東京、日曜の昼下がりに思ふ | 速報いくのふ☆

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歌手・高木いくの☆の情報をお知らせします♪



夜まで予定がなく、

自由な時間を過ごしている。

Twitterを見ていたら、

お昼過ぎから下北沢でユザーンのライブの情報。

行こうかなと思ったけど、

茶店の椅子が心地よく立てない。

今日は日曜日だから家族連れが多いな。

みんないい顔してる。



20代のほとんどを東京で過ごした。


わたしは、

いつでもいっぱいいっぱいで、

ギリギリだったんだな。

東京を楽しむことをしなかった。

閉ざしていたから、

友人もできなかった。


夕べは久しぶりの面々と再会でき、

色んな話をしたけど、

あんなに一緒に仕事をしてきた人たちなのに、

わたしは彼らのこと何も見えていなかったんだと、

再会できている幸せと安堵感の裏で、

ショックだった。

どれだけの愛を受けていたか…

まったく、見えていなかった。

そして、

どうしてもっと早く、

会おうとしなかったのか…

助けを求めなかったのか…

そういうところ、

相変わらずだと、思う。


歌手を辞めてから、

社会復帰まで3年かかった。

その後、

歌とはまったく関係のないところで働かせて貰い、

馴染めなくて、

浮いていることが恥ずかしく、

毎朝、

「これは映画の撮影だよ、この制服は衣装だよ」と自分に言って仕事に行っていた。


いくつか仕事を変え、

ほんとうに優しい人たちの中で働かせてもらうことができ、

そして自然の中で、

「歌手である前に普通に人であり自然の一部である」という感覚を覚えた。


そんな時期があったから、

昨年のラジオもやりぬくことができたのだと思う。

ラジオはもちろん楽しかったけど、

苦しさも知った。

社員になり、

表現者の感覚を殺す場面も多々あった。

葛藤だった。

働いて、もまれて、

また筋肉がついたし、

改めて自分という輪郭を見ることができたと思う。

やらせてもらえて、

感謝している。


ジャンスマ15周年で、

久しぶりに吉田と相見えたとき、

海の匂いがしたの思い出す。


♪海は広いな大きいな 月は昇るし陽は沈む

♪海にお舟を浮かばせて 行ってみたいな よその国



お客さんを前にふたりで漫談しているわたしの体の中では、

こんな歌がずっと流れていた。


わたしはイルカで、

音楽という波間をビュンビュン泳ぐ


ビュンビュン、グングン泳いで、

ジャンプして深く深く潜ってまた一気に上がって…


そっか、

サラリーを貰って泳ぐわたしは、

水族館で保護してもらってるイルカなんだ、

餌を貰って泳いで、

芸をして、

みんな喜んでくれるし、

とってもうれしい。

でも、

思いきり泳ぐとぶつかっちゃって頭が真っ二つに割れちゃうんだな…




ビュンビュン、グングン、

波間を泳いでみたい…

でも、

大自然は苛酷だな。

また死ぬかもな。



ビュンビュン、グングン…

ビュンビュン、グングン…




そんなことを思い、

今年はひとりでやってみた。

どんなに予算がなくても、

どうにかやりくりしてやってみた。

お金の交渉などはしなかった。

一度は試みたけど、

なんか違うと感じた。

言われた条件でぜんぶ受けた。

身銭もきった。

なんでもやった。


そして年の瀬、

どうにか生きている。


とても充実した2012年だった。

すべて、

わたしは知りたくて、

また、

知る必要があったのだと思う。




♪海は広いな大きいな 月は昇るし陽は沈む

♪海にお舟を浮かばせて 行ってみたいな どこまでも