ハチに刺されて命に関わることも
毎年、日本ではハチに刺されて
亡くなる方がいらっしゃいます。
変動がありますが、死亡者数は
おおむね20人を前後しているそうです。
亡くなってしまう原因は？
亡くなってしまう方のほとんどは
スズメバチやアシナガバチに刺された方ですが
ハチの毒が直接、心臓や脳に作用して
死に至るわけではありません。
刺された方の体がハチの毒に対して
「アナフィラキシー」いう過敏反応を起こして
この反応が重症になると
かなり命の危険が生じることになるのです。
アナフィラキシーの症状って？
アナフィラキシーの主な症状は
皮膚・粘膜症状、呼吸器症状や
循環器症状に大別されます。
アナフィラキシーで
ほとんどの人に起こるのは皮膚・粘膜症状です。
また、唇や舌などの粘膜が腫れてきます。
多くは数分以内に呼吸器症状、循環器症状の
少なくとも一つを合併します。
呼吸器症状は息が苦しくなり
呼吸がしにくくなります。
くしゃみ、咳や鼻水を伴うこともあります。
喘鳴（ぜいめい）といって、喘息発作の時のような
ゼーゼーという呼吸音が特徴です。
循環器症状は、脈が早くなり血圧が低下するので
それにより動悸（どうき）やめまいがしたり
立っていられなくなったり
進行すると意識が無くなったりします。
このような状態を
アナフィラキシーショックといいます。
ハチに刺されて亡くなる方は
刺されてから平均15分で
心臓や呼吸が止まると言われていますが
数分で死に至ることもあるそうです。
アナフィラキシーの原因は？
アナフィラキシーの原因となる物質は
ハチの毒以外にも
ソバやピーナッツなどの食物
抗生物質や解熱鎮痛薬などの医薬品
ゴム製品などの日用品とさまざまです。
アナフィラキシーは誰にでも起こるものではなく
人によって原因となる物質が異なっています。
アナフィラキシーで命を落とさないために
もし、アナフィラキシーになってしまったら
まず、ためらわずに119番通報をして
救急車を呼んでください。
救急車が来るまでは
仰向けになって寝ているのが一番効果的です。
足の下に枕などを入れて
足を高くすると楽になることがありますが
急に起き上がったり
立ち上がったりするのは危険なので避けてください。
ハチによるアナフィラキシーを
起こしたことがある方は
ハチに刺されないようにしてください。
どうしても近づく必要があるときは
皮膚の露出をできるだけ控え
刺されないよう工夫するようにしてくださいね。
