episode#3

石洋ハウスの青柳は部下たちと天井の低いトンネルを歩いている。

 

青柳は社長の安倍川との会話を思い出している。

安倍川は

「例の大井町の代わりの物件は?」

「今回の損失は会社にとってたいしたことではない。重要なのはおまえが失敗したことだ」

「そろそろ会長には引退してもらわないといけない。そのために代わりの土地を必ず探せ」

と。青柳にプレッシャーを掛けているのか…。

 

天井の低いトンネルは、タクシーの屋根に掲げられた表示灯「提灯」が天井にあたり、壊れたことからに由来する。

部下たちは、その由来も、このトンネルが再開発で壊されることも知らない。

青柳は知っている。

 

そして、例の高輪の土地に着いた。

青柳が部下がこの土地のことを報告しなかったことに憤っている。

部下に尋ねると、所有者が売りたがっていないのでリストから外したと返答した。

 

土地がどうしても必要な青柳と地面師たちは、どのように近づいていくのか…

 

以下、ネタバレとなります。

 

<ハリソンルーム(地面師たちの秘密基地)>

それぞれの状況報告

・拓海

「川合菜摘は毎週木曜日にホテルにホストを連れ込んで複数プレイを楽しんでいます。」

先日の潜入の際の川合菜摘のプレイ映像をメンバーと見ている。

複数のホストのうち、一人だけプレイに加わっていなかったホストが・・・

店のNO1ホストの楓。川合の太客だ。

拓海は、彼を利用して川合菜摘を外に連れ出そうと考えるが、まだその方法が見つかっていない。

 

・麗子

住職になりすますキャストたちを部屋に集めている。

が、ハリソンも拓海もピンとこない。

麗子は憤る。「これで20人?30人?いい加減ネタ切れ…」

ハリソンが麗子を遮り、「聞えませんでしたか?お帰り頂いてください」と冷静沈着に麗子に指示を出す。

しかし、麗子は逆ギレしハリソンに食ってかかる。

後藤に「なりすましは俺らの生命線や」となだめられるが、

「これ以上無理だって」と納得いかない様子で退出する。

 

・竹下

取り分を30億にしろ!と急に切れ始める。

「納得いかねぇんだよ!」

竹下はハリソンに掴みかかるが、後藤になだめられ

「これ、ルイ・ヴィトン。ルイヴィトーン!!!」と言って退出する

「あかんな。あれはシャブどころではないわ」と後藤があきれる。

 

・麗子

戻ってきた麗子にハリソンが

「引き続きなりすましのキャスティングを進めてください。今回重要なのは川合本人に似ているということではなく、尼僧になりきれる度胸と相手を納得させる品性です。」と穏やかに、しかし、静かな威圧感を醸しながら指示をする。

「わかっているけど、そんな人なかなか…」

と、麗子の反論を途中で遮り、ハリソンが冷静沈着に「進めてください。決して急ぎはしませんから」と。

ハリソンの静かな威圧感が半端ない。「決して急ぎはしませんから」がまた怖い。

麗子はとうとう承諾する。しかない…

 

・後藤

いくつかのブローカーから土地の情報を出しているが、つりばりがでかすぎるのかなかなか…」と、

だが、昔、つきあっていた地上げ屋の林から、石洋ハウスの青柳が土地を探しているという面白そうなネタを伝える。

「まあしかしあかんやろな。大手になればなるほど、社内の審査はきついし、責任者のハンコ押しているだけで1年かかるで」

と、後藤と麗子の諦めムードに対して、ハリソンは、

「面白いですね。ターゲットは大きければ大きいほど狙いやすい。大きい餌には大きい獲物がかかってきます。石洋ハウス、ターゲットに相応しいではないですか」と。

方針は決まったと知った拓海は、川合菜摘を外に連れ出すため、ホストの楓をどうするかを考えているようだ。

 

<警視庁捜査二課>

倉持「恐らく、この井上は、辻本拓海の偽名です。」

辻本拓海の父が正海で、不動産会社を経営していたが、不動産詐欺に遭い経営難になり、それを苦にして焼身自殺とその時一緒にいた妻・拓海の妻・拓海の子が犠牲となり、正海は生き残った。

 

<ニンベン師&ハッカー長井の家>

拓海が相談を持ち掛ける。

「ホストになりたいんだけど、特殊メイクできる?」

長井は特殊メイクもできるのか…

 

<楓のホストクラブ>

頬にケロイド状の傷を負った拓海(辻沢建朗)がホストクラブの面接に来ている。

「楓さんに憧れて、死ぬまでに一度くらい楓さんみたいな世界にいたいと思ったんです」と。

その時、楓が現れて、

「キモ、なにその顔!」

「いいんじゃない!どうみても人生終わってんじゃん。そんな奴がなんでもするって言ってんだから、よく働くぜ。キッチンでも便所掃除でも人前に出さなければいいじゃん。」

「ケロって呼んでいい?それ、ケロイドって言うんでしょ」

と、拓海はなんとか楓のおかげで採用された。

 

<千葉警察署>

辰と倉持が拓海の父:正海に面会している。

正海が不動産詐欺の被害に遭った経緯を話し始める。

営業担当だった拓海が連れてきた西谷という不動産仲介業の男が、好物件を紹介してきた。

好物件を小さな不動産屋に紹介するのか疑問に思いながら、

売主が大手が嫌いということや、息子の拓海が持ってきた案件ということがあり、契約してしまったとのことだった。

「全部、お前が悪い!死んでもあいつを見つけ出す!」と泣きながら拓海を責める父正海。

借金に追い詰められて焼身自殺を図ったが、妻や息子の嫁・孫を殺してしまったことを悔やんでいる。

正海が投函した手紙が拓海に届いていない。拓海の居場所を知らないかと辰が尋ねると

「拓海は何をしているんですか?」と。

 

倉持は「復讐ですかね…」と、拓海が地面師になったことの理由に思いをはせる。

 

<ホストクラブ>

営業が終わり、拓海は楓に「代行頼むのめんどいから、送って行って」と運転を頼まれる。

「まじうぜーばばあ」とイライラする楓は、誰かに電話をかけ「今日どう?いいのいる?まじで!」と、ラブホに入っていく。

拓海がラブホの外で車を停めて待っていると、元締め風の男が、少女3人を連れてラブホに入り、楓に引き合わせる。

「じゃ、脱いで」と楓。

男は、ラブホを出て、「じゃこれから事務所に戻ります」と移動するが、拓海が尾行する。

男の事務所を突き止めた拓海はオロチに業務内容を調査してもらい、ロリコンの売春斡旋業者だということがわかる。

 

すっかり上機嫌になった楓が「つか さー、なんでやけどしたの?」「よくその顔を生きていられるね」と心ない言葉を投げかける。

 

<自宅に戻った拓海>

自分の顔のケロイドを見て、家族の命を奪った火事の事を思い出す。

そして、吐き気に見舞われ、頬の特殊メイクを破りとった。

 

<後藤と林>

後藤が林に相談を持ち掛ける。高輪の3200㎡の物件があって持て余している。石洋ハウスに話を持っていきたいがどう思うかと。持ち主は早く売りたがっている。

林は、「土地が広すぎて、どこも社内審査やら決済やらで1年はかかるんじゃないですか?でも石洋は、社長案件に持っていけば、早々に決まるかもしれませんねぇ」と。

林は石洋ハウスの内部事情に詳しい。

石洋ハウスは、会長和田島派と、社長安倍川派と分かれていて、安倍川は和田島を追い出して次期会長を狙っている。安倍川は海外に居ることが多く、国内案件は安倍川に一任されている。林に相談を持ち掛けた青柳は社長派。青柳を利用して社長決裁に持ち込めば、いけるかもしれない。

 

だが一つ問題がある。再大手の1つの石洋ハウスが得たいの知れないブローカーと取引する訳がない。マイクホームズのように簡単に騙されない。「マイクホームズの件、あんたらでしょ?」と。

 

この問題を解決する方法は、大手の石洋ハウスが信用するような仲介業者に取引をさせること。その仲介業者を紹介するから紹介料を欲しい。「ハリソンによろしくお伝えください」

 

 <石洋ハウス>

社内会議で、青柳がライバル須永に責められる。「諦めろ。土地の話だけじゃなくて、出世だよ。」

青柳キレて部下を急かせる。

 

<ハリソンルーム>

後藤がハリソンに林の提案を報告。ハリソンは快諾。「3000万払いましょう」

アビルホールディングスは石洋ハウスとは取引がないが、相談役に自民党議員の妻がいるため、石洋のような大手も信用する。抜け目がない。

 

拓海と後藤が川合菜摘の資産管理人

高輪の3200㎡の土地をアビルホールディングスに100億で売り、

石洋ハウスに114億程度で買わせる。

契約が大詰めにきたら所有者の川合菜摘には1度だけ会わせる。

その日、本物の川合菜摘を外に連れ出す(楓を使って)。

 

キャスティング担当の麗子は、ストックが底をつき、熱海の温泉旅館でなりすまし候補を物色中。

後藤はアビルホールディングスに接触開始。

拓海は楓を使って川合菜摘を東京から離れた場所に連れ出す。

 

計画は進み始めた。

 

<ホストクラブ>

「ケロ、おまえも真面目に頑張ってれば、いつか俺みたいに…なれるわけないか!(笑)」

川合菜摘が来店。サロンマグナムを入れる。

 

そして…

営業後、楓と川合菜摘、拓海がホテルの一室に。

「え、どうして2人だと思ったのに」

「うちの元気な若いやつとやっている菜摘も好きなんだけど、もっと包み込むような優しい菜摘がこいつとだったら見れるんじゃないかなと思って。前も言ったじゃん。俺が菜摘を抱くのは、最高に気持ちが高まった時だって」

「次は2人で会ってくれる?」

「もちろん。じゃ、はじめよっか」

 

<熱海の旅館>

三角巾を深くかぶりすぎていることを注意される掃除婦。

三角巾を取ると、髪が抜け落ちていて、目鼻立ちが住職に似ている。

麗子がピンときた。

 

<林の会社>

後藤がアビルホールディングス社長の阿比留と会っている。

アビルホールディングスの取り分は10億で合意。

阿比留社長が去ったあと、林に紹介料3000万を渡す。

 

・・・連絡を受け取ったと思われるハリソンが誰かに電話…

 

<拓海と楓>

拓海に金を渡す楓。

「歌舞伎町行って。ババアとバケモンのセックス見せられて気分悪いんだよ。口直ししなきゃやってられねぇんだよ」

どこかに電話して、ホテルに入っていった。

拓海は車の中で、「今、入りました」と誰かに電話し、頬の特殊メイクをとった。

 

<林の会社>

冷蔵庫に3000万が入っている。その冷蔵庫からビールを取り出す。

すると、電話が鳴る。「ご無沙汰しております。林さん。」

「やっぱりアンタだったか」。と電話の相手はハリソンだった。

「俺はなんにも知らずに紹介しただけだからな」と林が言うと、ハリソンは「ええ。なにも知らないままお休みください。」

電話を切ると、作業着を着た男たちが突然入ってきて、林の首を絞め・・・

 

<歌舞伎町>

一方、オロチが子分を従えて、ホテルに踏み込む。

楓の部屋に入り、楓を殴る蹴るで倒れているところに、拓海が現れる。

「大丈夫ですよ。このことはどこにも漏らしませんから、その代わりお願いしたいことがありまして」(ハリソン風)怖い。

 

ーーー

恐ろしい展開になり次の段階に進んだ。

 

ー感想ー

ハリソンと拓海の冷静沈着さは、師匠と弟子だからか。その凄みも似ているが、ハリソンの方が数倍恐ろしい。大きな獲物を狙って、地面師たちそれぞれの準備が今までのように順調に進まず、苛立ちがつのり、チームに不協和音が漂い始める。一番危ないのは竹下だ。竹下の「ルイヴィトーン」は、北村一輝さんのアドリブだそう。壊れている竹下、本物にしか見えない。

林は殺されてしまった。ハリソンの指示か?ep1で所有者のなりすましの佐々木さんがひき殺されたし…ハリソンが好きな「死人がゴロゴロでるような大きな山」ということは、これから更に過激になるのか…本当にハラハラドキドキで次回が楽しみでしかありません。

 

 

  「地面師たち」のネタバレと感想などの目次

各エピソードのページをまとめました。

  主な登場人物

新庄耕の小説が原作。Netflixの配信ドラマ。

土地の所有者になりすまして多額の代金をだまし取る不動産詐欺を行うには、各分野で専門技術を持った地面師がチームで活動する。「地面師」。2017年に実際に起きた被害額約55億円に上る「積水ハウス地面師詐欺事件」をモデルとしている。

 

主な登場人物

【地面師グループ】

・辻本 拓海(綾野剛)ーハリソン山中の腹心的な役割

・ハリソン 山中(豊川悦司)ー地面師集団のリーダー

・後藤 義雄(ピエール瀧)ー元司法書士、法務担当。ブローカーとの交渉役

・稲葉 麗子(小池栄子)ー都市所有者のなりすまし人物を手配するキャスティング担当

・竹下(北村一輝)ー物件・所有者のリサーチ担当

・長井(染谷将太)ー証明書類を偽造するニンベン師

 

【警察】

・警視庁捜査二課:下村 辰夫(リリー・フランキー)

・新人刑事:倉持 玲(池田エライザ)

・辰の上司:羽場(岩谷健司)