前号では、「自分資産」はお金と違って使っても減らない、だからどんどん「自分資産」を発見して使いまくろう
… ということをお話しました。
#前号の内容は以下に掲載しています。まだお読みで無い方、おさらいされたい方は是非お読み下さい。
http://ameblo.jp/amane-sawatari/entry-11880141897.html
---「自分資産」とは?------------------------------
「自分資産」 = 「引き出し」+「部品」
「引き出し」「部品」とは、
ビジネスパーソン1人1人の過去の経験/実績/苦労/知識/身に着けた能力など。
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ところが、そんな「自分資産」はお金や土地などのいわゆる「資産」と共通するある弱点をもっています。
--「自分資産」の弱点--
価値が減少することがある。
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…今回は、そんなお話をします。
お金の価値って、減少することがありますよね。
いまあなたの手元にある1万円は、物価が上昇すれば相対的に下がります。
今日の1万円が、明日同じ1万円の価値を持っているとも限りません。
あるいは為替変動によって、手元にある1万ドルが今日は100万円相当だったのが、
円高で翌月は90万円相当にしかならないかもしれません。
このように、お金の価値は目減りしやすいのです。
「自分資産」もお金同様、目減りすることがあります。
具体的には…
と、その前に、
「自分資産」にも、価値が減少しやすいものと、減少しにくいものがあるということをお話させてください。
「自分資産」、すなわちあなたの「部品」「引き出し」は以下の2つに大分されます。
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1.特殊(Special)資産
2.汎用(General)資産
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【1.特殊(Special)資産】
あなたの過去の経験/実績/苦労/知識/スキルのうち、
特定の分野(業務領域や部署)におけるもの。
― 特殊スキル、特殊資格、社内資格など。
【2.汎用(General)資産】
あなたの過去の経験/実績/苦労/知識/スキルのうち、
特定の分野に依存しない、どこにでも必要とされるもの。
― マネジメント能力、コミュニケーション力、語学、ファシリテーション能力など。
― 他の会社や業種に移っても使える資格など。
#いわゆる「ポータブルスキル」と呼ばれるものです。
では、特殊(Special)資産 と 汎用(General)資産 とでは、どちらの価値が目減りしやすいのでしょうか?
わたしは、特殊(Special)資産のほうが目減りしやすいと思います。
理由は以下の通りです。
--特殊(Special)資産の価値が目減りしやすい理由--
海外移転されやすい。
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たとえば、半導体や液晶の技術。
シャープが液晶事業をリストラし、亀山工場の生産設備を売却~台湾企業との資本業務提携に踏み切った事はみなさんの記憶にも新しいと思います。
2000年代前半には栄華を極めた日本の液晶技術も、いまや中国、韓国をはじめとする海外勢に追随され … という苦しい状況にあります。
特殊(Special)資産は、その対象技術や製品がプロダクトライフサイクルの導入期~成長期にあるうちは大変高い価値を持ちます。
が、
成熟期を境、衰退期に入ったとたんに価値が急降下します。
プロダクトライフサイクルの成熟期になる、ということはその製品が価格競争状態に入るということを意味します。
そうなると人件費勝負の世界になり、開発生産拠点を人件費単価の安い海外に移転…
となることは明らかです。
仕事場が日本になくなれば、当然その仕事に特化した特殊(Special)資産の価値は大暴落します。
IT技術者(プログラマー、SE(システムエンジニア)など)においても同様のことがいえるでしょう。
グローバルレベルでのネットワークインフラの整備が進んだ今、
情報システムの設計開発(プログラミングなど)を中国やインドで行うというのは、いまやIT業界の常識になってきています。
(いまIT業界に身を置いているわたし自身、日々実感しています!)
高い専門性を持ったあなたの仕事が、ある日突然あなたの会社から、いいえ、日本からなくなってしまうことも普通にありうるのです。
一方で、汎用(General)資産は目減りしにくいといえます。
コミュニケーションスキル、マネジメントスキル、語学力 …
これらのスキルはどんな企業、どんな職場でも必要とされるスキルです。
企業や職場によって必要度合いの差こそあれ、日本でこれらのスキルの重要性がゼロになるということはまずないでしょう。
あ、誤解しないで下さいね。
わたしは特殊(Special)資産を否定している訳では決してありません。
特殊知識や技術なしにできる仕事はないでしょう。
実際、汎用(General)スキルだけで食べていっているという人はなかなかいないとおもいます。
(そんな人がいたら、わたしに教えてください!)
どんな仕事も、必ずなにかしらの特殊性や専門性を伴います。
ただ、特殊性のみに依存しすぎるのはリスキーではないか、
そういいたいのです。
わたしは、特殊性の中にも、汎用性を見出す事が重要なんじゃないかと思います。
どんな高度な技術者でも、何かしら汎用的な(=他でも通用する)経験/知識/スキルなどが必ずあるはずです。
特殊性の階段を降りていくと、そこには他の領域で通用する共通的な何かがあると思うんですよね。
そこに目を向けましょう。
たとえば、IT技術者(プログラマー、SE(システムエンジニア)など)。
「IT」「情報システム」というとそれだけでマニアックな響きがあり、特殊(Special)技術のカタマリのように思われがちです。
(そして、技術者自身も「自分の仕事は高度に特殊化されている」と思ってしまいがちです。)
ところが、情報システム開発のマネジメントプロセス、品質管理プロセス、考え方、勘所などは、実はどんな仕事にも適用できるものなのです。
#わたしは、情報システムのフレームワークやプロセスは、むしろITを伴わない業務の設計や改善にもどんどん適用すべきだと常日頃思っています。
SE(システムエンジニア)は、優秀な業務コンサルタントになれる素養を十分に兼ね備えていると思っていますし、実際にそのような幅広な活躍をされている方もいらっしゃいます。
「特殊」であること、専門性の高い技術や経験に誇りを持つ事、これは大変素晴らしい事です。
それがなければ、日本はこんなにも素晴らしい技術や製品を世界にあまた送り出すことは到底できなかったでしょう。
プロの誇りを持っているビジネスパーソンって、本当に素敵です。
ただ、誇りを持つあまり、自分の中にせっかくある「汎用(General)資産」が見えていない、見ようともしない。
これは大変もったいない事です。
わたしは、
「何かしらの専門性を持ったジェネラリスト。」
あるいは
「何かしらの汎用性を持った、スペシャリスト。」
… がこれからの時代、強いのではないかなと思っています。
「汎用(General)資産」は決して安っぽいものではないのです。
「汎用(General)資産」は決して「特殊(Special)資産」に劣るものではないのです。
あなたは、自分の中の「汎用性」に目をつぶっていませんか? 見逃していませんか?
次号では、「失敗も資産だ」ということについてお話したいと思います。
それでは、また!
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