清水健太郎が歌うヒット曲
失恋レストラン
1976.11
つのだひろ作詞作曲編曲
古い歌だけど何気に覚えてて、ごくたまに口ずさむことがある。冒頭だけ。
で、私は勝手に誤解してて
これはダンディな男性が
失恋で泣いている女の人に
素敵なバーで優しくしてくれてる曲だと
思い込んでいた。
歌詞をよく聞くと違うのね。
好きな女に裏切られて笑いを忘れた道化師が
って、え?泣いてるのは男だったんかい。
男が男を慰めてたのね、
マスターにカクテルつくってやってよ、とか、なんかマスターに注文が多いよね、この慰める男。
更にマスターに歌ってやってよ、とか。
レストランなんだけどマスターに歌わせるのね、
君が歌えよ
で曲の最後には、慰めてた男が
恋愛をした事ない
と明かす。
え?恋愛経験ない男が、レストランでマスターに偉そうにして他の失恋した男を慰めてたの?
がくっ。
とっても変な歌詞なんだけど1976年のこのころはこれで良かったのかね。
今と時代感覚が違うわ。(まあ歌詞なんて今の曲でも変なのは沢山あるから一概に言えないけどね)
1980年代中盤にとんねるずが深夜番組オールナイトフジや夕やけニャンニャンなどで童貞をバカにしたネタとかで笑わせていた。
ま、当時小梨の2人も童貞も似たようなもの、例えて言うなら司法試験で論文試験落ちた人が短答試験落ちた組を馬鹿にするようなもので、法律家になれないのは同じじゃん、って、心の中でずっと突っ込んでるけど。
その10年前くらいの時代。
とんねるずが結成した1980年の状況は(過去記事2)に書いた。
そもそも童貞の意味は最初は修道女であったし、現代の意味に確定するのは1970年代以降だから、この曲の頃か。
戦前は男の性交経験無しは美徳で、童貞裁判も行われた事は(過去記事1)に書いた。
今だったら男同士の同性愛的ニュアンスで受け取られることもあるのか
時代の感覚って大きく変わるね。
清水健太郎(1952.10.11-)は当時24歳で今71歳。
つのだひろ(1949.8.1-)は当時27歳で今74歳。兄は漫画家のつのだじろう(1936.7.3-)
まだみんな存命。
今の常識も少ししたらガラッと変わるかもね。未来は読めない。トランプ大統領再選もありうるし。
古い世代の大人が新しい世代の子の教育するなんてかなりの勘違いかもしれない(過去記事2)。
(過去記事3)で諏訪哲二氏(1941-)が近代という語を良い意味で多用するが、現代は一カ所しか出ないと書いた。自分が生まれた70年前の近代的変化は善として受け入れるのだけど、自分が青春時代以降を過ごした現代的変化はなかなか生理的に受け入れなれない、というのは我々の多くにも結構あるのではないかな。
自分の価値を若い人たちに対して認めさせるためには古き良き思想を持ち上げるのが手っ取り早いと本能的に分かっているのかもしれない。
教科書に書いてること、歴史書に書いてあることなんて、教師たちとその少し前の世代の業績の礼賛からなっている。
(過去記事1)
(過去記事2)
(過去記事3)