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外来で診療していると、採血や注射の時に
気分が悪くなったり、顔色が悪くなったりする患者さんがいらっしゃいます。
そんな症状が現れる方が
ご自身だったり、身近にいらっしゃるかもしれませんね。
迷走神経反射(副交感神経反射)、という言葉をご存知ですか?
注射針が刺さると、目の前が暗くなって
血の気が引いていくという感じで
吐き気がしたり、冷や汗をかいたり、気が遠くなるなどの
症状が現れます。
迷走神経(副交感神経)が働くと
リラックスや休息をもたらすことはよく知られていますよね。
そして、この副交感神経によって
脈が弱くなって、呼吸がしにくくなり、気が遠くなっていく…。
リラックスどころか、反対の作用です。
ですが、この矛盾したように見える働きには
ポリヴェーガル理論で考えると、理由があるんですよね。
一朝一夕にはいかないかと思いますが
私が患者さんにおススメしている方法ご紹介します。
すでに工夫されている方もいらっしゃるでしょうが
確認していただけたらと思います。
①しっかり休養、睡眠をとっておく。
寝不足や休養の不足があるとそれだけでも体調はすぐれませんよね。
②絶飲絶食などの指示がなければ、適度に水分や食事を口にしておく。
苦しくなるほどの満腹は逆効果でしょうが
脱水気味や低血糖気味ではない状態で臨みましょう。
③フラフラしても大丈夫なように、横になって注射や採血をしてみる。
倒れたらどうしよう、とか
いろいろ考えると不安になりますよね。
医療者にご相談してみてください。対応してもらえるはずです。
少しでも、不安が少なくなるような体勢をとってみましょう。
④ゆっくり息を吐くことを意識する。
息を大きく吐けば、自然と大きく吸うことになります。
緊張すると、呼吸は浅くなりがち。
ゆっくり繰り返すことによって
腹側迷走神経複合体の働きを促すことが期待できます。
⑤会話が出来る余裕があれば会話する
会話は腹側迷走神経複合体の働きを促す行動の1つです。
社会交流モードを活発にして
背側迷走神経系が危機管理モードを発動してしまうことを
抑える効果が期待できます。
他にも、いろいろあるだろうと思います。
ご自身に合った方法で対処なさってみてください。
ストレス反応は
生きていくためには必須のシステムですが
一方で、その反応があるために、逆に苦しめられることがあります。
今回の場合は注射針で刺されることをご紹介してみましたが
このストレス反応にも、太古の昔からの
生き延びるためのシステムが関係しているように感じます。
生活している中で、突然出現するストレス反応にお困りで
色々試してきて、しっくりいかなかった方は
この考え方を取り入れると、気持ちが楽になるかもしれません。
ご興味ある方はこちら。
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