島崎藤村の小説に「桜の実の熟する時」というのがあり、彼の経歴に於いてかなり重要な存在である
らしい。その割には、当方は最近まで知らなかった。「破戒」など、読んだことは無くても標題ぐらいは知
っていた。歌曲の歌詞の作者としての藤村からは多大の恩恵を被っている。
その読んだことも無く、最近まで知らなかった「桜の実の熟する時」が気になるのは、「さくらんぼの実る
頃」という邦題のシャンソンがあるからだ。とてもよく似ている。
小説の方は雑誌『文章世界』の 1913.1~1913.2 に「桜の実」の題で載り、以後中断していたのを「桜の実の熟する時」と改題して 1914.5~1918.1 に掲載したとのことだ。 この間、彼はフランスに3年滞在している(1913.5 渡仏 1916.7 帰国)。
一方、シャンソン「さくらんぼの実る頃」は原題 Le Temps des cerises直訳すれば「サクランボの季節」で、
作詩1866年、歌曲発表1868年、有名になったのは1875年前後からだという。日本に伝わったの
はいつの頃だろうか。
ウィキペディアによれば≪邦題には「桜んぼの実る頃」または「さくらんぼの季節」、「桜の花咲くとき」な
どがあり、日本でも古くから親しまれている≫とのことだが。
藤村はシャンソン“Le Temps des cerises”あるいは邦訳「桜んぼの実る頃」などを知っていただろうか。
因みに、藤村は音楽にも大いに関心があり、歌ったり、楽器を弾いたりしていたことが知られている(明治の音楽会~島崎藤村~ヴァイオリン 2015-02-01 22:47:58)。
独語: 投稿文の改行が滅茶苦茶になる。何が狂っているのだろう。