episode#6
最終取引の前日は、拓海の妻と子の命日だった。
拓海は家族の思い出の地、伊豆の稲取に墓参りに来ていた。
そこに警視庁捜査二課の倉持が現れた。
「あなたは地面師です」
「なにを言っているのかちょっと」
と顔色も変えず去る拓海。
「地面師詐欺が原因で家族を亡くしたのに、なぜあなたはその犯人と同じ地面師になったんですか?復讐ですか?」
と矢継ぎ早に質問を投げかけるが、拓海は動じずに車へと向かう。
しかし、
「お父さんに会ってきました。息子が犯罪に加担しているようなら止めて欲しいと泣きながら言っていましたよ」
と拓海の腕を掴み訴えた倉持。
この言葉に拓海は顔色を変え、倉持の手を乱暴に振り払い、
「どの口がっ!」と怒りに任せて言葉を吐き、車を走らせる。
倉持が車の前に飛び出し、車と衝突する。
拓海は狼狽して車を降りて倉持の様子を見る。
倉持にケガはなかった。
「引き返すなら今ですよ。これ以上、先に行くと、あなたも誰かを地獄に叩き落とすことになりますよ」
その言葉に一瞬はっという感じを見せるも、
しかし、
拓海は車に引き返し、去っていった。
倉持は拓海の車にGPSをセットしたようだ。
警察が地面師チームに迫ってきた。
さらに、難題が・・・ここまでか…
以下、ネタバレです。
<ハリソンルーム>
部屋には深刻な雰囲気が漂う。麗子、後藤そしてハリソン。
なりすまし役の谷口が、息子が亡くなったために駄目になったと。
契約条件になっている所有者の本人確認ができない。
今から手配することは不可能に近い。
麗子を責める後藤と、後藤に逆ギレする麗子。
「とりあえず考えましょう」と拓海。
だが、代替案はない。
「リスケすることはできない?といっても代わりが見つかる保証はないんだけど…」
「だったら、おまえがやれ!」と
また後藤と麗子の口撃がスタートした。
今まで静観していたハリソンが突然口を開く。
「そうですね。それしか方法はないでしょうね」と。
???
「麗子さん、あなたが川合菜摘のなりすましになってください」
今から準備は無理、顔が似てない、髪は剃りたくないと
必死にできない言い訳をする麗子。
なによりもなりすまし役は真っ先に逮捕される危険がある
「なりすましは生贄みたいなもんやからな」と後藤。
またまた麗子がキレる。
「ふざけんなよ。殺すよ。マジで」
突然、ハリソンが、麗子の髪を掴んで持ち上げ、
「殺す?あなたの悪い口癖です。その言葉を聞くたびにその想像力のなさに苦しい気持ちになっていました。麗子さん、あなたは実際に人を殺したことがあるんですか?」
ハリソンは更に髪を引きちぎるように手に力を入れる。ギリギリと・・・
「やっていただけるならボーナスにギャラに1億足しましょう。それでも断るとおっしゃるなら…」
拓海と後藤は固唾を飲んで見つめている。
「やります・・・」
ハリソンが指を離し、手を振ると、床に麗子の長い髪が数束落ちた。
後藤の知り合いの床屋へ剃髪に向かう三人。
倉持が現れ、拓海の車のGPSを確認する
ー翌日ー
川合菜摘は予定通りに出発し、羽田空港で楓と落ち合う。
沖縄に到着する二人。
現地の案内役が楓を呼び止める。そして、
「東京から電話があって、人目につかないところでこれを渡せと言われて」と。
楓と現地の案内役は、待合席に川合菜摘を残し、トイレに入った。
現地の案内役は、なんと竹下だった。
(なぜここに竹下が・・・)
トイレに入った二人。楓は全く警戒していない。
突然、竹下が楓に襲い掛かり…竹下の息が絶えた…
返り血を洗い濡れたTシャツを着た竹下が、川合菜摘の元に来て、
写真を見せる。楓の姿だ。
竹下の言う通りに行動しないと同じような目に遭わせるぞと脅しをかけ、羽田行きの航空券を菜摘に渡し、搭乗口へと急がせた。
恐怖に慄いて慌てて搭乗口へと向かう菜摘。
竹下がそれを見届けて振り返ると、男がいた。
<ホテル>
スイートルームで尼僧姿の麗子と拓海が質疑応答の練習をしている。
生年月日、干支、住所、よく行くスーパー・・・通常の質問はOK。
「光庵寺の創建された年は何年ですか?」
「創建?なにそれ」
「こちらも覚えておいてください」
「仏像?」
ハリソンから拓海に着信が入る。
「拓海さん、想定外の問題が起きました。川合菜摘が東京に戻りました」
え?!どゆこと?
羽田に12時10分着、そのままタクシーで光庵寺に向かうと12時50分に到着してしまう。
ちょうど石洋ハウスと現地確認をしている最中。鉢合わせの可能性がある。
「説明している時間はありません。とにかく12時45分までに済ませてください」と。
拓海が後藤と麗子に事情を伝える。
一同、驚愕
<沖縄>
竹下の背後にいた男は、ハリソンだった。
ハリソンは竹下をボコボコにして海沿いの廃墟に拉致する。
「最初から殺すつもりだったのだろ?だから計画をぶっつぶしてやるつもりだった。このままシャブのオーバードーズで殺すんだろうが」
「確かにこの登山計画の途中であなたを下山してもらうことを決めた。オーバードーズ?そんな誰もが思いつく安っぽい殺し方はあなたには似合いません。裏切りの代償としても対価に合わない。最もフィジカルで 最もプリミティブで そして 最もフェティッシュなやり方でいかせていただきます」
そして‥‥(すごいことが起こりました。だからウェスタンブーツを履いていたんですね…)
<ホテル>
11:45 石洋ハウスのメンバーが到着。
いよいよ始まる。
羽田にはオロチに待機してもらい、いざの時には川合菜摘の足止めをしてもらう。
石洋ハウスの司法書士により、川合菜摘(麗子)の本人確認が開始された。
運転免許証、パスポート、生年月日、干支、住所、本籍・・・
オロチから着信
「予定より早く着いたみたいで。さらっちゃいます?」
「お願いします」
お寺の名前、何代目か?
麗子「にじゅう・・・」
オロチから着信
「逃げられました!タクシーですぐに追います」「はい」
麗子「21代目です」
「光庵寺が創建された年はいつですか?」
「はい?」
「川合様、お寺が建てられた年です」
麗子「江戸時代の・・・・」
後藤が助け舟を出す。「この法律事務所いつできたか知ってますか?石洋ハウスいつできたか知ってますか?もうええでしょ。こんなに大勢の人間に囲まれて、しかも体調悪いんやから…答えられるもんも答えられませんよ。青柳さんそろそろええでしょ。」と、終了を迫る。
部下や司法書士は自分の会社の創立年がわからないらしい…
しかし、
「1963年10月です。石洋ハウスの前身の会社が創業された年です」と青柳が答えた。
「規則ですので、川合様お答えください」と。
「1636年寛永13年です」咳き込む。
そして一同、お寺へ移動。
オロチから着信
「今、高速ですが渋滞でしばらく動きそうもありません」
<お寺隣接の駐車場>
12:25
石洋ハウスが川合菜摘(麗子)に建設後のイメージを説明している
オロチから着信
「拓海さん、やばいっす。高速おりました。下は空いてます。いけよ。早く!。う、うわー」
運転手を急かせすぎて、タクシーは事故る。
<沖縄>
ハリソンと沖縄の手下が廃墟から出てくる。
廃墟が爆発!!!!
最終話へ
ー感想ー
え、ここで6話終了?と、続きをすぐにでも観たい衝動が抑えられないところです。どうする?本物がお寺に到着してしまいます。
竹下の想定外の行動から、想定外の事態を収拾するためにオロチが出動するも収まらず。そのため、即席のなりすまし役(麗子)の想定問答への拓海のフォローが行き届かず…。後藤がフォローを入れるも、青柳はできる会社員でなかなか後藤の言いなりにはならない。。。どうする?拓海!!!!
それにしても、ハリソン怖すぎです。ウェスタンブーツであんなにしなくても・・・映像すごいです。。。
「地面師たち」のネタバレと感想などの目次
各エピソードのページをまとめました。
主な登場人物
新庄耕の小説が原作。Netflixの配信ドラマ。
土地の所有者になりすまして多額の代金をだまし取る不動産詐欺を行うには、各分野で専門技術を持った地面師がチームで活動する。「地面師」。2017年に実際に起きた被害額約55億円に上る「積水ハウス地面師詐欺事件」をモデルとしている。
主な登場人物
【地面師グループ】
・辻本 拓海(綾野剛)ーハリソン山中の腹心的な役割
・ハリソン 山中(豊川悦司)ー地面師集団のリーダー
・後藤 義雄(ピエール瀧)ー元司法書士、法務担当。ブローカーとの交渉役
・稲葉 麗子(小池栄子)ー都市所有者のなりすまし人物を手配するキャスティング担当
・竹下(北村一輝)ー物件・所有者のリサーチ担当
・長井(染谷将太)ー証明書類を偽造するニンベン師
【警察】
・警視庁捜査二課:下村 辰夫(リリー・フランキー)
・新人刑事:倉持 玲(池田エライザ)
・辰の上司:羽場(岩谷健司)
【石洋ハウス】
・青柳 隆史(山本耕史)ー開発事業部部長
・須永(松尾諭)ー商業事業部部長。青柳のライバル。
・安倍川 久雄(谷川昭一朗)ー石洋ハウス社長
・和田島 努(本田清澄)ー石洋ハウス会長
【主な登場人物】
・光庵寺住職 川井 菜摘(松岡依都美)ー土地所有者
・阿比留 剛(安井順平)ーABIRUホールディングス社長
・楓(吉村界人)ーCRAZY LOVEのホスト。川合菜摘は太客