郷古廉&北村朋幹 デュオ・リサイタル@浜離宮朝日ホール | てるみん ~エンターテインメントな日々~

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 近代曲に特化したマニアックなプログラムのデュオ。1993年生まれの郷古廉&1991年生まれの北村朋幹というアラサーコンビです。ヴァイオリンはストラディヴァリウス、ピアノはベーゼンドルファー(蓋全開)。まずはこのプログラムでベーゼンドルファーというのが意外だったんです。もっとキラキラした音の方が合うのではないかと思って。でも、ヴァイオリンと合わせるとなるとベーゼンドルファーのぬくもりのある音が絶妙にマッチ。北村朋幹は鳴らすのが難しいベーゼンドルファーにも関わらず、pppを美しく、でも会場中に音を飛ばすという至芸で魅せてくれました。素敵なピアニズム。その一方で、体躯の小ささからか(東洋人あるある)、壮大な音が必要な時は体全体で弾くという、これまたプロの技。郷古廉は30歳になりたてですが、N響のコンマス就任ということを差し引いても貫録タップリ。この世代の音楽家としてはまっすぐでスケールの大きな弾きっぷり♪

 

 ベルギーの作曲家、ルク―によるヴァイオリン・ソナタは初めて聴きましたがとても耳馴染みが良かった~。一方、シェーンベルクはザ・現代曲って感じでわけがわからないんだけど、不思議と睡魔に襲われることがなく、摩訶不思議な響きなのに集中して聞き入る何かがありました。恐るべし、シェーンベルク。でも、やっぱり今日の白眉はR.シュトラウス。ピアノとヴァイオリンなのに何だかオペラを聴いているような気分。

 

 コロナを経て、楽章間に客席が一斉にゴホゴホと咳払いすることがなくなりました。なんだ、みんな出来るじゃないの!!!

 

【プログラム】

ドビュッシー: ヴァイオリン・ソナタ
ルクー: ヴァイオリン・ソナタ ト長調
シェーンベルク: 幻想曲 Op.47
R.シュトラウス: ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.18

(アンコール)

マーラー:『若き日の歌』第1集より 第2曲「思い出」