に考えていた面々だったが、それぞれの部屋で怪奇現象が発生し始める──

【簡単な説明】

・全編ZOOM画面で進行するホラー映画

・ストーリーに捻りはないが、恐怖演出に特化している

・インディーズながら十分楽しめる


最初から最後までZOOM画面のホラー映画です。

似たような映画はちらほらありますが、こちらはコロナによるロックダウン中という下敷きがあります。特に話には絡みませんが。


内容もホラー映画あるあるの「面白半分で霊的なことしたらアララのラ」的なもの。捻りや意外性はありません。


それよりも恐怖演出を重視した作風であり、恐怖に怯える若者らと一緒になってビクビク出来ます。

ジャンプスケア(驚かし要素)は当然ありますが、下手に幽霊的な存在を出さず、きちんとジワジワ恐怖を煽る演出を盛り込み、盛り上がりまでの段階を踏んでいるのは○。

視聴時間も約1時間程度と短めなのもちょうど良い塩梅です。


どっしり腰を据えて見るのではなく、気軽にお化け屋敷的な怖さを楽しみたい人にはオススメです。




  マウス・オブ・マッドネス


「自分は狂ってない」

精神病院に運ばれてきた男は、精神病患者特有の主張を叫んでいた。

外来の研究者が話を聞くと、男は入院以前の話をし始めた。

男、ジョン・トレントはフリーの保険調査員であり、鋭い嗅覚で保険金詐欺を働く連中を嗅ぎ分け、証拠を確実に入手して物事を解決するプロフェッショナルだった。

ある日トレントは大手出版社から依頼を受ける。

依頼内容は突如失踪したベストセラー作家サター・ケーンの捜索だった。

持ち前の観察眼でケーンがいると思しき場所を特定したジョンは、ケイン担当の出版社社員リンダと共に車を走らせた。

途中、奇妙な現象に見舞われつつも2人は無事に目的地に到着した。

ケーンの小説に登場する架空の町、“ホブの町”に──

【簡単な説明】

・ジョン・カーペンター監督のホラー映画

・下地がクトゥルフだけに癖の強い作風

・クリーチャーの造形は時代を感じる


「遊星からの物体X」「ハロウィン」「クリスティーン」等で有名なジョン・カーペンター監督のホラー映画です。

監督の好むクトゥルフ神話を下敷きにしているだけあり、ストーリーは不条理そのもの。クトゥルフを知らなくても楽しめますが、その不条理劇は非常に癖が強いため、受け付けない人はつまらなく思えてしまうかも。私はクトゥルフはほどほどに好きなので大丈夫でしたが。

年代も年代であるため(1994年)クリーチャーの造形も時代を感じます。


とはいえ、「少しずつ正気が侵食されていく」様を巧みに演じきった主演のサム・ニール氏の怪演は見事。

あのラストシーンは個人的に超好きです。



  NOPE


OJ(オーティス・ジュニア)は父親と妹の3人で、調教した馬を映画やテレビの撮影に貸し出す牧場を経営していたが、ある日、父親が上空から降ってきたコインに直撃、死亡してしまう。

以降、OJが牧場を受け継ぐものの、生来の愛想の無さから仕事が激減。馬を売却することで生活費を工面するまで困窮してしまった。尚かつ、半年経った今でも父親の死が「小型飛行機からの落下物」で片付けられたことに納得しておらず、塞ぎ込んでいた。

そんなある日、飼育している馬が柵を飛び越えて脱走し、追い掛けたOJの眼前で消え去った。

そこでOJは途轍もない速さで飛び去る、馬鹿でかい“何か”を目撃する──

【簡単な説明】

・ジョーダン・ピール監督の映画

・中盤からガラリと変わる展開で評価が分かれるかも

・何を風刺してるか分かるとより面白い


監督は「ゲットアウト」「US」等を手掛けたジョーダン・ピール氏。

空に潜む“何か”との遭遇と対峙を描いたSFホラー映画です。


前半はその何かの恐怖に見舞われる連続ですが、後半は怒涛の展開に。

その急激な変わりっぷりは、冷たいかき氷を食べてたはずが、気付けばアツアツのおでんを口にしていた様な感じです(?)


この手の作品で蔑ろにされがちな人物背景もしっかり描写されており、「彼は何故あんなことをしたのか」「何で“あれ”が襲ってくるのか」等の伏線も完備されているので、ただのパニック物に成り下がっていないことも評価点です。


ただ、本作もピール氏の風刺や皮肉が込められており、それが理解出来ていないと本作の面白さが半減してしまうかもしれません。

一応その風刺の伏線は主人公が張ってくれてますが、サラリと言っているので聞き逃さないように注意。


久しぶりに面白い映画でした。



まとめ 


映画だけでなく、数多の創作物で私が重要視しているのはずばりワクワク感。

「次はどうなるのかな」「どんな結末を迎えるのかな」等々、先の読めぬ展開にハラハラワクワクしたいのです。

要するに、好奇心を刺激されたい。

そして自身の予想を良い意味で裏切る展開になったときは……最高。


もちろん、ただ予想を裏切るだけではいけません。

そこに必要なのはやはり伏線でしょう。

パッと見ただけでは何気ない一コマ一コマが、最後の最後で全て繋がっていく様は、宛ら好奇心の大三角。

そんな作品に出会えたら感涙ものです。泣かないけど。


またそういった素晴らしい作品を是非とも拝みたいものです。


それでは本日はこのへんで。

おしまい。