よく中学受験を煽る塾業界は中高一貫校の大学進学の際に有利な点として、先取り授業をあげる。
高2までに六年分の内容を終わらせて、高3は丸一年受験対策に支えるからというのだ。
(過去記事1,2)で、私はそれに否定的だと言った。
もし先取りが有効なら、
中高一貫校の現役生は他の高校出身の多浪生に歯が立たないはずだ。実際にはそれほど現役と浪人に差は無い。
そもそも生徒は授業中に内職してるから授業は関係ない。
それに授業の進度は考えられて作られている。本当に生徒みんながみんなサクサク完璧に分かるのなら教員は喜んで先に進むはずだ。
知人の高校は公立だったが、高一の内容の最初のかなりの割合は入学前の春休みに自習するよう指示があり、高3の最初で三年分終えてた。高3の一学期にやった内容は統計とか、実際の入試には出ない範囲なので、ほとんど入試に出るところは高2で終わってた。
先取り学習するかどうかは生徒の質を見て教員が判断するものである。
中学生時代に高一の範囲できるくらいなら、生徒は内職なり自習なりで先に進める。
おそらくは国立大学理系にやっと受かるレベルの生徒にとっては、中高6年間で中1から高3までのカリキュラムをこなすのがちょうど良いくらいだと思う。
それより速くても生徒はついていけない。
よほどの難関中学一貫校でも国立大学理系医系に行けるのは半分以下だ。(過去記事3)でも書いたが、開成ですら、浪人してでも東大か医学部に行けるのは半数以下。4分の1はマーチ以下か行方不明だ。文系進学も考えると、開成ですら、半数は高2までに六年分の数学はついていけないか又は必要ないのが現状だろう。
地方国立大やマーチ程度の理系なら教科書レベルの数学ができれば充分受かる。センター試験くらいならひねりもないし今のAIでも正答できるレベル。
実際に高2までに六年分の数学を終わらせたらかなりの生徒がついていけなくなって犠牲になるだろう、と過去記事で書いた。
それについて最近動画を見た。
中高一貫校で教員経験のある人が言っていたのだが、
実際に先取り学習をやるとクラスの半分とか三分の一がついていけなくなる。
そうしたらどうするのか?
と質問され、その教員は答えた。
定期試験問題を易しくする。
こうきたか。
はははははは
そうだよね。補講するとかじゃないんだよね。当の深海魚高校生にしたら笑い事ではないけど、あまりに本音を曝け出すので清々しい。
結局そういうことよ。単位取らせて卒業させないと学校は困るから、定期試験問題易しくして乗り切るけど、結局下位の生徒は犠牲にするって事。
酷い話。それを親は分かってるのか。分かってないのだろうね。大学合格実績にこだわる塾業界と中高は罪深い。
(過去記事1)
(過去記事2)
(過去記事3)