おしっこのことでお悩みの方は
案外多くいらっしゃるんじゃないかな?と感じています。
多くの方が大っぴらにはお話しされないだけで
ひそかにお悩みだったりするのかも?と思っています。
このことについてお伝えしたいなと思います。
腹圧性尿失禁って?
女性によくみられる尿漏れの原因の1つと言われています。
おなかに力が入ったときに尿もれしてしまう病気です。
女性の正常な身体では
おなかに強い力(腹圧)がかかった場合
骨盤底筋という筋肉が膀胱と尿道を支えることで
尿道が締まり、尿が漏れるのを防いでいます。
腹圧性尿失禁は
この骨盤底筋が弱くなったり傷んだりすることによって
尿道をうまく締められなくなり
尿漏れを起こす病気です。
過活動膀胱による切迫性尿失禁と
腹圧性尿失禁の両方の症状がみられる方もいます。
症状は?
- 咳をする、くしゃみをする、笑う
- 走る、テニスやゴルフなどのスポーツをする
- 重い物を持ち上げる
- 坂道や階段を昇り降りする
原因は?
骨盤底筋が弱くなったり傷んだりする原因の最も大きなものは
出産と言われています。
難産で骨盤底筋やその周りへの負担が長時間続いた場合や
多産で損傷の修復が間に合わないような場合は
特にその危険性が高まります。
また、加齢や、血液中の女性ホルモン濃度の低下
肥満などが、骨盤底筋の傷みの原因となります。
診断と治療は?
基本的には泌尿器科での詳しい検査になると思いますが
かかりつけがあれば
かかりつけの医療機関にご相談されると良いと思います。
腹圧性尿失禁以外の病気が隠れていないかの検査を
行うなどして
診断が付けば治療となります。
腹圧性尿失禁の治療の中心は、骨盤底筋体操です。
緩んでしまった骨盤底筋を鍛えて
臓器が下がるのを防ぎ
尿道や肛門を締める力やコントロールする力をつけることで
尿漏れを防ぐ方法です。
薬による治療では
尿道を引き締めるはたらきがある薬などを用います。
手術には、尿道を吊り上げる方法(尿道スリング手術)や
コラーゲンを注入して
尿道の筋肉を強くする方法などがあると言われています。
私は患者さんからご相談があって
腹圧性尿失禁が考えられる場合には
泌尿器科受診をオススメしつつ
骨盤底筋体操を早速始めてもらうように説明しています。
「おトイレのことが気になって、外出しても楽しめません。」
悩まれている患者さんがおっしゃることもあります。
排尿に関係した症状などで日常生活に支障がある場合
ガマンせずに1度医療機関を受診なさってくださいね。