梅雨のジメジメを吹き飛ばすような爽やかなプログラム&演奏でした。プログラム全体が緩急の効いたシンフォニーみたいな構成で、オケの規模も中型→小型(弦楽器30人)→大型(弦楽器60人)という変化もさることながら、「謝肉祭」の華やかなこと、モーツァルトの上品なこと、「ドヴォ8」の流麗なこと。同じ曲でも、天候や時間帯によって演奏は違ってくるものですが、観客の気分とフィットした時、舞台と客席が一体となるのがライブの愉しみ。
ヴィンツォーは「こんなOLさんいるよね」といった風貌なんだけれど、レッスンが始まった瞬間にスイッチが入るスタジオインストラクターのごとく、演奏が始まると同時におじさんたちをぐいぐい引っ張っていく指揮っぷりが爽快でした。「ここでズドンと来てほしい!」という箇所でちゃんとズドンと来るのが爽快。重厚な演奏を期待する人には好みじゃないかもしれませんが、日曜日のお昼過ぎ、ちょっとまったり睡魔が襲ってきそうなランチ後のコンサートですもの、かっ飛ばしてくれて結構です。楽しかった~。
指揮=カタリーナ・ヴィンツォー
フルート=マチュー・デュフォー
ハープ=景山梨乃(読響ハープ奏者)
ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」 作品92
モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299(297c)
(アンコール)グルック:精霊の踊り(歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」より)
ドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調 作品88