今回はBリーグから新外国人選手予想第5弾の秋田ノーザンハピネッツ編。
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予想前提
秋田は現時点で赤穂、中山、土屋、元田、熊谷、小栗、ライスナーがロスター確定している。
古川が退団したのは痛いが、赤穂、中山、熊谷、ライスナーと重要な選手は残せており、あとは田口さえ残せたらマイナスは古川のみで済みそうである。
なにより、秋田はほとんどPTがないのに3年もワンを抱えて無駄遣いしていたアジア枠でついに入れ替えに動いたのは大きなプラス要素と感じる。
チームからの契約発表はまだだが、来週に台湾で会見するというチームの声明的に海外メディアで報道されている選手で間違いなさそうであり、知らない選手だが日本人選手とマッチアップするポジションということを考えてもワン以下の活躍になることはないと見ている。
その有効活用が確実視されそうなアジア枠を活かすためにも重要な外国人選手ではザックとカーターがリスト入りしており、この2人との再契約はないと踏んで予想する選手は2名。
予想する上で必要な秋田の特徴について見てみると、弱点や課題は3P%、2P%、ペイント内得点の少なさ、FT%、セカンドチャンスとTO失点の多さ、与FT率とFT失点の多さ、TOとファウルの多さなどオフェンシブレーティングに低さが示すようにオフェンス面に要改善項目が多い。
逆に秋田の強みはOR獲得率、セカンドチャンスポイントとTOポイントの多さ、被3PAと被FG%の低さ、TO誘発率などディフェンシブレーティングの数値が示すようにディフェンス面が優秀である。
そういうわけで既に上位レベルのディフェンスを更に伸ばすよりも弱点のオフェンス面強化の方が優先度が高いと感じた。
また、秋田は毎年トリッキーな外国人編成をしている上に昨季は予想よりも2つほどランクの落ちるクロケットとベイカーを獲得するなど予算的にかなり厳しさを感じさせる外国人編成だった。
なので、今までも秋田の場合はランクの高くない選手で予想していたが、低ランクでも良い選手は全然いるので今回は例年以上にランクやサラリーの低い選手に範囲を狭めて予想してみることにする。
1人目
1人目はカーターの枠の選手であるが、アジア枠がバックコート、外国人選手の1人がライスナーなのでビッグマンで間違いないと見ている。
カーターは昨季3Pが高確率で、秋田がチーム全体で苦しんでいた3Pにおいて救っていたので以前の秋田のように3Pを武器に戻すという意味でも新しい選手にもカーターと同等程度のシュート力は欲しい。
カーターは3Pと同様にFTでも組んでいたザックとは対照的に高確率で決めており、3Pを求めるならFT%も秋田的には下位項目だったのでセットで求めたい。
また、カーターはリバウンドも取れていたので、セカンドチャンス失点の多かった秋田としては新しい選手も最低限DRだけでもカーター程度にはあった方がいい。
一方でカーターはプレイスタイル的に求めても仕方ない部分かもしれないが、2P%が52%であまり高くなく、秋田は3Pだけでなく2Pも確率が低くFGが入らない故に効率の悪いオフェンスになっていた。
加えて、弱点の項目で並べたように秋田はペイント内得点も少なかったのでカーターと違ってフィニッシュ力がある選手だと確実性の高いペイント内得点を増やせて2P%も上げられる。
もう一つカーターのマイナス面としてTO割合が16%もあり、平均得点やアテンプト、USG%から考えたらTOが多かった。
前提で述べたように秋田はTOとTO失点が多かったので無駄な失点やポゼッションの損失を減らすためにもTOは多くない方がいい。
また、秋田はTO誘発率が高いのにファストブレイクポイントは多くなく、折角TOを誘発させても活かせてはいなかったと思うのでカーターと違ってトランジションで得点出来る選手だと相乗効果や合理性が産まれる。
最後に、秋田はファウルの多さ故か与FT率も高い上にFT失点も多かったので無駄なFTを与えない意味でファウルが少ない選手が望ましい。
以上からカーターの枠の選手に欲しい、必要と思われる要素をまとめると、
①ビッグマン
②シュート力
③FTの上手さ
④フィニッシュ力
⑤TOが多くない
⑥トランジションで得点出来る
⑦ファウルが多くない
とランクの低い選手に求めるにしては多くなってしまったが、これらに複数当てはまる選手をリストアップした66名から最終的に予想選手とするのは…
Luke Petrasek
(208cm/98kg/27age)
ペトラセクは機動力抜群なオフボールタイプのPFでここ3シーズンはポーランドでプレイ。
シュートが上手く、P&Pやスポットアップ、トランジションなどからC&Sで打つ3PはGリーグ2シーズン平均で37%、ヨーロッパでの5シーズン中2シーズンで4割以上で最低でも35%以上、昨季は36%と安定して高確率である。
オンボールでの得点スキルには欠けるが、カットが得意でフィニッシャーとして優秀。
トランジションでの走力も魅力で、ビッグマンながら先頭を走ってのフィニッシュも珍しくなく、カットやトランジションを中心とした2Pの決定率は昨季国内で59.9%と6割にはギリギリ届かなかったが、秋田の低確率の2P%底上げや少ないペイント内得点を増やすには十分と感じる。
FTもプロ入り後の過半数のシーズンで8割以上であり、7割を切ったことがないなどビッグマンとしては申し分ない上手さである。
リバウンドではORは強くないが、DRはGリーグ、ヨーロッパともにポジションの平均以上は取れている。
TOもオフボールタイプなので多くなく、昨季のTO割合は10%を切っているのもTOを増やしたくない秋田に合っていると感じる。
ディフェンスではポストディフェンスはフィジカルで苦戦が見られるが、チームディフェンスの出来る秋田ならカバー出来るレベルかと思う。
ペリメーターディフェンスはフットワークが良いので定評があり、カーターより確実に良い。
ブロックも割と出来る選手であり、それなりのショットブロッカーでもあり、ディフェンシブレーティングも近年は優秀な数値が続いている。
ファウルも昨季は2個未満で少ないのもリスク的に助かる部分である。
ペトラセクはマイナーなリーグでのプレイが続いていることからサラリーも高くないはずなので予算が少ないチームでも狙える選手だと思っている。
一方で国籍のあるポーランドの同じチームに留まっているのでオファーがあっても国内でのプレイを選んでいる可能性もあるかもしれない。
秋田でなくても多くのチームで活躍出来る選手だと思っているので是非日本で見たい。
2人目
2人目はザックの枠の選手なのでこちらもビッグマンで予想。
そしてザックは秋田のオフェンス面の弱みのうちFT%とTOの多さには特に影響しており、その2つでザックより劣らないことは最低条件だと思う。
その上でザックが秋田の強みのOR獲得率とセカンドチャンスポイントに大きく関わっていたので先の弱みを改善した上でこの強みを維持出来るならばオフェンス面は大きく強化が可能で、DRも取れれば多かったセカンドチャンス失点も減らせる。
得点力という観点でもザックは平均二桁を割っていたので物足りなく、古川がいなくなったのでライスナー以外の外国人選手にも得点力はある程度欲しい。
以上から2人目の選手に必要、あるいは欲しいと思われる要素をまとめると、
①ビッグマン
②FTが苦手でない
③TOが多くない
④リバウンドが強い
⑤高くなくても一定以上の得点力
の5点と考え、これらに複数当てはまる選手をリストアップした45名から最終的に予想選手とするのは…
Cliff Alexander
(206cm/111kg/28age)
アレクサンダーはフィジカルの強いビッグマンでGリーグ、ヨーロッパやアジアでプレイ。
昨季はレバノンで平均28分のPTから平均17点でチーム2位の得点を記録。
オフボールタイプのフィニッシャーでダイブやカット、シールやポストピンでのC&Fやプットバックをメインに得点。
特にダイブは強力で、強靭なフィジカルでコンタクトを受けてもそのままフィニッシュまで持っていく。
一方でザックと同様にオンボールのスキルは高くなく、見た目に反してポストプレイも持ち味ではない。
シュートはレバノンで2シーズン連続3PAが平均1本以上で4割以上と高確率で決めており、ザックと違ってシューティングポテンシャルを感じる。
ただ、フリーで打てる場面に絞っていることも高確率の要因だと思っており、役割的にもシュートのアテンプトは増えない方がいいかもしれない。
FTはプロ入り後全てのシーズンで7割以上を記録しており、FTが苦手なザックがチーム全体のFT%に影響を与えていた部分の大幅な改善が見込める上にアテンプトも期待出来る。
リバウンドはGリーグ、ヨーロッパ、アジアとどのリーグでもフィジカルを活かして攻守ともに取れており、6シーズン連続でOR割合が10%を超えるなど非常に強く、プットバックでの得点も強力なのでOR獲得率が高くセカンドチャンスポイントも多い秋田には合っている。
DRも割合が非常に高いのでセカンドチャンス失点を減らすことが期待でき、ORのようにDR獲得率でも上位チームに押し上げられるかもしれない。
TOは昨季USG22%でTO割合10%と昨季から割合と個数で大きく改善しており、個数も割合も非常に多かったザックとは比べものにならない少なさである。
この点も秋田のTOとTO失点の多さ的には助かる部分である。
ディフェンス面もフィジカルを活かしたポストディフェンスが優秀で、ディフェンシブレーティングも優秀な数値が近年続いている。
ペリメーターディフェンスは得意ではないが、ザックより劣ることはなく、1人目に予想したペトラセクがペリメーターディフェンスが得意でポストディフェンスが苦手という点でも互いにディフェンスの得意分野と苦手分野が真逆で同時出場した時に弱点が被らないのでチームディフェンスでカバー出来るように感じる。
ファウルが少ないのもやはりファウルの多かった秋田的には助かる部分かと思う。
以上ランクやサラリーの低いと思われる選手からオフェンス面の得点力と確率、TOを重視して2人予想してみたが、ライスナーと合わせて3人ともオフボールタイプの選手になってしまった。
ただ、秋田は冒頭でも述べたように昨季もオフボールタイプの外国人選手で固めてシーズンインするなどトリッキーな編成をするチームなので他のチームの予想ではしないであろう形の予想となった。
実際に誰を獲得するのか分からないが、クロケットやベイカーのように素人目にも見る前から悪い結果が予見出来てしまうようなランクが低い上に実力も低い選手を2年連続で獲得するようなことは流石にないと願いたい。