今回はBリーグ開幕前総評第8弾の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ編。


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名古屋は昨季優勝も十分に狙える強力なロスターを揃えながら主力選手の度重なる怪我に泣かされ2年連続で全力でプレイオフを戦うことが出来なかった。


抜群のスペーシングとブレイクの多いハイテンポなチームバスケと流れるようなディフェンスローテーションは見ていて楽しいだけでなく、チームスタッツも上位が多いことから分かるように完成度が高かった。


弱点や強化が必要なポイントが少なく、穴がないようなチームなのでロスターを大きく入れ替える必要性はないと思っていた通り移籍は少なかったが、意外な移籍もあった。


そんな名古屋の今季ロスターを順に見ていくと、まずガードは齋藤、伊藤、坂本が残留してサイズは気になるが3人ともディフェンスの出来る選手でオフェンスではタイプの異なる選手が集まっている。


伊藤が怪我がちなのは心配だが、齋藤と伊藤は実力申し分なく、坂本もPGとしてはまだ心許無くともポテンシャルは感じる選手で相変わらずガード陣は強力。


ウイングは須田、中東、中務、アジア枠のパークスが残留して佐藤が新加入。


元々強力だった名古屋のウイング陣に佐藤が入ってより強力になったと言える。


須田、中東、パークス、佐藤の4人も実力者が揃えばディフェンスの強度が落ちない点やファウルトラブルを気にする必要性がほとんどない点、タイムシェアが出来る点などチーム側のメリットが大きく、選手層も厚い。


次にフォワードであるが、張本が残留してクラークの代わりにフランクスが新加入した。


クラークは継続すると思っていたので移籍には驚かされ、同時に名古屋のスコアリーダーかつプレイメイカーでチームの持ち味でもある3Pでも超高確率で寄与していた選手なので退団は痛いと思っていた。


ただ、毎年良い選手を連れてくる梶山GMは痛いクラークの退団に対してフランクス加入でまたまた驚かしてくれると同時にクラークの穴埋めをした。



フランクスは上記外国人選手予想の川崎編でヤングの代わり、つまりアレンが入った所に予想していた選手で見たいとも思っていたが、正直ユーロリーグ常連チームに行くと思っていたくらい凄い選手なので日本で見られるのは嬉しい。


フランクスのプレイスタイルや詳細は予想記事に記載したので当記事では省略するが、クラークと遜色ない優秀な選手なのは間違いない。


シュートの上手さはクラークの方が上であるが、フランクスもクラーク程でないとはいえ高確率をプロ入り後キープしており大きく名古屋の持ち味を損なうことはないと見ている。


また、フランクスはクラークのようにプレイメイカーになることは出来ないが、ディフェンスとリバウンドではクラーク以上だと思っており、特にディフェンスは素晴らしいので総合的にクラークと比較してもマイナスになることはないと見ている。


なので、フォワードは張本が開幕に間に合うのか不明だが、クラークの穴埋めはフランクスで間違いなく出来ていると思っているので最低でも現状維持にはなっていると感じる。


最後にビッグマンであるが、菊池、エサトンが残留してソアレスが加入した。


菊池はサイズがないバックアップであるが、出れば良い活躍をしており、バックアップとしても申し分ない。


エサトンはオフボールでの超効率的プレイに加えて数は多くなくてもシュートやドライブ、ポストプレイもこなせる万能性が持ち味でディフェンスやリバウンドでも献身性を見せる名古屋の大黒柱なので残せたのは大きい。


そこへンドゥールの代わりに獲得したソアレスであるが、正直ソアレスの獲得は抜群の補強とは思えない。


ソアレスはオフボールタイプのビッグマンで昨季はオーストラリアとプエルトリコでプレイ。


シュートが上手く、ミドルもロングも高確率で決めてくる。


3Pはスポットアップ、P&P、オフスクリーン、トランジションなど様々なシチュエーションや形からC&Sで打っており、直近3シーズン全てで39%以上と非常に高い確率で安定している。


カットやダイブでの効率プレイや、シールやポストピンからのC&Fなども得点パターンでエサトン同様に齋藤とは相性が良いはず。


ポストプレイでも得点出来るが、ポストプレイのスキル自体は高いわけではない。


リバウンドはンドゥールと同等でウィリアムス以下と見ている。


ディフェンスは当然ながらンドゥールのようなハイレベルなペリメーターディフェンスは不可能でポストディフェンスも苦手ではないが上手いわけでもない。


ましてや名古屋の流れるようなローテーションに付いてこれるかという点は心配である。


また、ファウルがかなり多い選手であり、このディフェンス面とファウルの多さがソアレスが補強としてベストでないと思う理由である。


ンドゥールは若干ファウルが多かった程度でディフェンスは素晴らしかったが、ソアレスはンドゥール以下のディフェンスでファウルが若干という程度でなく、異様に多い。


直近2シーズンでは101個ペースを大きく超えており、外国人選手のペイント内アタックが多い上にディフェンス側のファウルが吹かれやすい日本においてファウルの多いビッグマンはリスクが高いと感じる。


ファウルの多い選手がいると想定していた交代時間やPT管理が難しくなる可能性を高めるわけであり、名古屋の場合はソアレスがファウルトラブルになるとPTが伸びる点ではフランクスももちろんだが、エサトンの負担は特に大きくなってしまう。


2シーズン連続で怪我で苦しんだ名古屋がファウルの多い選手を獲得して怪我に繋がりかねないリスクを増やしてしまうのは少し疑問の残る補強と言わざるを得ない。


先述したようにオフェンス面では間違いなく良い選手で名古屋にも合ってると思うので、その面を重視して獲得したのかもしれないが、それなら冒頭リンクの外国人選手予想名古屋編で予想したエレンソンでもオフェンス面で名古屋に合ってファウルも多くないので良いのではと思う部分である。


実際にエレンソンは茨城が獲得したので資金力から考えて名古屋も獲得出来たと思われ、エレンソンでなくても似た選手でファウルが多くない選手はいるのでソアレスでなければならない理由や獲得の意図は読めない。


当然フロントもソアレスのファウルの多さは理解した上での獲得であるのは承知だが、その理由の見当が全然付かないので広島や千葉みたいに是非GMからのソアレス獲得に関する意図などコメントが聞きたかった。


ソアレスについて長くなってしまったが、ビッグマンの層について戻すと、得点力やフロアバランス、スペーシングなどオフェンス面ではソアレス加入で強化されたと思うが、ディフェンス面やファウルの多さがもたらすリスクなどから見てマイナスの方が大きいと見ている。


ソアレスがファウルを抑えられるのであれば昨季比でチーム力アップになるはずだが、そんな急激に減るとは思わないので好意的に見積もっても昨季と同等というか現状維持に近いロスターと感じる。


とはいえ、冒頭でも述べた通り昨季も一昨季も怪我人さえいなければ優勝も狙えたチームだと思っているので現状維持でもリーグトップクラスの強いチームなのは間違いないはず。


ただ、怪我人が出なかったとしても優勝する可能性は減ったようにも感じ、ワイルドカードからプレイオフ出場と予想。


個人的注目選手は新加入のフランクス。


何度も言うように日本で見たかった選手で、今季初来日の選手の中でも実力トップクラスの選手。


攻守両面でフィジカルを活かしたプレイから大活躍すると思っているので早くプレイが見たい。