昨日、近所のバス停の一つで(一瞬)体験した不思議な出来事。
ひとつ前のバス停との間はほぼ直線で見通しが良く、当日は交通量も少なかったので、乗るバスの接近は明瞭に視認できた。
前停からの発車を見た後暫く目を離し、何気なく視線を戻したところ、バスが消えていた。
暑さの所為で脳に異常を来したのかと瞬間的に心配もした。しかし、いくら目を凝らしてもバスは見えない。路線バスが勝手にルートを逸れる筈がない。
呆然として前停を見遣ること十秒ほどか経ったところで、何とバスが地下から湧き出るように姿を現した。
事態の真相を理解するのに要した時間は恐らく1,2秒程度だろうと回想するが、その間の心の痺れは、超常現象の驚異に打たれたかの如く、いまも強い印象を残す。
己の住いする地域が起伏に富んでいることは頭に沁み込んでいるが、バス路線のイメージは平坦である。バスの“高度”が車体を視界から外すほどに変化することは普段意識しない。
数十年生きて来て、この世の驚異を体感でき、感激した。世界中の絶景や世界遺産などを巡らなくとも“驚異”は身近に見ることもできるのだなあ。