長女は小学校中学年の普通級.算数は能力別に3クラスに分かれる.仮にA, B, Cとしよう.Aが一番高度なクラスで一番人数が多い.(A,B,Cは実際には動物の名前) 

 長女は今一応Aにいるのだけれど,同級生の女子XちゃんはいつもCにいたらしい.

 ところが最近はAに参加しているのだという.長女によると,クラスAで塗り絵しているという.

 

 長女から話を聞いた後,長女がいないときに夫婦で話したんだけどね.Xちゃんは友達はいるらしいけど,サ行も言えないし,勉強はできないらしい.それでずっとCにいたのだけれど,Bを飛び越してAへ来て,塗り絵をしている.なるほど.どうやら,XちゃんはCでも落ちこぼれたようだ.算数が嫌いにならないように塗り絵など好きなことさせていると.でもCでそれをやったら,クラスメートから,

なんで算数の時間に塗り絵やってんだよ!

って罵声が飛ぶだろう.でも小学校中学年にもなってAクラスの子たちなら,突然Cクラスの子が来て教室の隅で塗り絵をしていても,察してくれてほおってくれるだろうという配慮だろう.実際うちの長女も他も察している様子だ.口には出さないけど.というかむしろ,Cクラスで実際に言われてしまって,それでAに移ってきたという可能性もあるかもしれない.

 

 なるほどね.難しいよね.現場の教員らは良く考えていると思う.もしも自分が同僚教員だったとしても,その配慮には賛同すると思う.しばらく不登校になって家で休めば,なんて教員の立場では言えないしね.教育の放棄,職務の放棄とみなされてしまう.

 Xちゃんが来春から支援級に移るのか,それとも普通級のままなのか,それは私はもちろん知らない.クラスに友達もいるから,今から支援級に移ったら精神的にきついよね.本田秀夫医師もこういうので子供は傷つくから小1から支援級に入れた方が良いと勧めていたな.

 

 今思えば,入学時点でのベストな選択は,

 

・小1から支援級

・小1から不登校で中学年になるまで様子を見る(本人が最初から登校しぶった場合)

 

のどちらかだったのかもしれない.言葉も話せていれば知能検査も勧められないし,幼稚園の友達もいたのだろうから,小1から支援級という判断はハードルが高かったのは想像につく.

 あと数年頑張って小学校普通級卒業したとしても中学校はどうするのだろうか.小学校中学年でCクラスでもついていけないのであればおそらく小1のレベルで怪しいのではないだろうか.小学校普通級で友達いたら,地元の中学校支援級というのも精神的につらいものがあるだろう.本人は.

 

 先の話に戻るが,不登校という選択肢は決して就学相談員も教育委員会も言わない.言うわけがない.職務上.

 みんな自分の役割の中でしか動けないのだ.

 

 ツレが言っていたが,精神科医とユーチューバーの対談動画を見たそうだ.そのときに精神科医の業界を批判されて精神科が言うには,

精神科医と言うのはコンビニのフランチャイズと同じで,業界ルールにのっとってやっているのであって,その枠組みからはずれない

だそうだ.動画を直接見ていないので,正確にはたぶん違うと思う.そのへんは割り引いて読んでいてほしい.

 

 そうなんだよ.精神科医も療育の先生も学校教師も教育委員会も就学相談員も,自分の枠組みの中だけで仕事をしている.

 

 ボクサーがキックを使えないようなものだ.その職,その職で出来ることに枠がある.各支援者は単なるサラリーマンや自営業者やアルバイトだ.法の範囲内で行動し,自分の損になるようなことは出来ないし,そんな経験もない.

 

 うちの義母はうつ病だ.でもこれは薬害だと思っている(ベンゾ系).義母がひとりで大学病院に行ったら糖尿病と診断されたらしいのだが,それでは不満だったらしく,ギャーギャー言ったらしい.そうしたら精神科へ回されて精神薬を処方された.その精神科医師も大学病院定年してすぐ東京の一等地にクリニックを建設し,そこへ勧誘された.わざわざ医師が自宅に電話をかけて勧誘してきたそうだ.医師としてはこれはご法度な行為のはずだ.以来その医師は大学病院からは煙たがられている問題医師のようだが,義母は薬を盛られ続けている.それですっかりジャンキーになってしまった.それでそのクリニックを辞めて大学病院にもどったが,そんな経緯もあり,大学病院からは受診拒否されて今は別のクリニックに行っている.しかし,外科医ならまだしも,精神科医の場合はその処方が適切だったかどうだったかなんて客観的に判断はできない.裁判にして医療ミスで精神科医が負けたなんて例は聞いたこともない.

 

 みんな,自分の儲けとか,自分の利得とか,自分の業務の範囲内で行動している.役人は所属部署の人事異動がはげしい.教育委員会事務局だってすぐに任期が終わって異動する.自分が対応した相手が大人になってどうなったかなんて蓄積されないし,責任もない.

 

 行政の仕組みを考える方はそれなりに頭の良い人がやっていると思う.しかし現場を回していくのは現場の人間だ.長いベルトコンベアーのそれぞれの箇所に現場作業員が立って,それぞれがそれぞれの仕事をこなしていくだけだ.その組み立てた部品がどこまで動いてどんな製品になったかなんて誰もチェックしていないのだ.

 だからこそ,親なら枠組みに縛られずに,いろんな選択肢から考えるべきだと思うのだ.一二年後にはいなくなって行方不明になってしまう自称専門家群に頼ってはだめだと思う.

 

 先日もある公立学校の入学説明会に行ったが,説明会に出たのは校長と管理職教員二人.質疑応答があるので聞いてみたら,校長は来月定年退職.管理職ふたりも赴任して4年目と7年目なので近々異動するだろうとのこと.たとえ入学したところで三人中三人とも一年以内に消える確率99%だろう.そんなことはこっちから聞き出さないと向こうからは言ってこない.まあ私学なら教員異動は少ないが,それはそれで問題がある.それは(過去記事1)後半でも書いたし,これからも書こうとは思う.

 

 

 ベルトコンベアーのように幼稚園・保育園へ行かされ,そのまま小学校普通級へ行かされ,または幼稚園・保育園から子供発達支援センターへ行かされ支援学校小学部・小学校支援級を経由して特支学校高等部から作業所へ行かされる.何も考えていないと,”その場その場の常識”で動かされて行く.その場その場の人たちは行方不明でもう会えないし責任もとってくれない.今から10年後・数十年後にどんな社会になっているのだろうか.まだ軽作業の特訓を組めば就職先はあるのだろうか?なかったりあっても生活保護費と大差ない薄給とか.最初から未確定の未来のために今までの慣習に従ってよいのだろうか?B型作業所で月1万数千円稼ぐのより,ユーチューバーでそれだけ稼ぐ方が簡単だし本人も充実するんじゃなかろうか?(私はこのブログで稼いでいないし稼ぐつもりはないし,このブログや動画配信で家族養おうとしたら難しいと思うが,月1万数千円なら稼げるのではないか?)YouTubeが普及したのなんて2010年以降だ.高卒でスーパー勤務のHIKAKINに軽作業教えて意味があるか?HIKAKINがスーパーマーケット辞めたのは2012年だ.いやYouTubeで稼ぐなんて夢物語かもしれない.でも,子供たちの世代では今の我々が想像だにしていない社会になっていると思うんだよね.いや,労働しなくても良い社会の可能性もあると思うんだ(過去記事2,3).

 

 っていうか,どうせ作業所勤務するなら,小学校低学年から頑張らなくて,小中9年間何もしなくても,1,2年程度の訓練でどうにかなる時はなるしならない時はならないんじゃないの?頑張らせて精神疾患負うことのほうがリスクであってさ.(過去記事4)でも書いたけどさ,中学校支援級で時計の読み方学んでいる人にとって,小学校6年間って託児所以上の意味あった?教育虐待でしょう.

 

 

 

 

(過去記事1)

 

 

(過去記事2)

 

 

(過去記事3)

 

 

 

(過去記事4)