公立一貫校と私立中高一貫校 どちらが良いか問題。


ユーチューバーで

公立一貫校は私学に比べ合格実績がないからダメ

という話をしてるのを聞いた。

あまりにもレベルが低くてつっこむ気にもなれなくて放置した。

 公立一貫校より私立を目指してもらった方が塾側にとって儲けが多いというのはわかる。(過去記事2)


 ほとんど同時期にブログで同じく

公立一貫校は私学に比べ合格実績がないからダメ

というのを読んだ。根拠は書いてないけれど、まぁまともそうだったので、根拠を聞いてみた。


 どうも都内中高一貫校11校中の一校と、80%偏差値が同程度の私学一校を比べて現役生の国立大学合格実績が公立一貫の方が悪いという答えだった。

 しかしその現役生の合格実績は非公表で、そのブロガーが内々に手に入れたものらしく検証できない。エビデンスとして成立しない。エビデンスというからには公的に検証可能が必要。

 公表されているのは浪人生込みの合格実績だけで、それだとむしろ公立一貫校のほうがごく僅かに上回る(誤差の範囲だが)。まあ大差ないと言えよう。


私は80%偏差値でなくて50%偏差値を見るべき、という意見(過去記事1)です。

なぜなら、私立型模試と公立適性検査とは相関が悪いので公立は80%と50%偏差値の差が大きい。80%で同程度だと50%では私学の方が上になる。


50%合格ラインで同等の私立学校と比べると大学合格実績すごく良くなる。しかしこれはマジック。中学入試最低点と上位層の大学合格実績を比べてるから。


以下はそのブロガーに対する回答。

書いたのだけど、コメント欄に投稿するのは控えた。これ以上書いても気を悪くさせるかもしれないし、返信したくなるだろうさ、私には利益が無いと思ったので。

 もし見つけても返信は要らないです。


———

回答ありがとうございます。

>「比較出来ない」という結論にしか到達しないのです。

はい、

「公立一貫と私立とどちらが合格実績良いかは比較不能な問題です」であれば満足です。よって「公立一貫は入るのが難しい割に出口が低い」も検証できません。確実に入るのは頌栄レベルに難しいけど、平均的には開智日本橋レベル、もっと低く偏差値46でもワンチャン(20%)行けるレベルです。公立一貫は倍率高いですから、入学者の中にこのワンチャン層が占める割合は高いはずです。

(この辺は面白いですね。一見実質倍率高い学校ほど優秀という印象ですが、実際は、低合格率を運良く入った生徒が多い事を意味する)

ただし、これらは(日能研も恐らく四谷大塚も)四科目偏差値でしょう。公立一貫専願の人は理社やってないでしょうから低く出ます。開智日本橋と50%偏差値同じなのは見かけだけでしょう。

また、これは私立型模試の話で、仮に検査型模試で無理に私学の合格判定したら合格率80%と50%の偏差値差は私学の方が公立より広いはずです。

そうは言っても

公立一貫校は11校しかないので幅が広いのは確か。

たぶん、九段の学年一位は頌栄の学年一位より上。私学は数が多いのでトップは辞退してもっと上の学校に行きます。


公立一貫校11校の一校だけの自分にしか手に入らない非公表の現役合格者数を持ち出したらエビデンスになりません。検証可能性の点で。


 また九段にしろ頌栄にしろ浪人込みで卒業生の1割しか入れない国立大学の合格者数の微妙な差を持ってして、その学校の教育力を比べるのは無理です。9割の生徒には関係ない話です。むしろその1割の実績のために前倒し授業がなされ、9割が犠牲になっている可能性もあります。


それ以外の感想は私は違う意見を持っています。

私立の先取り学習は有効でないと思います。私のブログ(4.21,17:01)に書きました。

私の仮説は、どの学校もだいたいは

「仕入れた学生のレベルに応じた進学先になってる」

です。

「意図的に効果ある再現性のある教育方法は無い。」あったら学会発表してノーベル賞取って共有財産にすべきです。19世紀以前から教育学はありますが進展していません。

上位校の下にいた方が良いタイプなのか下位校の上にいた方が良いタイプなのか、自分よりずっと上もずっと下もいる環境と上も下大差ない環境とどちらが良いのか、それも答えの無い話です。

 私は基本、学校は格付け機関で、教育力を否定しますので教育者には辛いかもしれません。その理由は今日か明日の私のブログに書きます。

 お話を伺って自分の考えが整理できました。

 ありがとうございました。



(過去記事1)



(過去記事2)