ずっとずっと誰かに出逢いたくて
わたしを愛してくれる
ゆるしてくれる
わたしも愛さずにいられない
あたたかい
純粋で
たくましい 誰か
出逢えると思って
出逢えたと思って
くっついて
粉々になって
今度こそ出逢えたと思って
くっついて
サヨウナラ
こっぱ微塵になって
湖のずっと底に
底のずっと奥に
沈んで
沈んで
沈んで
まっくらで
苦しくて
助けてって言ったけど
もう誰にも聞こえない
どれくらいの時間が過ぎただろう
1分にも1年にも思える
そこに
ひとすじの光と
誰のかわからない手が伸びてきて
わたしの手をつかみ引っ張り上げる
その手のあたたかさ
力づよさ
儚さ
誰の手だっけ
よく知っている気がする
なつかしい
とても知っているようで
未知のような気もする
ずっと ずっと
逢いたくて 逢えなかった 手
そうだよ
わたしあなたに逢いたかったの
ずっと この手をにぎりたかったの
誰なの??
どこからきたの??
どこにいたの??
見つめ合って
動けなかった
そこに立っていたのは
とてもとてもよく知っているはずの人
その手の正体は
他でもない
あぁ…
わたしがずっと出逢いたくて
出逢えなくて
愛したくて
愛せなかった
手をつなぎたくて
つなげなくて
今 底の底の 底からわたしを救いあげた手
その正体は
他でもない
“わたし” だった