宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました@新宿武蔵野館 | てるみん ~エンターテインメントな日々~

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 恋愛映画のパロディでもなく、ものものしい軍事作品でもなく、宝くじをめぐるどことなくオマヌケな人間模様が最高に楽しい一本。南から北へ境界線を越えて“不時着”するのは人間ではなく、何と一枚の宝くじ! 同じJSAでも共同警備区域ならぬ“共同給水区域”で顔を突き合わせた韓国と北朝鮮の兵士たちが、賞金6億円の1等に当選したそのくじをめぐって、奇妙キテレツな人間模様を繰り広げるコメディで、何としても当たりくじを取り戻したい南と、自力ではくじを現金化できない北の軍人たちが互いに所有権を争ったあげく「北が渡した当たりくじを、南が換金して持ってくるまでの一週間、互いの兵士ひとりを“人質”として交換する」ことで和解するも、次から次へとどんでん返しが続くので大笑いしながらの約2時間。ツッコミどころ満載のぶっ飛んだ展開で、客席は笑いの渦! 映画館で知らない人と一緒に大笑いするのって楽しさ倍増。

 北朝鮮と韓国の軍人が互いに相手の国に潜伏し、隠された能力を発揮したりカルチャーギャップでトラブルに巻き込まれていったり、両国の軍人がいつしか運命共同体となって数々の難問をクリアし、成功のあかつきには友情生まれるという後味が爽やか。経済問題などはとりあえずスルーして、どちらかの国を刺激したりしない作りが好感度◎。金の亡者だった六人が最後は身の丈にあったレベルの穏やかハッピーに落ち着いたのがアッパレ。緻密なコメディ、細かな伏線のウェルメイドな一本。北朝鮮vs韓国がこんなに楽しい映画になるなんて!!!

 

 

宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました

2022年製作/113分/G/韓国
原題:6/45
配給:ツイン
劇場公開日:2023年12月29日

【スタッフ】
監督:パク・ギュテ
脚本:パク・ギュテ
字幕監修:松尾スズキ

【キャスト】
一等宝くじを最初に拾った韓国軍のパク・チョヌ兵長:コ・ギョンピョ
一等宝くじを二番目に拾った北朝鮮上級兵士リ・ヨンホ:イ・イギョン
規律に厳しいパクの上官韓国軍カン・ウンピョ小哨長:ウム・ムンソク
対南“ディスり”専門北朝鮮の軍宣伝隊兵士 ヨニ:パク・セワン
韓国軍前線部隊所属の上等兵キム・マンチョル:クァク・ドンヨン
北朝鮮の政治指導員チェ・スンイル:イ・スンウォン
対南ハッキング専門の北朝鮮上級兵士チョルジン:キム・ミンホ