やけどをしたようにヒリヒリして痛かったり
ピリピリした感じがしたことがありませんか。
痛みやヒリツキなどがあると気になりますよね。
このことについてお伝えしたいなと思います。
見た目は異常ないのに
痛みなどの症状は
周りから見てもわかってもらいにくいだろうと思います。
あちらこちらの医療機関を受診される方や
外来でもそのようなご相談をされる方もいらっしゃいます。
外来に受診された患者さんで、これらの症状があった場合
私は、口の中を診察して
口内炎や粘膜のただれなど、これ!という原因があった場合は
「おそらく、これが原因でしょう。」と、必要であれば
処方をしたり、口腔外科などを紹介しています。
ですが、口腔内を観察しても
これと言って病変が見つからない場合があります。
患者さんが心配されている場合は、こちらも紹介していますが
「舌痛症かもしれませんね。」とお話ししています。
舌痛症って?
先にご紹介した状態は
一般には、舌痛症(ぜっつうしょう)と呼ばれており
言わば舌の神経痛のような病気と言われています。
患者さんの多くは女性で、年齢的には更年期を迎える
40歳〜50歳代の方に多いのが特徴とされています。
舌に意識が集中したり、精神的に緊張したりした時に
症状が出やすいようです。
原因は?
原因はまだはっきりと分かっていません。
人によっては入れ歯や歯列矯正具が口に合わず
物理的な刺激によって痛みが出たり
歯の治療に用いる
金属のアレルギーが原因になっていることもあるそうです。
味覚変化を伴っている場合には
血液中の亜鉛欠乏が一因となっている場合もあります。
さらにはある種の薬剤が原因していることもあります。
更年期の女性に多いことから
ホルモンのアンバランスや
自律神経の変調なども関係があると考えられています。
心理的要素も重要と言われていて
傾向として神経質な方や、几帳面な性格の方に
発症しやすいようです。
食事をする時には、痛みがなくなったり
和らいだりすることが多いのも特徴で
舌のことを、あまり気にし過ぎると
症状がよりひどくなるようです。
治療法は?
治療法は一律ではありません。
入れ歯などの刺激が原因なら
入れ歯を改善する必要があります。
亜鉛が不足している場合は、亜鉛製剤を服用します。
漢方薬が効く場合もあります。
また悩みや不安が強い方には
抗うつ剤や精神安定剤を使用することもあるそうです。
治療には時間がかかりますが
あまり心配せず、根気よく治していくことが大切と言われています。
舌痛症のほかに舌の痛みが出る病気には
細菌やウイルスなどの感染による舌炎や口内炎
真菌症(カビによる炎症)
口の中に潰瘍(かいよう)のできるベーチェット病などがあります。
もちろん見逃してはならないのは舌がんです。
舌の痛みやヒリツキなど気になる症状がある場合は
そのままにせずにかかりつけなどの医療機関に受診なさってくださいね。

