読売日本交響楽団『第263回日曜マチネーシリーズ』東京芸術劇場 | てるみん ~エンターテインメントな日々~

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 通常、チケットを購入する際は、アドレナリンがドバドバ出てくるような派手なものを選ぶことが多いのですが、今回は穏やかに落ち着くような曲の数々。「雪になるかも→雨で出歩きたくない→午前のスケジュールはキャンセルして自宅でまったり→地下鉄でホール入り」という流れで、のんびりヌクヌク過ごす貴重な日曜日に! 都内にホールは多々あれど、駅からマッタク外に出ないで客席入りできる貴重なホールが芸劇なのです!

 

 穏やかで優しいメロディが満載の3曲なので、時と場合によっては睡魔に襲われてしまうところですが、ブランチのおかげで満腹ではないし、昨日~今日の天気を反芻しながらの鑑賞、終始幸せ気分でいっぱい。弦楽器がゆったりと響き、管楽器が伸びやかに絡んでいくのですが、絶唱することもなければ、激しく暴れることもなく、実に上質な時間。結構、この手の作品を「聴かせる」のって難しいと思うのですが、ヴァイグレの音楽はスケールが大きく、ホールを優しく音で満たしていくのが暖かく、観客の拍手も爆発的というよりもシャワーのように降り注いだのでした。

 

 クラリネットのオッテンザマーは長身で常にニコニコしていて、何だか俳優さんみたいなクラリネット吹き。クラリネットの音域をめいっぱい使ったコンチェルトで、コロラチューラのように駆け巡ったり、しっとり歌い上げたりと「管楽器って歌に近いな」という演奏。素敵でした。アンコールは即興演奏。コンチェルトの華やかさとは対照的に、客席が集中して聞き入るような弱音が印象的でした。この間、マエストロはヴァイオリンの最後プルトにしれっと腰かけて聴きいってました。

 

 

指揮:セバスティアン・ヴァイグレ
クラリネット:ダニエル・オッテンザマー

ニコライ:歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲
ウェーバー:クラリネット協奏曲第2番 変ホ長調 作品74
(アンコール)ダニエル・オッテンザマーによる即興演奏
ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調 作品68「田園」