死に鏡~中編~
「死に鏡かぁ~」みなみは自分の家の部屋の中でベットに寝ころび、さっき公園で見つけた手鏡をジーっと見つめていた。
『死に鏡』という字を見た時は一瞬びくっとし寒気がしたので、そのままベンチに置いて帰ろうと思ったのだが、何故かこうして持って帰ってきてしまった。
何故持って帰ってきてしまったのか分からない…持って帰らなきゃいけない様な気がしたからだろうか?
けどもしかしたら誰かの忘れものだったのかもしれない…明日元の位置に置いておこうっみなみはそう思うと手鏡を机の上に置いた。すると、ミラーの部分が急に紫の光を不気味に放ちだした。
「えっなに!?」みなみはびっくりして思わず手鏡を持ちミラーの部分を覗き込んだ。「…なっなにこれ!」
ミラーに映っているものを見て、みなみは思わず恐怖で手鏡を手放してしまった。そこに映っていたのはみなみの驚いた顔では無かった…誰か知らない人が二人いて、一人がもう一人を包丁でメッタ刺しにし、刺された方は横たわり血だらけで、死んでいる映像が映ったのだ。
「なっなんなのこの鏡っ」みなみは訳も分からず体が恐怖で震えだした。みなみは恐る恐る手放した手鏡を拾い、またミラーの部分を覗き込んだ。するとそこには恐怖で青ざめたみなみの顔が映っていた。
「さっきの映ったものって…」みなみはさっき映ったものをハッキリと見なかったが、血だらけの人は分からないけど映っていた場所は分かっていた。
「あの公園のベンチじゃん…」みなみは何故だか分からないが嫌な予感がした。思わずこの鏡を拾った公園へと走り出した。
本当は行きたくない、怖いし…でも私の予感があたっているとすれば…
公園に着いたみなみは、中へと入った。だがみなみはすぐに立ち止まってしまった。「うそでしょ…?」
公園のベンチにさっきみたものと全く一緒の光景が広がっていたからだ…「しっ死んでるの…!?」みなみは恐怖を感じたが、その人をほっておく訳にはいかないので、ベンチの方へと歩みよっていった。
「死んでる…」その人はやっぱり誰だか分かないが、確かに心臓を包丁で突き刺されている。全身いたるところを切られて、最後のとどめで心臓を突かれたのだろうか…
みなみは背筋に寒気が走ると思わず走り出した。自分の部屋までやってくると、急に気分が悪くなりふさぎこんだ。「はぁっはぁ…しっ死んで…」みなみにとって初めて間近見る、『人の死』だった。
「なんなのこの鏡は…」みなみは手鏡を手に持った。裏を見てみるとやはり『死に鏡』と書いてある。「この鏡…人の死を映す…か、鏡?」
「はぁ…昨日は怖くて眠れなかったな」みなみはぐったり疲れた顔で学校に登校した。「どうしたのたかみなー?なんかすっごい疲れてるみたいだけど…」敦子が話かけてきた。
どうしよう…?昨日の事を話そうか…でも信じて貰える訳ないし…
みなみはそう思いつつも敦子に昨日起こった事を全て話した。
「みなみは本当に面白いな~今度は何?すべらない話止めて怖い話をしていくつもりなの~?」みなみの話が終わった後、敦子がそう言いアハハハハと笑いだした。
案の定、敦子は信じてくれなかった…「でもっ本当に」みなみが言いかけると「その手鏡が紫に光ったんでしょ?」
とみなみが右手に持っている、『死に鏡』を指さしながら、敦子が話を遮った。「そうなんだって!そしたら…」「でも今紫に光ってないじゃん」また敦子がみなみの話を遮った。
駄目だ…そりゃ信じて貰えないのが普通か…みなみは信じて貰うのをあきらめた。
「まぁ~たかみなっ、たかみなはやっぱりすべらない話してくる方が面白いよ!」と敦子は笑顔で言った。「そうだねっ…てか今日有華遅いけど来ないのかな?」みなみは有華が中々教室に姿を現さなかったので、敦子に聞いてみた。「あぁなんだか今日は、理由分からないけど休みみたいだよ」と敦子は応えた。
昨日は元気だったのに…急に風邪でもひいたのかな?みなみは少しだけ疑問に思った。
「じゃぁたかみなっ私部活だから!バイバ~イ」全ての授業が終わり、敦子が手を振って教室から出て行った。「バイバ~イ」教室にはみなみだけになった。みなみは鞄の中から、死に鏡を取り出すとミラーをみつめた。
あれは夢だったのかな…?でも夢には思えないんだけど…みなみが首をかしげ考えていると、またミラーの部分が紫の光りを放ちだした。
「光った!」みなみはびっくりしながらミラーを覗き込んだ。
そこにはランドセルを背負った女の子が、黒いコートを着た誰かとすれ違うとき、胸元をナイフで刺され、倒れ込む映像が映っていた。その場所はこの学校の近くの交差点…
「女の子が危ないっ」みなみはそう呟くと教室を抜け走り出した。みなみがその見た映像の場所までやってくると、前方からさっき映像でみた女の子が歩いてきた。みなみが思わず後ろを振り向く、遠くからさっき見たコートの人が歩いていた…
このままだとあの女の子は見た映像通りになるかもしれない…そう思ったみなみは前へ向かって全力で走り出した、「えっ!?」女の子の手を掴むと、その女の子を連れて走り出した。
「チッ獲物が…」みなみは近づいてきていたコートの人がそう言ったのをハッキリ聞こえていた。
「ちょっちょっとお姉ちゃんなに…?」急に手を掴まれた女の子は意味が分からないでいた。「いいから走って!」みなみが振り向き真剣な顔で叫ぶと、女の子は疑問に思いながらも、何かを感じとりみなみの言うとおりに走った。
「せっかく殺しがいのあるガキが現れたのに…」さっきのコートの人が呟いていた。
「はぁはぁ…」随分遠くまで逃げてきたみなみと女の子はゼェゼェいいながら疲れていた。「お姉ちゃんっなんで走らせたの?」女の子が地面に座りながらみなみに聞いた。
「ごめんね…えっとあなたが危険な目にあいそうだったから」みなみは応えた。
「危険な目に?じゃぁお姉ちゃん助けてくれたの?ありがとう!」女の子は笑顔でお礼を言いペコっとお辞儀をした。「うっうん…今日はお姉ちゃんが家まで送ってあげるから」みなみがそう言うと「うんっ」と女の子は立ち上がりみなみの手を握った。
みなみは女の子を家に送りながら、昨日と今日起こった出来事について考えていた。
きっと逃げてなきゃあの映像通りになってたよね…?もしかして『死に鏡』は人が殺される所を映す鏡…?怖いけど、もしかしたらこの鏡はさっきみたいに、誰かを助けてあげれる鏡なのかもしれない…
こんな将来の夢も希望もない私でも…世の中の役に立てるかもしれないよね…?みなみはそう思うと決心した。
私も有華と一緒に警察になろう!この『死に鏡』があれば世の中の犯罪を防げるかもしれない!
みなみは夕焼け空に向ってそう誓った。
続く
死に鏡~前編~
「はぁ~っ今日も学校か~」
一人の少女が学校へ向かう通学路で溜息まじりにポツリと呟いた。
彼女の名前は高橋みなみ、そこら辺にいるごくごく普通の女子高生だ。
みなみには将来の夢や希望がなにもなかった。ただ毎日こうやって、行く意味があるのか分からない高校に通っている。
別に友達がいない訳でもないし、先生が嫌いな訳でもない、でも…毎日が一緒の繰り返しではつまらない、何か刺激が欲しい。みなみはいつもそう思っていた。
みなみはこの時まだ知らなかった。、とんでもない出来事が待ち受けている事を…
「みなみおはよーっ」みなみが学校に着き席に座ると、隣の席の敦子が挨拶をし話かけてきた。敦子とは中の良い友達である。「おはよーあっちゃん」みなみは右手をあげてそれに応える。
「おはっ~♪二人ともー今日進路希望の紙、提出の日やでー決めたんー?」教室に入りながら、有華が元気よく二人に話かけた。有華も中の良い友達だ。学校ではいつもこの3人で一緒にいる。
みなみはすっかり忘れていた「今日だったっけ?忘れてたよ」「今日だよーまぁ私もまだ書いてないけど」敦子が笑いながらみなみに言った。「二人ともーしっかり将来の事考えんとあかんでー」有華が二人に説教するように言った。
しっかり考えろったって…やりたい事なんてないし、でも探さないといけないんだよね~将来の夢…ってか将来の夢って探すものなのかな?みなみはそんな事を思っていた。
「私はね、なんか変わった事やりたいのっ誰にも出来ないような事…」敦子が窓から外の景色をボーっと見ながら言った。「変わった事って?」有華が聞くとすぐに「分かんない♪]と敦子が有華の方を向き笑顔で言った。
本当に変わった子なんだよねあっちゃん…みなみは思った。
「そういう有華は将来の夢決まってるの?」敦子は有華に聞いた。「もちろん!うちは警察になるねん、うちの力があれば世の中を救えるからね」有香は誇らしげに胸を張ってそう言った。
うちの力ってどんな力だよ…みなみは心の中で突っ込んでいた。
「なにそれ~」敦子が笑いながら言った。「あ~うちの夢笑ったな~」有華がそう言うと、敦子の体をくすぐり始めた。
「ちょっちょっと有華、くすぐったいって!」敦子が必死に有華を止めようとする。
「アハハハハハハ」教室に3人の笑い声が響いた。
もしかしてこんな繰り返しの日々も悪くないかもね…みなみは二人の光景を見てそう思った。
「みなみバイバイ~っ」敦子と有華が手を振って教室から出ていった。最後の授業が終わり二人はそれぞれ違う部活にいくのだ。みなみは部活やバイトもしていない為そのまま一人で家に帰っている。
みなみは帰路を歩いていた。今日はちょっと違う道を歩いてみようと、みなみはいつもと違う帰路を歩いている。ふと、みなみが昔よく遊んでいた懐かしい公園の前で立ち止まる。
「懐かしいな~」みなみはそう言いながら公園の中へと入っていった。ブランコの近くまでやってくると、隣のベンチに真っ黒な手鏡が表面を向いて、置いてある事に気づいた。
誰かの忘れものかな?みなみはそう思いながら、そのベンチに置いてある手鏡まで近づき、鏡を手に持ってみた。ミラーの部分にみなみの顔が映った、みなみはふと手鏡を裏に向けてみる。
「死に鏡…?」そこには真っ白な字で『死に鏡』と書かれていた。
続く
世界平和組織「ワールド ペガサス」7
「はぁっはぁ…」由紀は振り返り魔物を見ると、改めて絶望と恐怖を感じた。後ずさりしたいが後ろは穴が開いている為、これ以上は後ろに下がれなかった。
魔物がだんだん近づいてくる。「たっ助けて…」由紀は声にもならないか細い声でそう言った。
すると魔物がオノを頭上に持ち上げた「くっくる…」由紀がそう思った瞬間…魔物がゆっくりとオノを振り下ろした。その動きが見えたので由紀はなんとか避けることが出来た。そのオノの衝撃で先ほど開いた穴が少し大きくなった。「なっなんで…?」
「簡単に殺してしまっては面白くないだろう…じわじわいたぶってやろう!ギャハハハハ」魔物が笑うとまたオノをゆっくり振り下ろしてきた。右側に移動していた由紀はさらに右に避けた。そのオノの衝撃でまた地面に穴が開く。
ゆっくりなのにこの破壊力、当たったら死んじゃう…でも…由紀は魔物の強さを感じると、素早く自分の刀を抜いた。
「戦うしかない!」
刀を持つ手が自然と震える、でも戦わなきゃ!だって私は…ここで死ぬ訳にはいかない!
由紀は魔物と戦う決心をすると「世の中の悪は許せない」と言い魔物に刀を向けた。
「ふん…雑魚が馬鹿馬鹿しい」魔物はそう言うとまた由紀に向って先ほどより早いスピードでオノを振り下ろしてきた。
「私は負けないっ」由紀がそう叫ぶと刀でオノを受け止めようとした。だがあまりの衝撃に弾かれる。由紀は体に斬撃を受け遠くに飛ばされた。
「死んでしまったか、もう少し楽しめば良かった」魔物は不満そうにそう言うと立ち去ろうとした。すると
「まだ…終わってません」魔物の後ろから声が聞こえた。「んっ?」魔物が振り返ると、そこにはさっきの衝撃でボロボロの体になった由紀が立っていた。手には折れて半分になってしまった刀を持っていた。
「はぁはぁ…ここで終わったら、世界を救うことなんて出来ないっ!」由紀は大きな声を出してそう言うと、ゴボボボっと口から勢いよく血を吐いてしまった。由紀は全身から感じる激痛で立っている事さえ辛かった。息もまともに出来ず、握っている刀さえ今にも落してしまいそうだった。
優子隊長でも敵わなかった…私がこの魔物に勝てる確率なんて0%…でもここで逃げる訳にはいかない!優子隊長に学んだから…「本当の負けは死ぬ事なんかじゃない、諦める事なんだよ」って
由紀は震えて落としてしまいそうな刀をグッと力強く握った。
大丈夫…優子隊長…きたりえ…私はまだ戦える!
続く