殷鑑遠からず、夏后の世にあり(詩経) | 日日是好日のブログ

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団塊世代、毎日が日曜日となり晴耕雨読の生活に入ったのを機に、学びは生涯現役でありたいと始めたもので、生活の一部を切り取っていきたい。

 殷鑑遠からず、夏后の世にあり(詩経)

 戒めとすべき例は、ごく身近にあるということ。殷の紂王は、美女の妲己(だつき)にうつつをぬかし、酒池肉林の遊びにふけって国政をかえりみなかった。前の王朝夏の桀王が、美女の妹喜(ばつき)との淫楽にふけって国を滅亡させたのとまったく同じパターンである。殷の鑑とすべきは、ほかならぬ殷が滅ぼした夏の桀王の末路である、との諫言も紂王の聞き入れるところとはならず、結局、殷は夏と同じ運命をたどったのである。
 紂王に限らず、教訓となるべき事柄は、案外身近にあるものだが、当の本人がそれに気づかないことが多い。(丹羽 隼兵著「中国古典の名言」より)