Riverdance@TOKYO DOME CITY HALL | てるみん ~エンターテインメントな日々~

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 マイケル・フラットレー×ジーン・バトラーの振付・主演によるRiverdanceが初演から25周年を迎えました。アイルランドの素朴な民族舞踊がショーアップされた衝撃といったら! ロンドンではじめて見た時、日本では観たことがない豪華なダンスショー、マイケルとジーンのスターっぷりに圧倒されました。とはいえ、喧嘩別れした関係からか、今回の公演の公式サイトではマイケルの名前はマッタク紹介されていません。スタッフのクレジットも、キャスト表も張り出されず、日本公演のサイトでも紹介されていないのですが、英語版サイトでだけ紹介されているのが謎です。今回の日本公演カンパニーの印象は「地味」でした。スターダンサーがいないんです。みなさん達者です、それぞれの演目をきっちり踊られてます。でも、表情豊かだったり、華のあるダンサーがいなくて、ブロードウェイで「何年も前にトニー賞取ってロングランはしているけれど、パッとしない舞台になっちゃったね」の公演を観ている気分でした。客席の反応も大人しめ。それでもお馴染みのメロディが流れ、ケルト系のコーラスの不思議な響き、アイリッシュダンスvsタップダンスや、アイリッシュダンスvsフラメンコ(今回も素晴らしいフラメンコダンサーで迫力で主役を食ってました←専科的存在)など、存分に楽しむことができました。

 

 日本では1999年・2000年・2003年の国際フォーラム、2005年のオーチャードホール、2008年の赤坂ACTシアター、ちょっと間が空いて2015年のシアターオーブ公演を経て、9年ぶり7度目の公演です。周年公演なのに、今までの軌跡を紹介するようなパンフも、公演DVDも、音楽CDも販売なし。字幕もなし、後楽園駅から会場にいたるまで宣伝も全く目にしないという、ケチケチしたシンプルな公演。東京の面白いところは、オーブやオーチャードで公演する時と、日比谷近辺で公演する時と、今回のように「どうしてここで?」で公演する時とで客層が異なること。盛り上げ型の渋谷、安定かつツボを押さえた日比谷、初見者が多いその他という印象を受けます。独断と偏見だけど、客席の盛り上がりや一体感が違うんですよね~。

 

 25周年版は、衣装が一新され、舞台の映像がよりクリアになっているけれど、基本的には過去の公演を踏襲しています。オープニングが変更されていたのと、過去公演の映像が紹介(ここではマイケル・フラットレーやジーン・バトラーも登場)されていた位ですかね。カーテンコールもアッサリ。残念だったのは、会場がTOKYO DOME DITY HALL(元JCBホール)という、劇場公演には適していない小屋だったこと(一一") 舞台の奥行がなく、V字になったり、舞台上で一直線のラインのまま一周してみたりのフォーメーションが上手く組めないのですが、一方横幅はあるので、ダンサーたちは横移動は大きく、縦移動は窮屈というアンバランスな動きをせざるを得ない状況。舞台を斜めに使ったダイナミックな踊りはなく、基本的に舞台横からという演出。客席は一階席がフラットで観づらい(でもS席)上に安っぽくて座り心地の悪い椅子とあって、キャストにも観客にも残念な興行になってしまったのでした。2010年大地真央の『マイ・フェア・レディ』最終公演の大楽で上條恒彦が「プロレスもやる劇場で、お客さんはパイプイスで3時間も座って」と怒ってましたっけ。3階席から入場し、地階に潜っていく構造もあいまって、個人的には最安値の3階席がベストなホールだと思っています。今回は会場スタッフも常設劇場やホールのスタッフとは雲泥の差で、観客が楽しく快適に観られるようにという配慮がなく、客対応が冷たかったのが残念。このあたりも「劇場じゃないんだ、ここ」とショックでした。

 

 とはいえ、やっぱり大好きなショー。「Riverdance」をきっかけに「Lord Of The Dance」や「Burn the Floor」など、大規模かつ「女性だけでない」ショーがどんどん日本に入ってくるようになった画期的な作品です。2拍子と3拍子が目まぐるしく入れ替わるリズムチェンジ、10拍子のフレージング、バロック調のコーラスも男声が音を当てない発声など、楽曲も斬新。

 

 

2024年日本公演キャスト

 

スタッフ