ゲーム紹介:SABLE | 真っ直ぐ行かずジグザグと

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本日ご紹介するゲームはこちら。




SABLE


部族の掟に従い、一人旅の中で自分の進むべき道を探していく、アドベンチャーゲームです。

はじまりはじまり。


概要


Shedworksが開発し、Ran Furyから発売されたオープンワールドアドベンチャーゲーム。リリース日は2021年9月23日。

PS版は2022年11月29日。


ストーリー


砂に覆われた地に住まうアイベクス族の少女『セーブル』は、部族の掟により大人になるための通過儀礼である「グライドの旅」──自身が将来担うべき職業を見定めるための一人旅を行う。


各地で出会う他の遊牧民と触れ合い、過去に存在した文明の名残りを訪れ、歴史の声に耳を傾け──


幾多もの出会いと経験の果て、彼女は何を選ぶのか。


特徴



  プレイヤー


主人公はアイべクス族の少女“セーブル”。

「将来自分が担う職業探し」のため、ホバーバイクに乗り込み、砂に覆われた広大な世界を旅をしつつ出会った人々の依頼を達成し、職業を決定するための『マスク』を集めることが目的。

  • 主なアクションは「ダッシュ」「ジャンプ」「壁登り」「グラインド」「物を持ち運ぶ」「コンパス」「バイクを呼ぶ」であり、グラインドのみ序盤の依頼をクリアすると使用可能になる。
  • ダッシュと壁登りはスタミナを消費し、壁登りの最中に切れると落下してしまう。スタミナは後述する『チャムの卵』を規定数送り届けると増加していく。
  • グラインドは落下速度を低減させ、滑空することが可能。こちらには制限時間はなく、ボタンを押していれば地面に足が着くまで持続する。途中で壁登りに移行も可能。
  • なお、本作には戦闘要素がないので体力の概念はない。こちらに危害を加える生物もおらず、高高度から落下しても自動でグラインドが発動する。
  • コンパスは、バイクの置き場所や依頼の目標地点を方角で示してくれる。

 ◾ホバーバイク

SABLEの世界の一般的な移動手段である乗り物。

名の通り地上から少し浮いた状態で移動する。あくまでホバーなため、飛行能力はない。

  • バイクは「フロント」「ウィング」「エンジン」の3つのパーツで構成されており、それらの組み合わせで性能が変化する。改造は各街にいる機械工の元で可能。
  • どのパーツにも「最高速度」「加速」「安定性」の3つのステータスがある。安定性は操作性の良さを意味し、高いとカーブを曲がりやすくなる。
  • パーツは道中の箱から入手したり、取引相手から購入することで増加していく。
  • パーツの他に、バイクのカラーリングも変更可能。カラーの入手もパーツと同じ。
  • バイクを呼ぶアクションで、離れた箇所に置いてあっても自動で近くまで移動してくれる機能も付いている。


 ◾釣り

ある人物に「釣り竿」を貰うと行えるようになるアクティビティ。

水辺ではなく砂地で行うのが特徴。

  • 魚の出現場所は種類によって異なる。尚かつレアな魚は条件の揃った限定的な場所にしか出現しない。魚の出現場所は、とある人物から情報を購入可能。
  • 竿に魚が掛かるとバーが出現し、魚のマークがその中を動き回る。バーの中にはプレイヤーが動かせるカーソルがあるので、一定時間カーソルの中に魚を入れることが出来れば捕獲となる。魚によって動き方はそれぞれ異なるが、動き方自体は各種類で固定なので、動きさえ理解すれば捕まえるのは容易。オプション画面で釣りを簡単にできる項目もある。



  システム


 ◾依頼

各地に住まう人々の悩みを解決していく。どの依頼にも時間制限はなく、一度にいくつでも受けることが可能。

  • マスクを得るには依頼をクリアしていき、各職業のバッジを3つ集めた上で『マスク職人』と会話すると入手出来る。手に入るバッジは依頼人の職業で異なる。
  • 依頼によっては職業とは関係のないマスクも手に入る。そちらもマスク数にカウントされる。

 ◾売買
商人や測量士、機械工等、一部キャラクターはアイテムやバイクのパーツ、コスチュームを売買してくれる。
購入するには通貨“カット”が必要。カットは依頼の報酬の他、宝箱の中やフィールドにいる生物や植物、魚等を売る事で手に入る。
  • 注意点として物を売却する際、取引を行う人物の所持カット以上の売却は出来ない。カットを増加させるには、その人物の商品を購入する必要がある。
  • 売却したものはそのまま取引相手の売却欄に並ぶので、間違って売ってしまっても再度購入可能。


 ◾チャムの卵

生物“チャム”が生み出す卵。各地に生息しており、話しかけると卵を入手出来る。

  • とある場所にはチャムの女王がおり、彼女に卵を規定数渡すことでスタミナの総量を増加させることが出来る。
  • こちらも時間制限はないので、いつ渡しに行っても問題ない。



  フィールド関連


全部で7つの地域がある。

最初はマップが隠されているが、測量士の元で地図を購入するとその地域のマップが表示される。

  • どの地域や町にもシームレスで移動可能であり、マップが表示されていなくても序盤からどの地域にも立ち入り出来る。
  • 町や特定のポイントに到着するとその場所の名前が表示され、以降はマップからファストトラベルが可能になる。
  • マップには13個までタグ付けが可能。付けたタグはマップの他に、コンパスからも確認出来る。


感想


  良かった点


 ◾絵画のようなグラフィック

本作は3Dアクションなのだが、ゲームを構成するグラフィックは宛ら絵のようであり、一風変わった映像体験を味わえる。

  • 動きにはぎこちなさが出ているが、却ってそれが絵画っぽさを強調しており、まるで絵を操作しているかのような錯覚を受ける。
  • グラフィックには暖かみも感じられ、本作のゲーム性とも非常にマッチしている。


 ◾丁寧な作り

多少の粗はあるものの、丁寧な作り込みによって世界観を描いている。

  • 時間帯による陰影の変化や、歩く場所で異なる足音、風で靡く衣類、コンパスを開くとセーブルもコンパスを眺める、待機中や搭乗中でバイクの見た目が変化する等、細部まで描写されている。
  • セーブルには直接のセリフがない代わりに、彼女視点の描写を交えた語り口となっている。そちらも非常に丁寧な表現がなされており、物語や彼女の心情が理解しやすいよう作られている。日本語翻訳も自然であるため違和感もない。


 ◾依頼の工夫

ストーリーの性質上、お使い系の依頼が多くなっているものの、マンネリ化しないように工夫が施されている。

  • 「○○が欲しい」といった依頼で頼まれるアイテムは、入手するのに一手間必要だったり、またはアスレチックを走破する必要があるもの、パズルゲームのような謎を解いて進むものもあり、単純な作業にならないよう配慮されている。



  賛否点


 ◾説明不足気味

全体的に周囲環境についての情報が乏しく、自力で探し出さなくてはならない施設がある。

  • 依頼で訪れる場所はコンパスで分かり、遺跡や謎めいた施設はマップ上からも判別可能だが、それ以外の施設はマップに記載されておらず、目印となるものも表示されていないので、実際に訪れるまで判別出来ない。周辺の情報を教えてくれる筈の測量士も教えてくれない。
  • 更にはスタミナ増加についての情報や、それが可能な場所すらも自力で探し出す必要があり、やや不親切。
  • 一応、初期スタミナでも工夫すれば登りきれない壁はないので、それが原因で詰むことはない。……が、せめてよく使うスタミナ関連だけは、分かりやすくしてほしかったところ。


  残念な点


 ◾処理落ちの多さ

場所によって妙にカクつきやすい上に、オブジェクトの読み込み遅延が多発する。

  • 特にバイク走行中が顕著。せっかくの滑らかな移動がカクカクになってしまい、爽快感が目減りしてしまう。
  • オブジェクトの表示遅延が起こった際、表示されていない状態だと、本来立ち入り出来ない部分にも入り込めてしまう。挙げ句、オブジェクトが表示された途端に身動きが取れなくなってしまう。閉じ込められた際はファストトラベルで脱出可能なものの、場所によっては大幅なやり直しに繋がりかねない。


 ◾壁登りの速度が遅い

最も使うアクションである壁登りの速度が遅く、ゲームテンポを著しく阻害している。

  • スタミナとは異なり、壁登りの速度は一切上昇させることは出来ず、壁登り中のダッシュといったアクションもない。いくらノンビリ系のゲームとはいえ、頻繁に要求されるアクションまで遅いのはやり過ぎな印象を受ける。
  • 特にマップ解放に必要な測量士のいる場所や一部地域は、凄まじく高い場所をいくつも登らなくては到達出来ない。遅い速度でこれでは、もはや冒険ではなく苦行である。


 ◾バグの存在

あまり大したことのない微小なものから、ゲームの進行に影響があるものまでバグが発生してしまっている。

  • バイク搭乗中のセーブルが消える、バイクが動かなくなる、呼んでもバイクが来なくなる、アクションボタンが表示されない等々。
  • 「釣り」では釣り竿は構えられるのに投げるボタンが反応しなかったり、リールを巻けなかったりするバグがある。一度ゲームを落として再開すると直るが、暫くすると再度発生してしまう。バグが発生する度にゲームを再起動しなくてはならないのは、手間以外の何物でもない。挙げ句、この釣りは依頼やトロフィーにも関係しているため、否が応でも遭遇してしまう。



まとめ 


まるで絵画のようなグラフィックに、個性的な遊牧民と触れ合う優しい物語等、緩やかかつ平和にプレイ出来るゲームです。

フィールドには荒涼とした砂漠の他に、遺跡や不思議な施設が点在しており、冒険心や好奇心も刺激してくれます。

セーブルの語り口も、「子供が大人になる」過程を表現しており、どこか懐かしも感じます。


ただ、頻繁に扱うアクションである壁登りの速度が遅いのが難点。

目指す場所が軒並み高所にあったり、壁登りを駆使しないと到達出来ない場所のことが殆どであるのに、肝心のアクションが遅い&速度上昇といった仕様もないのは不便ですあると共に、ゲームテンポを悪くしています。いくらノンビリ系のゲームでも、もう少し素早い行動をさせてほしかったところ。


PS5版でも場所によって処理落ちが発生してしまうのも残念。

これによってホバーバイクの移動がカクついたり、オブジェクトに嵌るといったバグが出現してしまい、爽快感が減ってしまいます。


釣りにバグがたびたび発生するのも地味に厄介。

依頼のために行うこともある他、トロフィー目的でも使用するので、このバグに遭遇するとクリアに無駄な時間が掛かってしまいます。




◾こんな人におすすめ

・ノンビリとゲームしたい人

・戦いのない、平和なゲームをしたい人



◾こんな人には合わないかも

・ゲームテンポを重視する人

・戦いが好きな人


バグやアクション面での不備はありますが、ノンビリと平和にプレイするには良いゲーム。

暖かな気持ちになりたい方は、是非一度プレイしてみてはいかがでしょうか。




ちなみにトロコンは楽な方です。


それでは本日はこの辺で。

おしまい。