地域の集会施設で老人が集まって童謡唱歌などを斉唱する催しの一つが2か月ぶりに行われた。
約1時間に4曲しか取り上げない緩慢な進行で、あまり好みではないのだが、暇な時に発声練習のつもりで参加するのも悪くない。
今日は
みかんの花咲く丘(加藤省吾/海沼實)
森の熊さん(アメリカ民謡)
星の界(星の世界とも。もと讃美歌「いつくしみ深き」)
椰子の実(藤村/寅二)
の4曲だった。
講師は、各曲を歌う前に全員に歌詞を音読させることにしている。当方は気が進まないので聞くだけにしている。
「椰子の実」で2番中“枝はなお影をやなせる”というところ、講師は、“やなせる”とは影になるという意味、、、と解説をしていた。
講師のメンツを潰すのも気の毒なので聞き流しておいた。
ところが、暫くして、再度歌詞に注意を喚起し、“やなせる”など難しい言い回しがあると講釈を繰り返した。
とんでも解釈を吹きこまれる純朴な方々の被害を黙って見過ごす能わず、遂に講師の勘違いを指摘した。彼女も、勉強になりましたと謙譲の美徳を発揮され、険悪な雰囲気にならなかったので、ホッとした。
実は2番の問題の個所の直前に“旧の樹は生いや茂れる”とあり、同じ言い回しなのだが、“茂”の一字があるため、“やしげれる”と読む失敗を免れている。
もう一つ、3番に、“ 激り落つ異郷の涙”とあるところ、皆さん“激り”の読みが解らない。講師然り。これは敢えて明言せず、斉唱する際に“たぎり”とさり気無く歌うにとどめた。
それにしても随分のんびりした講師さんだなあ。これで施設から謝金を頂けるとは羨ましい。のどかな日本に乾杯!