夢釣り行脚・南部パタゴニアの秋・その18
静かに水面に落として、すこし漂わせておいたフライをトラウトが小さな波紋で食った。すかさず軽いアワセ。おっと、思ったより重い、と感じた瞬間に、ドッパーンと跳ねた。おぉ、かなりデカい!
ガジェゴス・チッコ川の美しい野生
頑丈フックを使っている強みを生かして、やや強引に浮かせ、水草への突っ込みを避ける。ティペットは、4X(5ポンド・テストくらい)にしてあるから、まずまずの強度もある。何とか、浮かせた。ランディングできた個体は、ロクマルに近い♂。
よっしゃ、課題はクリアー!
午後の4時ころ、前回3尾がテイリングしていたポイントに到着。一つ減っていたけど、今日も2尾の尾っぽが水面で、ひらを打っている。フライをニンフに交換し、大きめの尾っぽのヤツを狙う。今日も風が強めだから、背をかがめて這うように進み、なるべく近くまで寄る。気配を感じたのか、テイリングが消えた。いや、まだそれほど驚かせてないはず。
ガジェゴス・チッコ川の景観
座って数分も待っていたら、再び尾ビレが水面からでた。チャ~ンス! 風で位置がブレないよう、ラインをなるべく低くフォルスして、強めにフォールしてキャスト。自分でも信じられないような好位置にニンフが落ちた。ガストンも、後ろで“Wau!”とつぶやいた。2回ほどリトリーブしたとこで、水面が渦き、同時にピシっと合わせる。
乗った。そしてお決まりのジャンプ一閃。ゴーマルくらいの♀であることを視認した。しかし、またしても水草に絡まった。そして、また残念、フックが外れた。でも、まあ、今日はこれでいい。
続く
夢釣り行脚・南部パタゴニアの秋・その17
この日、コイレ・スル川でゲットしたパタゴニア・ブルックは、合計で3♂+1♀だった。すべてリリースしたけど、サイズは、1~1.5キロくらい。まあ、上々の戦果と言ってよい。夢を追い続けて、よかった良かった。
♂のブルック・トラウト
午後の6時半ころに川から上がり、帰途につく。リオ・ガジェゴス市まで約100キロの距離がある。夕刻の市内で、酒屋さんに寄ってもらった。店には、洒落た肴も置いてあったので、生ハムを少しスライスしてもらって、アスパラの瓶詰、そして缶ビールを買う。今晩はホテルの部屋で一人で夢だったブルック・フィッシングに祝杯だ。
ワイルド・ブルックを釣った記念に一人で酒を飲む
さて翌日。再度、ガジェゴス・チッコ川に入る。前回は大きなブラウンを掛けたけど、ランディングできなかった課題が残っていた。これを、今度はちゃんとこなさねばならない。川に入ったのは、午前10時過ぎ。午前中は、ドライにチェイスあったけど、フッキングできなかった。昼過ぎに、ガストンが魚影を確認。今日は、自分でタイイングした#10番フックのドライフライにした。
良型の河川ブラウンをゲットしたGHS
テールは、シングー河畔の民家庭で拾ったホロホロチョウ、ボディはEVAの細巻きに黒フロスのリブ、ウィングはオリーブCCD,ハックルはブラウン・グリズリーのパラシュート。グランデ・ハマー・スペシャル(GHS)と命名した。前回、バラした原因には、フックが小さすぎたから、という気がしていたけど、今度はだいぶ頑丈だ。
続く
夢釣り行脚・南部パタゴニアの秋・その16
今回の釣行で始めての快事、一投目からアタリがでた。試しに近いとこに投げ、引いてきたら、水面近くでチェイス。フッキングしなかったけど、流石はセグレード・ゾンカーだ。ここのブルックは、それほどスレてない、と言うより、南部パタゴニアがスレてない釣り場だろうから、こんな遠い、こんな辺鄙な、こんなに金がかかる、という努力を惜しまなかったんだよね。
ブルックがきたぜ
たぶん同じ個体が、2投目で食った。ちゃんとアワセをくれると、水底に向かって走った。この河川も水草が繁茂しているんだけど、ガジェゴス・チッコ川よりも深い。強めにロッドをためて、水草に頭を突っ込むのを避けるのが難しくなかった。無事にランディング。下顎が少し曲がった♂、大きさは1.5キロくらい。そして、素晴らしく美しい。
美しいパタゴニアの宝石
自然産卵もの、あくまで野生で育ったブルックは、実に不思議な模様とカラーが組み合わさった姿態を呈している。背中は虫食いの淡いスポット、腹は広くオレンジ色、側面は淡い抹茶色の基色にスポット、そのスポットは2種類あって、一つは黄色っぽいポルカドット(雨雫)的なスポット、もう一つはバイカラー・オセリー(二色式の眼状模様)なスポットである。後者は、燐光ブルーの外縁に真ん中がレッドという超がつく美斑。
続く
夢釣り行脚・南部パタゴニアの秋・その15
これからの未定予定の一つに、サンタ・クルス川の河口部という案があった。2月になると、大西洋からスチールヘッド(降海型のレインボウ)が遡上を始める。ガストンは前日から現地ガイドたちと情報通信をしていたけど、残念ながら今日のそっちは大雨になっているという。そこで、スチールをあきらめて、予定変更。リオ・ガジェゴス市に戻る途中で、コイレ・スル川に寄って遊ぶことに決めた。
カフェテリアの飛んでるネーちゃんとツーショットも忘れない(笑)
コイレ川は、ノルテ(北)とスル(南)の2つに分かれている。ノルテの上流にピルケ川ってのがあって、フィッシング・ロッジもある。面白いことに、コイレ川のノルテはほとんどブラウン生息河川で、スルはほとんどブルックが占有している。
コイレ川
昔むかしのこと、オレがまだ極東島の釣り雑誌「タックル・ボックス」に連載をもってたころ、所用で帰国したときに、同誌スタッフから取材同行のお誘いがあった。特別解禁日に、湯川でブルックを釣りに行こうという企画だった。もともと渓流から釣りに入ったオレ、湯川は憧れの河川でもあったから、一も二もなく了承した。しかぁ~っし、この釣行は、まったく失望したと言わざるを得ない。当時の湯川のブルックは、まるまま放流ブツの白ボケ・ボロマスだったからだ。こんなブルックだったら、釣りたくもな~い。本来の本種は、数あるサケマス類の中にあって、もっとも美しいイワナの一つだったはずである。極東島でのフラストレーションは、たいへんに大きく、いつの日かホンモノを釣るんだという思いが残ってしまった。今日はそれを晴らしに行くぜ。
コイレ・スル川のFF
コイレ・スル川は、先日のガジェゴス・チッコ川と同様にスプリング・クリーク系の小河川である。河川敷を走って、ガストンお奨めのポイントに到着した。ロッドは、8フィート#4番、ラインはWF5Fで、ガストンはライン先端に2mほどのシンキング・ラインを結んだ。そして、フフフと笑った。
ガストンのセグレードを公開(笑)。
ティペットに結んだのは、彼のセグレード(秘密)・ゾンカーで、このパターンを他言してもらっちゃ困るぜと、吐いた。
続く
夢釣り行脚・南部パタゴニアの秋・その14
翌日、雨の降る中ちょっと釣りしたけど、早めに終了にした。けっこう疲れも溜まってきていたんで、午後は休養に充てる。昼飯ときに、アルゼンチンの赤ワインをラッパ飲みにして爆睡(笑)。
ワインのラッパ飲み
ちょっとだけ氷河について記してみよう。蒸発した海の水が、雨でなくて雪になり氷になると、陸地へ水分が取り込まれるので、その分の水分が海に戻らない。氷期に海面が下がるのは、アタリマエ。これを「海退」(かいたい)と言う。山岳に厚く取り込まれた氷は、自身の重さや重力で谷間を滑るように動く。これが氷の河、すなわち氷河である。テラ(地球)には、過去数回の氷河期があったけど、一番新しいのが、新生代第四紀のアイス・エイジである。この時代には、ちょっと緯度が低いとこには、無数の氷河があった。現在のテラは暖かくなりつつあるから、多くの氷河が溶けて、湖沼を形成した。それが氷河湖である。
ロッカ湖は、氷河国立公園内にある。
翌朝、ロッジを出発。今日はまず観光気分である。エル・カラファテ市近郊には、世界的に有名な観光スポットがある。今でも塑性流動(すなわち動いている)をしている、テラ(地球)上に数少なくなったグラシアル(氷河)である。その名は、ペリット・モレノ。
ペリット・モレーノ氷河
はっきり言って、オレはほとんど観光地に疎遠だけど、南米に行ったら一回は訪問してもいいだろう場所が確かに2つある。一つは、イグアス大瀑布、もう一つがここペリット・モレノ氷河だ。
クロワッサンは似合わない
氷河観光の後、エル・カラファテ市に寄って、軽くカフェにする。氷河の冷気を熱いコーヒーで覚ますという趣向。市内に洒落たカフェテリア・バーがあって、そこでオレに似合わない(笑)クロワッサンなんか食いながら、ガストンとミーティング。
続く
夢釣り行脚・南部パタゴニアの秋・その13
ロッカの湖畔には、カバニャン(コテージ)式のロッジ・インフラがある。ロッジに入り、ガスの暖炉に火をつけて、裏を流れている谷の細流に飲み物を沈めておく。
小沢で飲み物を冷やす
それからフィッシング支度に入る。まずは、ウェーダーの消毒である。ここでは、レギュラーとして義務つけられている。サケマス類の致死症状となる冷水病持ち込みの予防だ。
ウェーダーの消毒
それから細流に沿って、湖岸に降りる。パタゴニアにある湖沼では、河川流入部から左右50mの岸での陸っぱりは、通常禁止がレギュラーだ。左岸に沿って歩いてから立ちこんでフライをキャスト。しかし、反応なし。とりあえず魚の顔を見たいので、午後はルアーもやることにした。車で少し移動し、岸辺に降りて、キャストしながら歩いていく。牧場の柵の有刺鉄線が、湖面に下っている付近で、水面にライズ波紋がでた。こういうのを逃しちゃいけない。すかさず、スピナーを飛ばすと白い魚体がヒット。しかし、軽い、小さい。極東の島々で言うところの“尺”級である。でも、一応はレイクだった。もう一匹、同じくらいのが連続ヒットした。とりあえず念願の顔をみた。
いちおうレイクをゲット
オレのフライ・タックルでやっていたガストンが、柵のきわの底でアタリをとった。オレンジのゾンカー・ニンフを食ったのは、灰色の魚体。おっと、ここで出会えましたか(笑)。太古からパタゴニアのネイティブであるペルカ・トルッチャ、すなわちクレオール・パーチである。
ガストンのクレオール
これもオレのターゲット視野に入っていた魚種である。オレも釣っちゃおう。柵をめがけてスピナーを飛ばすと、ガストンが根がかりするからやめろと言う。そんなことは百も二百も承知だよ。アマゾンのピーコと同様のスズキ目魚種は、とにかくストラクチャーにタイトってのがキモ。アルゼンチンには、“虎穴に入らずんば、……”、という古事はないのかね? そして虎児のアタリを取った。前の小さなレイクより引きは強い。上がってきたのは、予定通りのクレオール。ガストンは、“グランデ”って言ったから、同種としては大型サイズになるのだろう。
ルアーでクレオール
その後、オレもフライでクレオールをキャッチ。それにしても鼻水が止まらない(笑)。ロッカ湖の釣りは、終始小雨が降っていた。暗くなってから、雨は本降りの様相になった。そして夜間、止むことがなかった。天候は崩れ気味である。
続く
夢釣り行脚・南部パタゴニアの秋・その12
シートラの6キロをとった翌日。早朝の6時前にホテルを出発。今日から、ちょっと遠征なんだ。舗装された街道をリオ・ガジェゴス市から北西に進む。走行3時間ほどくらいで、山並みが見えてきた。平原から、南部アンデス地帯に近づいた。エル・カラファテ市に下る高台を流れているボッテ川という細流の橋がある。河原に降りてみると、小さなライズ・リングがある。ガストンは、ここにアルコ・イリス(レインボウ)いるけど、小さいぜ。釣りするかい?、と聞く。
ボッテ川の渓相
ボッテ川がサンタ・クルス川と合流する辺りなら、まずまずの大型も生息しているという言葉に、ちょっち迷ったけど、しかし、当初からの目的地も目の前だしねぇ。後で考えてみると、ちょっとやれば良かったと後悔はしている。今回の南部パタゴニア行脚は、釣り場のリサーチという大義があったんだから、軽く状況とポテンシャルだけでも知るべきだった。エル・カラファテ市は、南部パタゴニア観光の拠点である。洒落たスイス・アルプス風に街並みが仕上げられているから、新婚旅行なんかにはもってこいだろう。我々は、まずスーパーに寄って食料や飲み物を仕入れる。
北の果てにある、けっこう大きなスーパー
山岳斜面の方向に車を進め、ラーゴ・ロッカに到着。ガストンとの事前の打ち合わせで、オレの希望の一つ、『南半球のレイク・トラウトを釣りたい!』、で彼が選んだ場所である。極東の島国では、中禅寺湖が本種の釣り場として知られている。中善寺でロッド振ったこともあるけど、釣ったことがない。原産は北米の北部。イワナの仲間では、もっとも大型に成長できる。
続く
夢釣り行脚・南部パタゴニアの秋・その11
スプリング・クリークでの惨敗の後、戻りの途中で、昨日小さなシートラ2尾をルアーで釣ったポイントに入った。昨夜から想定していたシステムをセットする。ラインは、WF9F/S5というシンクチップ(先端だけ沈むライン)。このラインと9フィートの#9オービス・ロッドの組み合わせは、シングー河のビックーダで使っているから感触もある。S5(シンキングのタイプⅤ)ってのは、かなり比重があるんだけど、このポイントはけっこう流れがあるから、その勢いに負けずに沈んでくれるに違いない。ガストンに、黒いストリーマー(小魚を模したフライ)はないかい? と聞いたら、オリジナルのチューブがあるという。何がオリジナルかってと、彼の家で飼っているワンちゃんの毛で巻いたという(笑)。
ワンちゃんチューブ・ストリーマー
対岸の藪の影をめがけてキャスト、瀬から落ち込みにラインを流して、前日にシートラが食ったポジションにストリーマーを送り込む。まったく狙い通り。数投でゴン、と食った。魚は下流に走る。ガストンが、グランデぇ……、と叫ぶ。感触からいって数キロ級か? ティペットは、0Xという太さだから、13ポンド・テストくらいの強度がある。30mくらい離れたところで、水面を割って魚体が跳ね、夕日がプラチナの輝きを反射した。それから、ラインを一気に持っていったところで、ポンとバレた(汗)。回収してみると、フックが延びてもいないし、フライには何の異常もない。掛かりが浅かったんだ。でも、オレはそれほど落胆はしていなかった。それは、次なら取れるという感触を得たからである。
シートラ・ファイト
そして、その感触と予感通り、また数投で別のシートラが食った。ティペットも太いし、フックも丈夫いし、ちょっと強めのアワセ。バラした個体と同じように走って、そして同じように再現したかのようにジャンプ。おそらく、ほぼ同じサイズだ。ディスク・ドラッグを調整したり、河川敷を後退したり、魚が走る方向と逆にロッドを倒したり、ラインが緩んだら急いで巻いたり、そして数分。美しい魚体を岸辺にずり上げた。ガストンは、約6キロと見積もった。
FF始めてのシートラ
ウステ・ティエネ・スエルテ! これがガストンの評辞である。すなわち、「オマエには運がある!」、ってな意味である。そう、寒さで震え気味(笑)だけど、オレはアマゾンの釣女神と友達なんだ。ガストンは言う。「数日くらい、このガジェゴス川でフライでシートラ狙いする外国人で、このサイズを釣れなくて、涙で帰国するアングラーも決して少なくはない……」
続く
夢釣り行脚・南部パタゴニアの秋・その10
その後、岸辺を歩きながら、ガストンがサイトしたトラウトを狙っていくんだけど、風と腕のせいでキャストが決まらない。右岸の崖が数メートルほど高くなっている直下に、ゴーマルくらいのブラウンが、2~3尾で遊んでいた。崖の上から上手にゆったり軽くドライ・フライを水面に落として待つ。1尾が遡ってきて、静かにフライを吸い込んだ、ビシっ! しまった、アワセが思ったより強くなってしまった。フックが延びて、バレたぁ。やっぱ、14番ファイン・ワイヤーのフックじゃ細いなぁ……
登っていく途中に大きな岩があって、この川には珍しくやや流れが強めになっているポイント。そこに小さなライズ・リングがときどき沸いている。こいつは、なんとか捕れたぁ、……んだけど、あまりに小ちゃい(笑)。
メチャクチャ小さいブラウン
お昼過ぎころ、川幅が30mくらいに広がって、一面に水生植物が繁茂しているところで、ブラウンのこげ茶色の尾っぽが水面でひらひら波打っている。いわゆるテイリングってやつだね。水草の中に頭を突っ込んで、ヨコエビなんかを食っているのだろう。見渡すと、そのテイリングが3か所もの場所で起きている。ガストンは、オレのティペットに小さなニンフをつけた。彼は、小さいフライが好きなのかな? しかし、風が強くなってきた。まったくキャストが決まらないばかりか、ラインで水面を叩いてしまい、テイリングはすべて沈黙してしまった(涙)。ガストンは、「スプリング・クリークの釣りの好時間は、午前9時ころから午後3時くらいまで……」、と断言。そろそろ戻ろうぜ。今日は、夕方にまだ秘めたミッションもある。
ガジェゴス・チッコ川の渓相
車まで戻って、ガストンがバーナーでコーヒー淹れている間、近くの水草帯でニンフを引いてみると、30cmくらいのブラウンが掛かって跳ねた。その飛沫音を聞いて、ガストンが飛んできたけど、魚はまたもや水草に絡み、そしてバレた。ガジェゴス・チッコ川のポテンシャルは高いけど、ちょっと工夫の必要がある。ここは、もう一回リベンジするぞ!
続く
夢釣り行脚・南部パタゴニアの秋・その9
本日は、ガジェゴス・チッコ川に入ることにした。ここは、レジデンス(河川型)のブラウンが生息するスプリング・クリークである。昨日に近いところに車を止めて、ウェーダーを履いて、ガストンと小河川敷を遡っていく。この小河川は、幅数メートルから30メートルくらい。全体に浅いんだけど、所々に水深2mくらいありそうな暗い深みもある。流れはしごく緩やかだけど、地形の関係で僅かに早くなっているところもある。水底には、かなり厚めに有茎の水草が茂っている。
ガジェゴス・チッコ川の流れ
ガストンが先に歩いてサイトで魚影を探し、見つけたらオレがポジションに入ってキャストという案内ガイドつきフライ釣りの定番パターン。周囲が開けた場所だから、魚側からも見られやすい。だもんで、ガストンは長距離から狙うことを指示してくるんだけど、風がけっこうあって難しい。まず、10分ほども歩かない近い場所。流れのカーブの深みで、ライズをみつけた。ガストンが選んだフライは、カディスっぽいパラシュート、でもそのフックって14番くらいじゃない? ここのブラウン・サイズには小さすぎるんじゃ……
ガジェゴス・チッコ川のFF
ライン部分を地面に落として、リーダーとティペットだけを水面にそっと落とすメソッドで待つ。数秒ほどして、浮いたフライの位置に波紋リングがでた。パシっと合わせると、ばっちり乗った。ロッドを起こして、むむむぅ、と後ずさり。茶色い魚体がバシュ~んと跳んだ。げげ、思ってたよりデカい♂だ。ロクマルあるかも? しかし、水中水草に頭を突っ込んだ。ウチワのような尾ビレが水面でのたっている。ガストンが立ちこんで尾柄をつかんだけど、すべって暴れた瞬間にバレた(汗)。やっぱフックが小さすぎだったみたい。
続く




























