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ある日、患者さんがおっしゃいました。
「肩や太もものあたりに痛みやこわばりがあって、熱もあります。」
新型コロナやインフルエンザでも見られる
この症状ですが、そのような感染症でなかった場合
関節リウマチ、多発筋炎、血管炎などの
膠原病などを疑いますが、もしかしたら
リウマチ性多発筋痛症(PMR)かもしれません。
このことについてお伝えしたいなと思います。
リウマチ性多発筋痛症(PMR)は関節リウマチとは違う
関節リウマチとは異なり
激しい関節痛や骨の破壊はまれと言われています。
ですが、約半数に膝や手の関節の腫れや
痛みを伴う場合もあり
関節よりも筋肉の症状が強いのが特徴です。
50歳以上の方に多く発症し
男性より女性の方が患者さんが多いとされています。
PMRは疑わないと診断が付きにくい?
PMRは関節リウマチに比べると
頻度の少ない病気ですので
間違った診断名をつけられている場合があるそうです。
PMRは血液検査で炎症反応が陽性になりますが
そのほかの関節リウマチや他の膠原病で
検出される血液中の自己抗体が陰性であるので
原因不明の関節炎と
言われてしまうこともあるようです。
診断は?
いくつかの診断基準がありますがそのうちの1つ
Bird(バード)の診断基準(1979年)の一部をご紹介します。
①両側の肩の痛み、またはこわばり感
②発症2週間以内に症状が完成する
③発症後初めての赤沈値が40 mm/h以上
④1時間以上続く朝のこわばり
などです。
治療は?
PMRは少量のステロイドが
非常に有効とされています。
ステロイドと聞くと副作用が多くて怖い薬!?
と感じてしまうかもしれませんが
PMRには少量ステロイドが使われます。
通常、ステロイドを服用してから
1週間以内に症状がうそのようになくなります。
中には、翌日の朝から体が楽になる
患者さんもいらしゃいます。
ステロイドは、症状を見ながら服用量をゆっくり減らします。
PMRは早期に診断し
ステロイドを開始することが重要です。
全身の痛みやこわばりに悩んでおられる方は
そのままガマンせずに
かかりつけなどの医療機関にご相談くださいね。
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