印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵@東京都美術館 | てるみん ~エンターテインメントな日々~

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 「印象派」が誕生して今年は150周年になるそうです。「印象派」というとフランスのアートをイメージしがちですが、今回のコレクションはアメリカ、マサチューセッツ州のウスターという街からやってきました。ボストンから1時間位の距離とのことです。日本の感覚だとメジャーどころを離れた地方の美術館?と思ってしまいますが、世界ではじめてモネの「睡蓮」を購入した経緯をもつ凄い美術館とのこと。先見の明を持つって凄いですよね。巨大なお金が動くし、美術の価値を説明するのって難しいし。美術展でお金の話はヤボなのかもしれませんが、ウスター美術館とフランスの画商との作品購入にいたる何往復もの書簡も展示されていました。作品選びのためのレンタルに始まり、支払日の交渉、ディスカウントの交渉などなど、実にリアル。そして、今のようにEメールじゃないので「提示していた価格っておいくらでしたっけ?」なんて人間臭い手紙まで!

 ウスター美術館の館長曰くで「日本の浮世絵に触発されたフランスの印象派がアメリカに伝わり、独自の印象派が生まれた。本展は、印象派の影響を受けた日本人画家の作品も併せて展示し、印象派のグローバルな展開を実感していただけると思う」という何やらワクワクする内容。今回紹介されているのは、フランスやイタリアのみならず、フランスに留学していたドイツや北欧、日本などの画家たちが、それぞれの国で独自に展開していった●●風印象派の作品たち。登場するアーティストはモネ、ルノワール、カサットに始まり、ハッサム、クールベ、コロー、シスレー、ピサロ、カサット、サージェント、ホーマー、セザンヌ、シニャックなどなど、40人以上! 「はじめまして、こんにちは」な作品ばかりだけれど、特定の画家や地域に偏らない分「印象派とはなんぞや?」とあれこれ考えさせられる展覧会でした。フランス菓子がアメリカや日本で独自の進化を遂げたように、アメリカ印象派をはじめとした「印象派のテクニックを用いて世界各国を描いたらどうなる?」という視点が面白く、パリでもなければモンマルトルでもなく、ボストンだったり、日本の田舎の農村だったりするのが新鮮。色使いや絵具の濃さなどお国柄が出てきます。モネやドガ、ルノワールがもしかしたらお墓の中でひっくり返っているかもしれないし、それとも「面白いことになっているね」と喜んでいるかもしれません。いつもになく広く展開する今回の作品たち、素人には収集が付かないのですが、とりあえず「バラエティに富んでいて面白かった」のです!
 

チラシに登場しているからってわけじゃないけれど、モネの「睡蓮」と


 ハッサムの「花摘み、フランス式庭園にて」の2作品が強く印象に残りました。

 

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印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵

【展示構成】
CHAPTER1 伝統への挑戦
CHAPTER2 パリと印象派の画家たち
CHAPTER3 国際的な広がり
CHAPTER4 アメリカの印象派
CHAPTER5 まだ見ぬ景色を求めて

【会期】
2024年1月27日(土)~ 4月7日(日)

【開室時間】
9:30-17:30
金曜日は20:00まで(入室は閉室の30分前まで)

【休室日】
月曜日、2月13日(火)
※ただし2月12日(月・休)、3月11日(月)、3月25日(月)は開室

【会場】
東京都美術館

【主催】
公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館、
日本テレビ放送網、 日テレイベンツ、BS 日テレ、読売新聞社

【後援】
アメリカ大使館

【協賛】
光村印刷

【協力】
NX日本通運、TOKYO MX、TOKYO FM

【公式サイト】
https://worcester2024.jp/

【巡回】
2024年4月20日(土)~ 6月23日(日) 郡山市立美術館(福島)
2024年7月6日(土)~ 9月29日(日) 東京富士美術館(八王子)
2024年10月12日(土)~ 2025年1月5日(日) あべのハルカス美術館(大阪)