君子に三変あり『論語』
君子は三たび姿を変える、との意。どういうことかというと、遠くから見るときは、近づきがたい威厳がある。親しく接してみると、その人柄のあたたかさが伝わってくる。いわれたことをよくかみしめてみると、そのことばの厳しさがわかってくる。これが君子の三変なのだ、と説明されている。
はじめは、冗談ひとつ迂闊にいえないとっつきにくい印象だったのが、毎日のように接しているうちに、やさしい人であることがわかる。だが、おだやかなことばのなかには、妥協を許さぬ鋭い指摘がなされている。こんなタイプの人物像が浮かび上がってくる。(丹羽 隼兵著「中国古典の名言」より)