新国立劇場バレエ団『ホフマン物語』オペラパレス | てるみん ~エンターテインメントな日々~

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 たった3日間という贅沢な公演ですが、その分、オールスターキャストといった座組で実に豪華なキャスティング。新国バレエ団に9名いるプリンシパルのうち、6人が今日の舞台に立っているんですから、さすがに役不足で、チョイ役だったりするんだけど、あっちを見てもこっちを見てもプリンシパル。どこ見れば良いんだー。と言いながら、2幕でオケに合わせてピアノを弾いてる演技をする福岡くんの指に釘付け。ピアノ、かなり弾けますよね?

 

 ホフマンの福岡雄大とリンドルフなどの渡邊峻郁が出ずっぱりで、女性キャストは幕ごとにプリマが変わるのですが、相手役によってコンビの魅力が変わって見えるし、男性ダンサーが美味しい作品。風格のある踊りの福岡雄大、スタイル&キャラクター作りの渡邊峻郁(マント姿が超絶お似合い)といった、いつもだったらなかなか共演しないスターダンサーの揃い踏みが見どころ。オペラの音楽をベースとしたストーリーバレエなので派手な見せ場よりも、役としての作りこみで魅せる場面が多い作品なので、余計にダンサーの持ち味が際立ちます。女性ダンサーは短い尺の中で存在をアピールしなければならないのが気の毒ですが、登場と同時に自分のカラーを出せるのはさすがスター。こうでなくっちゃ。

 

 特に印象的だったのは第2幕。ストーリー的にもドラマチックに盛り上がりますが、オペラ版だと「歌ったら死ぬよ」なアントニアのキャラクターが「踊ったら死ぬよ」になっていました。でも、こちらの方が説得力あるでしょ? 福岡雄大×3人の女性ダンサーたちは、それぞれ見どころでしたが、新国バレエ団を代表するカップルとして共演が多い小野絢子とのカップリングでのパ・ド・ドゥの安定している事といったら!!! 眼福でした。

 

【キャスト】
ホフマン:福岡雄大
オリンピア:池田理沙子
アントニア:小野絢子
ジュリエッタ:柴山紗帆
リンドルフ ほか:渡邊峻郁

【スタッフ】
振付・台本:ピーター・ダレル
音楽:ジャック・オッフェンバック
編曲:ジョン・ランチベリー
美術:川口直次
衣裳:前田文子
照明:沢田祐二

指揮:ポール・マーフィー
管弦楽:東京交響楽団

 

チラシは昭和のバレエ映画みたい