外来に受診される患者さんでも
頭痛を訴える方は割と多くいらっしゃいます。
このことについてお伝えしたいなと思います。
頭痛は大まかに2つに分類される
頭痛は大まかに分けると
命にかかわる危険な頭痛と
命にはかかわらない頭痛（危険でない頭痛）に分類できます。
危険な頭痛って？
危険な頭痛としては
くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍（しゅよう）が代表的です。
くも膜下出血
くも膜下出血の頭痛は、たいてい
今まで経験したことがない激痛が突然襲ってきます。
通常は嘔気（おうき） 、嘔吐（おうと）を伴い
死亡率も30％以上と言われています。
脳出血
脳出血の場合は突発する頭痛とともに
吐き気や手足の麻痺、言葉の障害を伴うことが
多いのが特徴です。
脳腫瘍
脳腫瘍の場合は
日ごとあるいは週ごとに徐々に悪くなることが多く
朝方に強い頭痛（早朝頭痛）が有名です。
いつもと違う頭痛には要注意
頭痛も今まで経験したことのない頭痛であることが多く
このような頭痛を感じたときには
そのままにせずに脳神経外科等の
専門医を受診されることをおススメします。
危険でない頭痛って？
危険ではない頭痛としては
筋緊張性頭痛、片頭痛が代表的です。
どちらもCTやMRIでは異常は見つかりません。
筋緊張性頭痛
筋緊張性頭痛は
頭痛の50％を占める最も代表的な頭痛と言われています。
症状は締め付けられるような頭痛で
典型例では午後から夕方にかけて痛みが増してきます。
原因は筋肉、精神の緊張により
頚部（けいぶ）から後頭部にかけての筋肉が血行不良となり
痛みの物質を生み出して
頭痛、頭重感となります。
神経質・完璧主義の性格の人に多いといわれています。
このタイプではリラックスすることが重要で
気分転換、軽い運動、マッサージ、入浴などで
症状が軽快します。
片頭痛
片頭痛は
心臓の脈拍のリズムに合わせて起こる
「ズキン、ズキン」という頭痛です。
頭痛全体の約15％を占めると言われています。
吐き気を伴い、寝込むこともあるのがこのタイプです。
また、頭痛の前兆（まぶしい感じなど）がある場合もあります。
飲酒はかえって頭痛を悪化させます。
そのほかには
夏の暑い日にかき氷を口いっぱいに頬張ると
「キーン」と頭が痛くなりませんか。
これはアイスクリーム頭痛といって
口の中に分布する
脳神経の一種（三叉神経）が刺激されて生じる頭痛です。
せっかくおいしいアイスを食べているときに
頭痛が生じると残念ですよね。
こんなときは、冷たいペットボトルをおでこに当てて
冷やすと良くなるそうですよ。
皆さん、覚えていたら試してみてくださいね。
