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便は体からのお便り…
 
どこかで聞いたことありますか?
 
その時に食べたものや体調などによって
 
便は硬くなったり柔らかくなったり
 
色も茶色だけでなく違う色になることもあります。
 
「黒っぽい便が出るんです。」
 
患者さんから言われることがあります。
 
 
 
 
 
鉄欠乏性貧血があって鉄剤を内服していると
 
便が黒くなることがありますが
 
病気で黒くなることがあります。
 

いつもとは違う色の便が出たとき

 

それは病気の症状かもしれません。

 

このことについてお伝えしたいなと思います。

 

 

 

 

 

 

黒い便が出る時は?


イカスミなどの黒い食品を食べたわけでもないのに

 

黒っぽい便が出た場合には

 

胃や十二指腸からの出血が起こっている可能性があります。

 

中でももっとも多いのは胃・十二指腸潰瘍からの出血と言われています。

 

 

 

 

胃・十二指腸潰瘍って?

胃では強力な酸である消化液(胃酸)が分泌されているため

 

胃や十二指腸は胃酸にさらされても

 

傷ついてしまわないように防御する仕組みをもっています。

 

ですが、何らかの原因でこの仕組みが崩れると

 

胃や十二指腸の壁に傷が付きやすくなります。

 

小さな傷ができても問題ないことが多いのですが

 

傷がどんどん深くなると胃・十二指腸潰瘍(かいよう)と呼ばれる病気になります。

 

 

 

 

原因は?

不規則な生活、アルコールの飲みすぎ、カフェインの取りすぎや

 

ストレスなどの他に、ピロリ菌感染や

 

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)という種類の痛み止めでも

 

原因となると言われています。

 

 

 

 

 

症状は?

みぞおち付近の痛み(心窩部痛:しんかぶつう)

心窩部痛と呼ばれるこの痛みは

 

潰瘍のできはじめから自覚症状として現れると言われています。

 

ですが、みぞおちのあたりには他にも色々な臓器があるため

 

心窩部痛があるからと言って

 

必ずしも胃・十二指腸潰瘍が原因とは限らないのでご注意ください。

 

 

 

 

 

 

潰瘍が進行して

 

胃や十二指腸の壁の血管が傷つくと出血が起こり

 

以下のような症状が見られます。

 

これらは命に関わることもある症状ですので

 

すみやかに受診をしてください。

 

黒色便

普段の便には血液はほとんど含まれていませんが

 

胃・十二指腸から出血すると

 

食べ物と一緒に血液は小腸、大腸を通って

 

便として排泄されます。

 

この場合、便の色は便に混じった血液に含まれる

 

ヘモグロビンが酸化されて黒っぽい色になります。

 

これが黒色便です。

 

見た目がコールタールに似ているので

 

タール便と呼ばれることもあります。

 

 

 

 

吐血

潰瘍がひどくなってたくさん出血すると

 

血液が短時間で胃の中にたまっていきます。

 

たまった血液の量が増えていくと気持ち悪くなってきて

 

胃の内容物と一緒に血液を嘔吐します。これが吐血です。

 

血液が酸化する間もなく吐いてしまうことが多いの

 

一般的に吐血は赤色〜赤黒色をしています。

 

 

 

 

治療は?

胃・十二指腸潰瘍は医療機関での治療が必要です。

 

治療の柱は酸分泌抑制薬による薬物治療ですが

 

潰瘍から出血している人では

 

内視鏡(胃カメラ)による止血処置が

 

必要になる場合があります。

 

また、胃・十二指腸潰瘍の原因の一つに

 

解熱鎮痛剤として使われるNSAIDsがあり

 

NSAIDsが原因と考えられる人では

 

可能な限りNSAIDsの内服を中止します。

 

 

 
 
便の色は食べた物の色にも影響されますが
 
黒っぽいものを食べた覚えがないのに
 

おなかが痛くて黒い便が出たときには

 

胃・十二指腸潰瘍から出血している可能性があります。

 

これらの病気以外にも黒い便が出ることがありますが

 

少なくとも黒い便が続く場合は要注意のサインと考えます。

 

いずれも進行すると命に関わることもある病気ですので

 

そのままガマンしたりせずに

 

早めに医療機関を受診なさってくださいね。

 

 

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