今回はBリーグから新外国人選手予想最終回の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ編。
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名古屋は現時点でエサトン、パークス、齋藤、伊藤、菊池、張本、須田、中東、佐藤、中務、坂本がロスター内定し、デニスHCも継続。
日本人選手に主力をキープしつつ佐藤を獲得するなど日本人選手とアジア枠選手の編成は申し分ないものとなっており、外国人選手もクラークとンドゥールの継続する方針のようだ。
クラークはともかく、ンドゥールとの交渉継続は驚いた。
確かにンドゥールはディフェンス面や効率的に得点出来る部分で有用であるが、ファウルが多いことや怪我をしたことなどから入れ替え対象と思っていた。
また、昨季怪我がなければ優勝を狙えたチームだったのは間違いないが、このままンドゥールとクラークが継続ならば外国人編成はそのままなので、強いとはいえそのままはどうかという部分もある。
本来なら2人もしくは1人の退団が正式に決まってから今回の記事を挙げるつもりだったが、公式の退団発表と同時くらいに新選手の入団発表があると渋谷や栃木みたいに12月から準備していた記事が没になってしまうので名古屋はンドゥールとクラークのどちらか、もしくは両方が退団したらという仮定の下での予想とした。
そして名古屋の課題や強化・改善するべきと個人的に感じる部分は一昨季より減った3PAとメンバーから考えてもっと増えたはずのFTA、それから TOが少し多めなのとDRの本数と割合が低いところである。
逆に名古屋のオフェンスでの強みは高確率の3Pやリーグ断トツ1位のファストブレイクポイント、ペイント内での決定率の高さだと思われる。
なので、改善すべき部分を改善できて強みをなるべく損ねない選手という前提で以下の予想としてみた。
1人目
1人目はンドゥールが退団した場合の選手ということでビッグマンで考えてみた。
ンドゥールはディフェンスでの働きやフィニッシャーとして貢献が大きかったが、名古屋の持ち味である3Pに寄与出来ない点やディフェンス力があってもファウルが多い故にエサトンやクラークに負担をかける面があった。
なので、シュートが打ててファウルがなるべく多くない選手だとンドゥールの物足りなかった点はカバー出来る。
その上で名古屋の強化ポイントであるDRと強みのペイント内のフィニッシュ力にも寄与出来る選手であれば、ンドゥールのようなスペシャルなディフェンス力を持っていなくても他の部分でお釣りが来るのではと思う。
よって、ンドゥールが退団する場合に入れ替える選手に求められる、あるいは欲しいと思われる要素をまとめると
①ビッグマン
②シュート力がある
③ファウルが多くない
④ペイント内でフィニッシュ出来る
⑤DRが取れる
の5点と考え、これらになるべく多く当てはまる選手をリストアップした41名から最終的に予想選手として挙げるのは…
Henry Ellenson
(208cm/109kg/26yrs)
エレンソンは得点力の高いビッグマンでGリーグとスペインでプレイ。
シュートが得意でP&Pやスポットアップから積極的に3Pを打ってくる。
Gリーグでの5シーズン平均で3Pは37.7%、スペイン1年目は確率が大きく落ちたが2年目の昨季は36%に持ち直した。
P&Rからのダイブやカットからも得点が可能だが、エレンソンはそれに加えてドライブやポストプレイでも得点出来るプレイの幅広さを持ち合わせており、昨季の2P%は5割以上なので名古屋の強みであるペイント内決定率の高さを損なわない意味でも適している。
さらにトランジションにも参加出来るだけでなく、このサイズで自らプッシュしてミドルレーンからディフェンスをぶち抜いてフィニッシュまで持っていけるダイナミックなプレイもが出来るのは先頭を走ることが多かったンドゥールとの違いである。
FTもGリーグとスペインで8割を切ったのは1シーズンのみでFTの苦手だったンドゥールと違って安心して見ていられる。
リバウンドは昨季チームでトップだったわけではないが、それはホーベントゥートではバーガンダーや7フッターのトミッチといったリバウンド力に優れた選手とツインタワーを組んでいたからでエレンソン自体のリバウンド力が弱いわけではない。
ORもDRも取れる選手で少なくともンドゥールと同等レベルはあると見ている。
TOもスペインでは昨季平均1個で少なく、ファウルもGリーグからスペインでのシーズン通して多かったことはない。
ディフェンスではフィジカルがある分ポストディフェンスではンドゥールを上回るが、ペリメーターディフェンスでは流石にンドゥールには及ばない。
というか、ンドゥールよりペリメーターディフェンス出来るビッグマンなんて同ランク帯の選手になかなかいないと思うので誰が来ても劣るくらいに考えて良いかもしれない。
2人目
2人目の選手はクラークが退団した場合の選手ということでビッグマンでも問題ないが、名古屋はずっとフォワードが1人いる編成を続けているのフォワードの選手で考えた。
クラークはシュートやドライブ、ポストプレイでもスコア出来る抜群の得点力に加えてプレイメイカーとしても優秀で全く同じ役割が出来る選手を名古屋が獲得していたようなランクの選手で探すとなると難しい。
なので、クラークとはタイプの違う選手で名古屋に合いそうな選手、かつ1人目に予想したエレンソンは名古屋の強化したい部分を重視した選手なので2人目は名古屋の強みを活かす方にフォーカスした選手で考えてみた。
名古屋の強みは前提でも述べたようにリーグ断トツのファストブレイクポイントを記録しているようにトランジションの展開を強みとしている。
つまり、ディフェンスやリバウンドからそのまま走ったり、あるいは自らプッシュしてフィニッシュまで持ち込める選手とは相性が良い。
また、ペイント内決定率も高い選手でシュートもクラークほどとまでいかなくとも下手ではない選手の方が強みを損なわない意味で望ましい。
以上からクラークが退団する場合に入れ替える選手に必要、あるいは欲しいと思われる要素をまとめると
①フォワード
②トランジションで得点出来る
③ペイント内決定率が高い
④それなりのシュート力がある
の4点と考え、これらになるべく多く当てはまる選手をリストアップした56名から最終的に予想選手として挙げるのは…
Jordan Usher
(201cm/100kg/25yrs)
アシャーは昨季プロ1年目を終えたばかりの得点力溢れる新人フォワードで昨季はトルコでプレイ。
身体能力抜群でトランジションでの走力と跳躍力からなるフィニッシュの破壊力は凄じい。
攻守の切り替えからの走り出しも速く、ディフェンスの有無に関わらず自らプッシュしてゴールまで持っていく推進力と突破力は脅威的でトランジションでの展開や得点が多かった名古屋では持ち味を存分に発揮出来るはず。
シュートも打てる選手で3PはOTDとC&Sの両方から打ってきて昨季は4割以上の超高確率で決めた。
ただ、大学時代は5シーズン平均で32%だったので昨季上振れした可能性が高く、シュートに関してはクラークの方が圧倒的に上手いだろう。
先述した突破力はハーフコートでドライブする際にも発揮され、スピードあるドライブでフィニッシュに持っていく。
それ以外ではカットも得点パターンとしており、トランジションとドライブとカットを中心とした2P%は昨季64%と非常に高く、ペイント内決定率の高い名古屋には合っている。
これらの得点スキルで昨季はシーズン最初から最後までチームに所属した選手の中でトップの平均得点を記録した。
なので、名古屋の大きな得点源だったクラークの代わりとしても得点面で同程度とまでいかなくても大きく劣ることはないはず。
FTは大学5シーズン平均で72%、トルコでも72%と上手くはない。
リバウンドは弱い部類だと思うのでアシャーの弱点と言えるが、オフェンス面のプラスを考えれば目を瞑れる部分と考えた。
TOは大学時代は平均2個以上のシーズンが続いて多かったが、トルコでは平均1.6個まで減らしており、ボールを長く持つ故にTOの多かったクラークと比べるとTOを減らすことに繋がる選手なのではと思った。
ファウルは多くない。
ディフェンスはオフボールディフェンスやディフェンスの受け渡しの部分でミスが散見される。
ポストディフェンスもペリメーターディフェンスもクラークより上手いとは思えないが、身体能力を活かしたスティールは得意でスティール数も多い上にスティールからブレイクに繋げられる。
アシャーはクラークとは全く違うタイプのフォワードでクラークのようにプレイメイクは出来なかったり劣る点も多いが、トランジションの強さやペイント内の決定率ではクラークより優れているので名古屋に来たら面白そうだと思った。
合いそうというのもそうだが、日本で見たいというのもあって予想選手とした。
クラークとンドゥールが残る可能性もあるが、名古屋の外国人編成がどうなるか楽しみに待ちたい。
これで今オフの外国人予想企画は終了で、既に三河や川崎は空振りに終わったが、三河には過去に予想したオーガストが来たりと予想していないチーム含めてどんな外国人選手が来るかという楽しみはある。
個人的にはデリック・ウィリアムスやドゥブリエヴィッチ、ベンティルやホメスなどの高ランク選手でFAになった選手が日本に来てくれたらなと思うので東京以外のチームにもそろそろ高ランク選手を獲得出来るチームが現れて欲しい。
次回の国内記事はロスターが完成したチームが増え次第に開幕前総評を昨季シーズン総評を書いた12チームで挙げる予定。