ほんだながわり

ほんだながわり

「読んだり、観たり、行ったり」だけは、何だかやりっぱなしじゃいけないような気がしたもので…。

いつの日か富裕層になって世界中をフラフラすることを夢見ながら、いまも相変わらずゆらゆらと浮遊草のような生活を送る、28歳、男。と思っていたらいつのまにやらもう29歳…。も遂に終わり、花の30代に突入。といっていたのが、あれよあれよという間に40代に。

高瀬隼子さんの新作。ハゲがパンデミックを起こす世界という設定が、最初は少し狙いすぎじゃないの? と思ったけれど、いやいやどうして、しっかり読み応えのある物語になってて感服。時折、顔をのぞかせる、ざらつきやもやもやも癖になりそう。ちなみに、出版社はU-NEXTなのだそう。

 

SFへの(勝手な)苦手意識のせいで、手を付けるまでに数十年。読み始めてからも何度も何度も挫折してきたのだけれど、ちょっとしたきっかけもあってたまたま少し読み進めることができ、もうそのあとは、あまり覚えていないけれど読むのを止められなくなってしまった。ようやく…といってもまだまだ入口あたりを垣間見た程度だけれど、ほんの少しだけヴォネガットのすごさに触れることができた気がする。

 

 

ヴォネガットがエッセイの中で「まさにアメリカ的天才の完璧な見本…」と言ってるのを見て、いったんエッセイを脇に置き、読んでみることにした。まあ、それだけヴォネガットのエッセイの虜になっているわけだから、こちらも最初から面白いものとして読んでしまうわけで、正直、この感想が正常なものかどうかわからない。わからないのだけれど、切れ味がいいのは間違いない。個人的な好みとしては、小川高義訳なのもよかった。