ことごとく書を信ぜば、書なきにしかず『孟子』
書物を読んで、その内容をすべて信じ込むくらいなら、書物など読まないほうがましだ~批判精神のとぼしい態度を戒めることば。孟子は、儒家の経典とされる『書経』でさえ、自分はそのなかでごく一部を学ぶにすぎない、といい切っている。
書物に限らず、新聞や雑誌など活字になったものは、いかにも権威があるような気がして、ついつい頭から信じてしまいがちである。しかし、なにもかも鵜呑みにするのでは、自分の血肉とはならないばかりか、とんでもない方向に引っぱり込まれる危険性すらないとはいえない。(丹羽 隼兵著「中国古典の名言」より)