中3の第1話 海の試練《2.保健室でのおしおき》 | あまめま*じゅんのスパンキング・ブログ                        

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第1弾 『海の中のアタシ・空の中のアイツ』
双子の海と空のハラハラ・ドキドキの物語♪
第2弾 『星と月美のいい関係』
星と家庭教師の月美&トレーニングの日々!

    愛情たっぷりのおしおき満載(*'▽')

2.保健室でのおしおき

 
翌日4時間目の数学の授業、どうしてもたかやんと顔を合わせるのがしんどくて、3時間目が終わると保健室に向かった。保健の花井知果(はないちか)先生は、海が1年で保健委員をしていたときに仲良くなって、何でも話せるお姉さんみたいな存在。28才、独身。生徒たちは『先生』じゃなくて、『花ちゃん』と呼んでいる。
 
「花ちゃん、頭がフラフラするから休ませてー。」
「海ちゃん、悩み?」
即座に言い当てられ、
「ううん。頭がフラフラするの・・・。」

「フフ、大丈夫?一応お熱測ってみる?」

体温計を渡された。36.5℃、平熱。
「じゃあ、ちょっとだけね。」
そう言いながら、ベッドの用意をしてくれた。
 
海がベッドに入って目をつぶると、花ちゃんが近くに来て、
「何かあった?」
と優しく聞いてきた。
「うーん・・・。部活で先生にすごく怒られて・・・。」

「藤重先生?」

「うん。」

「それで次の時間、数学だから、顔を合わせたくなくてここに来ちゃったの?」

「・・・そう。」

「海ちゃん、悪い子だなぁ。」

「ごめんなさい。」

「4時間目が終わったら、教室戻るのよ。」

「はぁい。先生大好き!」

「はいはい。」

 

4時間目が終わり給食の時間になると、よわしが心配して様子を見に来た。

「頭がフラフラするって言うので、少し寝かせてます。熱はなかったので、大丈夫だと思うんですけど。」

花ちゃんが取り繕ってくれた。よわしはチラッとカーテンを開け、海の寝ている様子を見て戻って行った。

 

海がベッドから起き上がろうとすると、よわしと入れ替えにたかやんが保健室にやって来た。海は慌てて布団をかぶり、寝たふりをした。

「花井先生、蓮ケ谷寝てる?」

「海ちゃん、そこで寝てます。」

「具合い悪いの?」

「はい、少し。」

その後、何かゴソゴソ話していたが、海にはよく聞き取れなかった。

 

「海、開けるぞ。」

返事を待たずにカーテンが開いて、たかやんが現われた。

「おまえ、大丈夫か?」

布団に顔を半分以上隠して、小さくうなずいた。

 

「今日も部活休むのか?」

「・・・。」

「昨日は部活、無断欠席するし、今日はオレの授業さぼって保健室に逃げ込むし、まったく困ったキャプテンだな。」

「・・・。」

「少し怒られたくらいで、いつまでもこうやってウジウジしてる気か?何とか自分で解決しようと思わないのか?」

海は布団をスッポリと頭からかぶってしまった。

「海、おまえなぁ、そんな態度とってると赤ん坊みたいだぞ。ほら、顔出してそこに座れ。」

 

たかやんはイスを持って来て、ベッドの横に腰かけた。海はのろのろと布団から出て、気まずそうにベッドに座った。

「オレがおまえに厳しく当たるのは、何でか分かるか?」

「・・・キャプテンだから。」

 

「そうだよな。キャプテンはチームをまとめていく立場で、オレからの叱られ役だ。今までのキャプテンを見てきて、それは分かってるよな?オレがおまえをキャプテンに選んだのは、おまえがそれだけの根性があるって見込んだからだ。

 

チームメイトが怒られて落ち込んでいたり、トラブルが起きたときに、おまえならいい方向に導いてくれるだろうって期待して、それに応えられる選手だと思ったから指名したんだぞ。オレにだって物おじせず、はっきりと意見を言えると思ったしな。

 

それなのに、おまえが真っ先に離脱してどうすんだよ。海はそんなに弱っちょろいのか?向こう見ずで、甘ったれたところはあるけど、根性は誰よりもあると思ったんだがな・・・。おい、どうなんだよ?

 

オレをがっかりさせるなよ。言いたいことがあれば、ちゃんと向き合って真正面から突っかかってこい。嫌なこと、辛いことから逃げるな。オレの厳しさを跳ね飛ばすぐらい強くなれ。」

 

海は黙って聞いていた。

 

たかやんは立ち上がり、海の顔をのぞき込んで、

「今日は部活、来れるよな?」

念を押すような言い方で聞かれた。

海がモジモジしているのを見て、

「ちゃんと返事しろ。」

おでこを軽くパチンと叩かれた。

「・・・はい。」

 

「海、オレに言うことがあるんじゃないか?」

「えっ・・・。」

「ん?」

「えっと・・・この前は、部活、途中で帰っちゃってすみませんでした。」

 

「まあ、オレが帰れって言ったんだが、ああいうときは本当は帰らないもんだぞ。食い下がって意地でも帰らないって、まあそれはひと昔前のオレたちの時代の話か・・・。今の子たちは、あの状況じゃあ間違いなく帰るよな・・・。オレも今回の件は反省した。悪かったと思ってる。無理やり放り出すんじゃなくて、もっとおまえの話を聞くべきだった。

 

でもな、ああいういきさつになった原因は、おまえもきちんと理解しろよ。あのとき誰一人として声が出ていなくて、みんなバラバラだった。オレに指摘されなくても、3年生が声をかけ合って盛り上げていかないといけないだろ。一度ベンチに戻せば何か感じてくれるかと思ったが、ただブスッとしているだけで、ちっとも分かってなかったよな。

 

常に全体の様子を見る広い視野を持て。オレより先にオレの言いたいことを察して、他のメンバーが怒られないようにおまえや綾がフォローしてやれ。オレは部活の顧問としての態度を変えるつもりはない。ただ去年の夕菜のことがあるから、おまえたちの意見は受け入れていく努力はする。オレと部員たちとの架け橋的な役割を、海にはしてほしい。分かるか?」

 

「はい。」

今度はたかやんの目をしっかりと見て答えると、

「よーし、長ったらしい説教は終わりな。このままじゃ、放課後、練習に戻りにくいだろ?きっちりとケリをつけような。」

「えっ・・・?」

「ちょっと待ってろ。」

 

たかやんはカーテンを開け、花ちゃんの所へ行くと、

「花井先生、ちょっとここで海におしおきしてもいいですか?」

「おしおきですか?はい、どうぞ。私、ここにいない方がいいですか?」

「大丈夫。仕事しててください。ちゃっちゃと済ませるんで。」

海は2人のやりとりを聞いて、青ざめた。

“ここで、おしおき?たかやんにお尻叩かれるの?やだやだやだー!!”

 

たかやんがベッドの所に戻って来て、

「海、ほら、パンツ脱いでケツ出せ。」

「ええーっ!」

海は一生懸命、首を横に振った。

「早くしないと、他の具合い悪いヤツが入って来るぞ。」

拒否しても許されるはずもなく、泣きそうになりながら、ベッドの上でパンツを下ろした。

 

「そこで、よつんばいになれ。」

「えっ、まじで?」

「まじだ。ほら、早くしろ。」

嫌々ベッドの上で枕に手をつき、よつんばいの体勢をとると、たかやんがスカートをめくって、お尻が丸出しになった。声を出したら廊下まで聞こえてしまう・・・。

 

腰に手を当てられ、ビシィーン!とたかやんの強烈な平手が打ち下ろされた。

「うっ・・・。」

「今のは、練習中に声を出さなかった分な。」

 

ビシィーン!

「うぅぅ・・・。」

「帰っちまった分。」

 

ビシィーン!

「ひぃ・・・。」

「昨日の無断欠席の分。」

 

ビシィーン!

「・・・・・。」

「今日、授業さぼった分。」

 

ビッシィーーン!

「うぅぅ・・・・・。」

「おまけだ。」

 

全部で5発叩かれた。必死に耐えて声は上げなかったものの、涙がいっぱい流れ出た。

「よし、いいだろう。ちゃんと部活来いよ。授業さぼった分、宿題山ほど出してやるから、ここ出たら職員室に寄ってけ、いいな。」

 

ティッシュで涙を拭きながら、小さい声で「はい」と返事をした。

「花井先生、悪かったね。給食、ここで食べさせてやって。」

たかやんが出て行くと、

「海ちゃん、大丈夫?」

花ちゃんが心配そうに声をかけてくれた。

 

「恥ずかしい・・・。」

「私しかいなかったから、大丈夫よ。お尻、冷やす?」

「ううん、大丈夫。」

「藤重先生、海ちゃんのこと、すごく大事に思ってくれてるんだね。言葉の端々に優しさがにじみ出てたよ。」

「えー、でも、部活のときは本当に鬼だよ。すごく怖いもん。」

「でもそのくらい厳しくしないと、みんなちゃんと練習しないでしょ。」

「そうなのかな・・・。」

 

そこへ、ドアをノックして空が入って来た。

「たかやんが海に給食持ってけって。」

「空くん、ありがとう。」

「海、具合い悪いんですか?」

「うん。ちょっとここがね。」

花ちゃんが自分の胸を押さえた。

「なーんだ。また仮病か。」

「空、お兄ちゃんには絶対言わないでね。」

「おう。貸し1つな。」

 

みんな昼休みで、グランドからはワイワイと声が聞こえてくる。海は花ちゃんと楽しくおしゃべりをしながら給食を食べた。なぜか話題は『おしおき』。

 

「海ちゃん、藤重先生によくお尻叩かれるの?」

「うん。もう何回も叩かれてるよ。いつもは生徒指導室で、壁に手をついて立たされて。」

「スカートの上から?」

「ううん。たかやんはいつもお尻出して叩くよ。すごく怒ってるときは、手じゃなくて竹刀で叩かれる。」

「お尻、大丈夫なの?」

「2日ぐらい痛くて、真っ赤になってる。歩き方もペンギンみたいにぎこちないから、友達とかお兄ちゃんにもすぐバレちゃう。」

 

「そうなんだ。先生も叩かれてみたいなぁ。」

「えっ?」

海はびっくりして花ちゃんの顔を見た。

 

「ああ、ごめんね。私ね、幼稚園のころ1回だけ、お母さんにお尻叩かれた記憶はあるんだけど、あまりよく覚えてないんだよね。だから、どのくらい痛いのかなって思って。好奇心っていうのかな。」

「たかやんに叩いてもらえば?」

「お尻叩いてくださいって言うの?変態だと思われちゃうよ。」

 

「花ちゃんぐらいの大人になると、悪いことしても、誰もお尻叩く人なんていないもんね。」

「そうよ。海ちゃん、いろんな人に叩いてもらって、うらやましいなぁ。」

「えっ、いろんな人って・・・花ちゃん知ってるの?」

「ん?知ってるよ。お兄さんにも叩かれてるでしょ?」

「うん。あと、恒先生にも。」

「えっ、そうなの?久藤先生もお尻叩く人なんだ。」

 

「みんなすぐ、か弱い少女のお尻を丸出しにして、思いっきりひっぱたくんだもん。たまんないよ・・・。」

「いいなぁ。」

「花ちゃん、やっぱり変。お尻叩かれるのって、すごく恥ずかしいし、泣き叫んじゃうぐらい痛いんだよ。」

 

「そうだよね。海ちゃんのお尻は、ちょっとかわいそうな感じだね。でもそうやってしっかり叱ってくれて、悪いことしちゃいけないって教えてくれる人がいるのは、やっぱりすごく憧れるんだぁ。」

 

「ふーん、そうなのかぁ。そうだ、お兄ちゃんなら、大人の女の人のお尻も、悪いことしたときには構わず叩くと思うよ。花ちゃんのお尻、ペンペンしてあげてーって、言っといてあげる。」

 

「海ちゃん、ダメだよ。絶対にそんなこと言わないでね。蓮ケ谷先生とは、地域の集まりでよく顔を合わせるんだから。もし言ったら、もう保健室で寝かせてあげないからねっ。」

顔を赤くして、必死になって否定している花ちゃん、すごくかわいい。

 

「海ちゃん、今の話、2人だけの秘密だよ。」

「うん。海がたかやんにお尻叩かれたのも内緒ね。」

2人は指切りをして、お互いの知られたくない情報を封印した。

「今日はお世話になりました。」

海はペコッと頭を下げて、給食のトレーを持って保健室を出た。

 

“お尻を叩かれたいって思う人いるんだね。海なんて絶対に叩かれたくないのに・・・。不思議だなぁ。でも花ちゃん、かわいくて守ってあげたいタイプだから、男の人もかわいそうでお尻なんて叩けないと思う。ちょっと叩いただけで、泣いてごめんなさいって素直に言われたら、すぐに許しちゃうんだろうな。”

 

食器を片付けて職員室に行くと、たかやんとよわしが話をしていた。

「失礼します。」

「あー海、最近元気がなかったけど、藤重先生からたっぷりと愛のムチをもらってすっきりした?」

よわしに言われ、口を尖らせると、

「これから先も乗り越えないといけない試練がたくさんあると思うけど、あまり溜め込まないで、さっさとおしおきしてもらって清算しちゃうんだよ。」

満面の笑顔で言われ、海もつられて少し引きつった笑顔を見せた。

 

「藤重先生、宿題・・・。」

「ああ。これ、明日の朝、提出な。」

数学のプリントを10枚渡された。

「こんなに?」

「授業さぼった罰だから、しっかりやれよ。いい加減なことしたら、明日またケツ叩くからな。」

“職員室中に聞こえるような、そんな大きな声で言わなくても、ちゃんと聞こえるのに・・・。”

「もうなめたことするなよ。」

たかやんは怒っているでも、笑っているでもない、無の表情で言うと、海のお尻をパーンとはたいた。

 

放課後の部活では、

「海、みんなに謝れ。」

たかやんに促され、

「自分勝手な行動をとってしまい、みんなに迷惑をかけてすみませんでした。」

頭を下げて謝罪した。その日、海は率先して声を出し、いつも以上に活気のある練習が繰り広げられた。たかやんはいつものように選手たちを怒鳴り飛ばしながらも、満足げに海の様子を眺めていた。

 

家に帰ると、真っ先に悠一に聞かれた。

「今日は部活行けたか?」

「うん。」

「高也先輩にちゃんと謝ってきたか?」

「うん。」

 

先に帰っていた空が口を挟んだ。

「海、今日の数学の時間、頭痛くて保健室で寝てたんだよな。そうしたら、たかやんに捕まって。」

「空、言わないでって言ったじゃん。」

「オレ、何も都合の悪いこと言ってねーじゃん。」

海は墓穴を掘ってしまったようで、悠一に

「何かやましいことでもあるのか?」

とにらまれた。

 

「・・・あのね、4時間目、数学だったんだけど、先生と顔を合わせるのが嫌で、保健室で寝てたら、授業終わって藤重先生が来て・・・それで・・・お尻叩かれた。」

「じゃあ自分から謝った訳じゃないのか?」

「・・・うん。」

「まったく世話の焼けるヤツだな。」

「ごめんなさい。」

 

「そうか、そうか。でもそれで仲直りできたんだな。」

「仲直りって、お友達じゃないし・・・。」

「まあ、何はともあれ、よかったよかった。」

“お兄ちゃん、嬉しそう。すごく心配してくれてたもんね。ありがとね。”

 

それから1週間が経過し、海は保健室でのたかやんの言葉に答えるように徐々にキャプテンとしての役割を果たし、チーム内にはいい空気が流れていた。

 

 

それなのに・・・ある朝、目が覚めたら・・・。

 

 

第2話に つづく・・・また来週(*‘∀‘)

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