今回はBリーグ開幕前総評ということで、ロスターが確定したチームから挙げていく予定で対象チームは昨季シーズン総評を挙げた12チームのつもりだったが、北海道はもしかしたら没になる可能性も。
今回は第1弾のシーホース三河編。
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昨季の三河は開幕前総評で述べた編成面や元々の課題への不安要素がそのまま表面化する形でダバンテへの負担がより増える形となり、シーズン中の外国人選手の補充でも疑問符が付くような選手獲得で最後まで上向く兆しは見えなかった。
さらに不幸にもシェーファーの怪我もあり、勝率は5割未満で厳しいシーズンだった。
そんな三河は今オフに鈴木HCからリッチマンHCに指揮官が変わる驚きの人事があった。
鈴木HCの交代だけでも驚くべきことだが、リッチマンHCの就任は現時点でも選手の移籍含めて今オフ最も衝撃的なニュースだった。
それだけにリッチマンHC体制でダバンテが誰と組むことになるか楽しみにしていたのだが、正直言ってリッチマン就任ほどのインパクトはなかったというかガッカリ感が強い外国人編成となった。
まず、三河全体の入れ替えを見てみると退団した選手は全員退団が妥当と感じる選手であり、新加入はオーガスト、レイマン、久保田、卜部、石井、デソンと退団した選手と比較してタレントのある選手と言える。
各ポジションのデプスを見てみるとガードは久保田、石井、中村、長野、柏木、デソンでコリンズワースが抜けて以降は三河の弱点であったPG層に厚さがもたらされた。
特に多くのチームが狙っていたであろう久保田の加入は非常に大きく、長野が下がると途端にガードのレベルが下がった昨季の三河と違って2番手に長野あるいは久保田が控えていることでレベルが大きく下がることはなくなる。
日本人選手に関してはリーグ全体で補強が難しくなっている部分なので久保田1人が加入して弱点のPG層を強化しただけで大勝利と言える。
また、久保田は京都でロールマンのディアロと相性が良かったことからも同じく新加入でロールマンのオーガストとは相性が良いと思われる。
ガードでもう1人新加入日本人の石井はシューターであるが、近年はシュート確率がシューターとは言えないような確率でかつてほどの脅威はない選手と言えるかもしれない。
しかし、3Pは三河の強化したい部分なのでシューターとしては高いとは言えない35%で決めたとしても三河にとっては大きくプラスであり、もっと高確率で決めてくれれば大儲けになり得る。
そしてアジア枠で新加入のデソンは韓国バスケに詳しい記者によるとコンボガードで得点力が高い選手とのこと。
アジアの選手は全然知らないのでデータのみで述べるが、確かに昨季はKBLで平均18点を取っており、KBLがオン1とはいえ凄まじい数字なのは間違いない。
年齢が高めだがKBLで平均PT30分オーバーで50試合以上出ているので問題もなさそう。
3Pは昨季確率が低かったが、それ以前の4シーズンは35%前後で安定しているのでシュートが上手い選手と言えるだろう。
データだけ見てもかなり期待出来る選手で楽しみであり、デソン、石井、久保田が入って三河のガード層は間違いなく強化されたはず。
次にスイングマンを見てみると、卜部、角野、西田でローレンスがいなくなった分だけ攻撃力自体は昨季より劣るかもしれない。
卜部はベンチ外に回る可能性も予想され、デソンがこちらに回ることも大いに有り得る。
攻守ともに要の西田を残せたのは大きかった。
次にフォワードは橋本と新加入のレイマンとなっっている。
ここは個人的に不安要素と捉えている部分で、橋本はもともと怪我が多い上に攻守ともに戦力としては厳しい。
レイマンは知らない選手なのでデータやハイライトを見たのみで語ることになるが、まず昨季プレイしていないという時点で心配という部分がある。
そして三河の弱点であるリバウンドの部分においてデータを見る限りレイマンがリバウンドの強い選手とは思えないのも不安を煽る。
また、散々述べてきた三河の弱点の3Pでもレイマンは大学以外では良い確率で決めているわけではない。
NBAで確率が低いのは仕方ないが、サンプルが少ないとはいえGリーグでも確率が低すぎるのは怖い。
NBA以外でプレイしたサンプルが少ない上にGリーグや大学でプレイしたシーズンもだいぶ前なので現在の実力を測れない点でも未知数すぎて楽しみではあるが個人的には期待値が低い。
そうでなくてもシェーファーがプレイ出来るか分からないのでレイマンの3番起用が難しいことからも3番起用出来る選手よりもビッグマン3人で固めた方が堅実に思える。
つまり、実力的に問題ない選手だとしても今の三河に必要な選手かと考えると昨季のオクインほどではないとはいえ怪しい部分があり、シェーファーがプレイ出来ないなら橋本もレイマンも4番起用がメインになると思うのでディフェンスやリバウンドでまた苦戦する要因になりかねないのではと考えている。
最後にビッグマンはダバンテ、シェーファーと新加入のオーガストとなっている。
ダバンテは言うまでもなくリッチマンHC体制になってもオフェンス面の大黒柱になると思われるが、どのような使われ方をするか楽しみである。
オフェンス面で活躍するのは目に見えてるので意識の低いDRを取りに行く姿勢が見たい。
シェーファーは何度も述べているように怪我でプレイ出来るか分からないのは三河にとって大きな痛手であり、だからこそ今までシェーファーがいるからこそ実現出来ていた外国人編成が出来ない可能性のある今季の三河にとって今オフは外国人選手の獲得が重要だった。
しかし、そこでオーガストが来たのは意外であり、同時に不安に感じる編成となった。
オーガストは冒頭の関連リンク記事プレ企画中にも記述がある通り過去に某掲示板で千葉に来ると予想したことがある選手でダイブやカット、トランジションゲームの得意なオフボールタイプのビッグマンである。
なので相性的にはダバンテや久保田とも良いと思われるが、オーガストはレイマン以上に今の三河に必要な選手かという点で疑問符が付く選手だと思っている。
というのも、オーガストは非常にファウルが多い選手でビッグマンのアタックが多い日本においては余計にファウルの嵩むスピードが早くなる可能性も高い。
何度も言うようにシェーファーはプレイ出来るか分からないのでオーガストがファウルトラブルに陥ってPTが伸ばせないようであればダバンテの負担が昨季と同じように増えてしまう。
かと言ってダバンテを下げるとレイマンが5番をやることになるのでやはりインサイドのディフェンスとリバウンドが厳しくなってしまうリスクが出てしまう。
もう1点、オーガストはフィニッシャーとして優秀な一方でシュートやFTが大の苦手で三河に足りない3Pでは寄与出来ないというのとFTAは増えてもダバンテのような確実性は見込めない。
なので三河に来るビッグマンはオフボールタイプでもシュートの上手い選手が来ると思っていたという意味でもオーガスト獲得には驚かされた。
以上のようにレイマンとオーガストが三河に必要だったかという点と2人ではダバンテの負担が今季も多そうなことから外国人編成に関してはリッチマンでテンションが上がった分ガッカリ感が出てしまった。
GMが変わったとはいえ昨季も明らかに必要でないオクインを獲得して失敗した三河なのでレイマンとオーガストも活躍はすると思うが、チームがプレイオフ進出するために2人が最適かと考えると嫌な予感がする。
抜群の編成で結果が出ないならともかく、この編成で結果が出なかったのなら仕方ないと思えるのでリッチマンを成績を理由に1年で解任する最悪のパターンだけは勘弁してほしい。
もちろん、この編成でもプレイオフに出場出来るのならリッチマン流石となるだけなので是非そうなることを期待したいが、ワイルドカード争いには加われてもプレイオフ出場は難しいと予想。
注目選手は新加入の久保田。
昨季急激に成績を上げてアシストは平均6本以上もあるなどゲームメイク力がありP&Rも上手い。
FG%が4割を切っているのは残念だが、オフボールの合わせが上手いオーガストやフレームを活かしたスクリーンをかけられるダバンテと相性は良さそう。
PGが弱点だった三河にとって願ってもない補強で新しくなった三河でもインパクトを残せるか楽しみにしたい。